1年間で1500時間、本を読んでみて気付いた事
コロナで自粛生活を余儀なくされて一年が経過しました。
その時に生活スタイルが変わった方もいるのではないかと思います。
よくニュースなんかでは、マスクを作り始める人やYouTubeを始める人、Netflixに登録する人なんかも増え、
『自宅での暇の過ごし方』
というのが試された期間だったと思います。
僕もその一人です。
僕の場合はタイトルにもある様にそれが読書でした。
あ、YouTubeもしれっと始めましたが、よかったらチャンネル登録お願いします(宣伝)
ここで少しだけ、僕の読書遍歴みたいなものをお伝えしておくと、本はほとんど読まない人生を歩んできました。
というのも小説が読めないんです。
本=小説みたいなイメージもあった為、小説に挑戦した時期もありましたが、なんせハリーポッターと賢者の石(最初の作品)で後半3/4まで主人公のハリーの事をキツネだと思って読み進めてたくらい活字が苦手でした。
読解力や想像力が乏しかったのだと思います。
なので学校のテストなんかは、問題文が理解できないといった事もしばしば有りました。
そんな事から自分には小説(本)が向いていないと思い込み一線を引いて生活していました。
余談ですが、日本人の半数は
文章は読めるけど文字が理解できない!
という人もいると聞きます。
本離れという話や本の解説動画なんかの出現はそういう事を象徴してそうです。
話を戻します。
ある時、エッセイというジャンルを読む事になりそれがなかなか面白く、「これだったら読めるぞ」となり、なんやかんやで自己啓発本にも挑戦していきます。
そして次にビジネス本も読みやすい事を発見し、この時くらいから少し本に対して自信が付いてきます。
そしてコロナ期間、とあるジャンルに挑戦してみました。
『学術書』です!
いわゆる大学で習う様な学問みたいなジャンルになりますが、学校の勉強なんてしてきていない自分にはハードルが高すぎます。
なぜここに挑戦しようと思ったのかの説明をすると、『旅が好き』という一言に限ります。
旅をする為には世界、地球、宇宙、歴史、地理、哲学、生物学などなど、やっておいた方が良さそうな事が沢山あります。
という事で、学術を身に付けようと独学の道を進みます。
後、単純に教養があり物知りな人はカッコいいと思っているからです。
自分が素敵だなぁと思う人達が紹介している本をAmazonでポチり、
話はズレますが、Amazonで本を買う時のあのワクワク感って気持ちいですよね笑
買っただけで頭良くなった感じがしますしね笑
話を戻します。
買った本の中でもオススメの本を紹介してれているので、その本も買ってみたりと、本が本を紹介してくれるみたいな数珠繋ぎの様な感じで、好きなタイトルを選んで本を選んでいました。
基本的には旅に関連する知識の本を買いますが、自分の好きな人が紹介している本を買う事もあります。
まだ読めていませんが、『KGBの男』という二重スパイのノンフィクション本も家にあり、分厚いので積ん読状態です。
毎日目に入る様な場所にだけ置いています。ほぼインテリア状態ですが・・
旅好きが講じて、いろんなジャンルの学問が学べ知識量も格段に上がったと思います。
本が苦手と思っていた5.6年前までの自分に言ってやりたいくらいです。
ただやっぱり読解力はやや低いのかなと思う面もあり、読むのに時間はかかります。
一冊読むのに1ヶ月かかったなんてこともありました。
今まで勉強してこなかったツケが回ってきている感があります。
今は修行期間だと思って本を読む習慣を作っています。
そしてタイトルにもある様に、この1年間で1500時間以上は本を読みました。
1日4時間くらいで、休みの日はもっと読む時間が取れます。
習慣化してくると「あれ?俺今日、本触ってないな」なんて思ったりして、本を読んでない事にムズムズし始めます。
歯を磨いてないみたいなノリかもしれません。
仕事や私生活をしながらの読書なので、他の事はやや犠牲にしてきました。
人付き合いや恋愛、お酒、YouTubeなんかも疎かになりました。
それに関してはもう仕方ありません。
やっぱりアレもコレもしようなんてのは無理だと思っています。
という事でこの1年はコロナをうまく利用して、仕事以外は家からほぼ出ない生活をやっていました。
そこで気付いた事を書いてみたいと思います。
「みんな本を読んだ方がいい」
もう手垢のついたセリフだとは思いますが、本にはその人の人生が詰め込まれています。
その人が何十年と生きてきた形を書籍として発行しているので、それを数日(僕の場合もっとかかりますが)で得られます。
なので2冊読むと2人分の人生をゲットしたことになります。
さらに本の素晴らしい所として、情報が正確であるという所に加えて、著者も一生懸命書くというのがあります。
というのも面白くない本は、出版社の方も二度と出したくないはずなので、本を書くというのにも魂が込められます。
ただ勿論デメリットもあり、出版までに時間がかかってしまいます。
なので目まぐるしく変わる時代を捉える様なビジネス本なんかの、誰かの成功体験みたいな主観的かつ出版された頃にはもう情報として古くなっている様なものとかではなく、
学術書は歴史や地理、哲学などの概ね普遍的(あまり変わらないもの)なものが多い為、知識が色褪せるということも無く、さらに事実(客観的)を基にした話が多くあります。
なので学術書を読んだからといって、何か正解が得られるという様なものではありません。
ただ現代の、正解が無い混沌とした時代だからこそ教養を身に付ける必要があり、その得た知識の中から自分で答えを見つけにいくしか無いのかなとも思います。
なので学術書を読むというのは、
自分の知識の手札を増やす
ということに近い様な気がします。
そして今回一番伝えたいのが、本は
『意味のある無駄』だ
という事です!
