4スタンス理論の情報格差
雑記です。
この記事では、4スタンス理論(学問分野は骨理学)という理論体系について日ごろ思っていることを書きます。
4スタンス理論では、人体の骨格特性を分析し、大きく4タイプに分ける分類手法をつかいます。この手法をつかうと、うごきの最適化や競技力・演奏力アップにつながりやすくなります。
4スタンスを導入するチーム
わたしは4スタンス理論(骨理学)を専門に大学で研究したり、4スタンス理論に基づいたトレーニングや、プロスポーツ選手の競技力向上のための指導、音楽家のサポートなどをおこなっています。
すると立場上、どんなチームや学校が4スタンス理論のトレーナーを呼んでいるかよく耳にします。
たとえば高校野球。
各都道府県のベスト4レベルなら半数近くのチームは4スタンス理論を知っています。プロ野球の千葉ロッテマリーンズなどに4スタンストレーナーが入っていることも大きく影響するでしょう。
オリックス・ソフトバンク・阪神タイガースなどで一軍打撃コーチを務めた藤井康雄氏は4スタンス理論マスター級トレーナーですし、個人で廣戸道場へ通い自分のタイプを知っているプロ選手はかなり多いです。
ソフトテニス界でも実業団の日本一チームや、インハイ優勝校などが4スタンス理論を取り入れています。
新体操のオリンピック強化チームに4スタンス理論が入っていたり、ゴルフではアジア選手権の選考合宿に4スタンス理論の講義が毎年組み込まれていたりします。
卓球でもインカレ優勝校やクラブチームの都道府県代表クラスで4スタンス理論のトレーニングや指導がおこなわれています。
情報格差の問題
そのうえで、強豪校や強豪チームばかりが4スタンス理論の恩恵をうけている現状には大きな問題があると考えます。
というのも、強化に役立つメソッドや理論はなかなか表に出てこず、活用していることを隠すチームがけっこう多いのです。
そのため、中堅校や中堅チームは4スタンス理論の存在すら知ることができない場合があります。私も公認トレーナーになって初めて「こんなレベルのチームがやってたなんて!」がたくさんありました。
たしかに県レベルや日本国内であれば、4スタンス理論という情報格差で勝つこともある程度可能ですが、勝負にはその先がまだまだあります。
世界を見据えて日本のレベルを上げていくために、トップ校やプロチームの4スタンス活用はもっと公表したほうがいいのではと考えています。
野球・ゴルフ・新体操・ソフトテニスなどに比べてあまり情報が伝わっていない競技もあり、種目ごとの格差も問題かもしれません。
今後どうなるべきか
4スタンス理論(骨理学)の知見が学問としてオープンソース化し、だれでもアクセス可能な状態になって初めて次の段階に進めると思います。
今は公認トレーナーを呼ぶだけ、4スタンスのリポーズトレーニングを知るだけで有利になっています。しかし本来は4スタンスの知見を前提として戦術や工夫の多様性が選手やチームごとに出てくるべきです。
正直なところ、私も本当はレッスンや講習会でもっと伝えたい深い事柄がたくさんあります。
しかし、タイプの前提となる安定立位や動的立位がまだまだ一般に広まっておらず、レベルの高い内容に進むまで時間がかかってしまうことも多いです。
これは、過度な筋肉至上主義や見た目重視の「正しい姿勢」などのノイズによって、骨格を無視した立ち方をさせられている人が多いからだと思います。
4スタンス理論については、ネットの誤ったアフィリエイト記事や非公式からの誤った説明を信じて変なことになっている人も多いです。まずは書籍から入るのが良いと思います。
公認トレーナーを呼ばなくても正しい知識だけならだれでも得られる状態にして、公認トレーナーは知見を現場にどのようにアプライするかの専門家という立場になるのが理想ではないでしょうか。
そんな未来のためにこれからも活動していきたいと思います。
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