説明していきます。
学術書なんかを読んでいると徐々に気が付いてくるのですが、目的としている話のオチまでにだいぶ遠回りをしながら伝えていくことがあります。
山で例えると
どちらかと言うとビジネス書なんかは、最短ルートで頂上までの登り方を教えてくれるという素晴らしい所があります。
しかし学術書はやれ実験結果や歴史的に見ると・・なんかみたいに話が脱線していきます。勿論関係している事なのは分かりますが、正直
「端的に話せ!ムズいんだよ!」と思ってしまいます。
さらに元も子もない事を言うと、学術を学んだからといって明日のご飯が食べれるわけではありません。
そんな事よりも
〝お金の稼ぎ方〟や〝人脈の作り方〟みたいな本の方が食うのに困らないと思います。
なのでハッキリ言って無駄な知識でしかありません。
しかし、学術を学ぶ事には意味を感じます。
そこには確かに誰かの心を動かしているものがあります。
哲学なんか学んだ所で1円の価値にもなりませんが、人が生きる上での心の支えになりますし、
歴史なんかは過去の時代の成り立ち、人の失敗の経験を学べ、未来を見通す助けにもなります。
宇宙や地球、生物学なんかも僕たちの起源みたいなものを知る事で、本来の生き方や世界の真実を知り、幻想に惑わされなくなります。
明日のご飯は食べられませんが、中・長期的な視点で考えた場合、学術を学ぶ事は人生を豊かにしてくれるものなのでは無いかと思います。
僕はこの『意味のある無駄』というものは大切な事に感じます。
ちなみに生物(小動物や微生物、細菌など)がなかなか絶滅しないのは、様々な環境の変化を経て、多様性のある形に形態を変化させた為です。
そして食物連鎖やエネルギーのATP生産なんかは「なんでそんな無駄な事をするの?それなに?」と思うくらい、数億年かけて非効率的な図式を作っています。
恐竜や三葉虫なんかは我が物顔で生活していた為、絶滅していきました。
エネルギーに関連して社会の有り様を説明すると、
生物学に自然選択という概念があります。
他者よりも自分たちの子孫を繁栄させていく為に取る、生物学的な選択の事です。
少し難しいので例を出すと、
サケ、クモ、ネズミみたいなほとんどの生物は、できるだけエネルギーをかけずに成長し、できるだけエネルギーをかけて繁殖する方法をとります。
人間みたいに大人になるのに20年もかかりません。
短い一生の間に何十個、何百個、下手すると何千個みたいな卵や子供を産みます。
生まれた子のほとんどは死んでしまうが、幸運な子は生き残る。
こう言った最小限投資の戦略は、資源が予測不可能で死亡率が高い時には意味があります。
人間で言うと、人生が不確かなら手っ取り早く利益を狙えという考え方です。
現代の不確かな時代に目先の利益(すぐに正解を求めてしまう等)に目が眩む気持ちはすごく分かります。
それが生物学的には正しい自然選択だからです。
ただ僕たちは脳が発達し自分で考えるという、ホモ(ヒト)・サピエンス(賢い)になりました。
苦しい時こそ学習し、様々な無駄な知識を得る事が豊かな生活を築いていく上で重要なのでは無いかと思います。
そして無駄が社会の多様性を生み、人類の絶滅を避け、発展していくものになると思います。
無駄だが意味がある!
コレです。
そして無駄から直感力というのが養われると、棋士の羽生善治さんも仰っていました。
最近著書を出されたそうです。
絶対というのが無い今の時代に、意味のある無駄を意識した生活をしてみるのもひとつアリなのかもしれません。
タロ(綺麗に学術的なツッコミがしてみたい)