バビル2世
少年チャンピオン全盛期の前半を支えた漫画である。漫画が相当面白かったので、当然アニメになった。正義のバビル2世と悪のヨミが超能力戦をひたすら繰り広げる。お互い手を握って、なんかエネルギーの放出合戦が凄まじかった。エネルギー出し過ぎると、顔がシワシワの老人になってしまう。それで、しばしばヨミはお爺さんになってしまった。
アニメも面白くて次週が待ち遠しかったのだが、ある回から、絵が凄まじく劣化しはじめた。びっくりした。とても同じシリーズとは思えなかった。おまけに、その後、バビル2世が変なコスチューム着だして、しもべの怪鳥ロプロスがロボット怪鳥メカロプロスになってしまった。バビル2世は学生服だからよかったのに。ロプロスは古代の怪鳥イメージが良かったのに。もうメチャクチャである。私は見るのをやめた。
心の傷が癒えぬうちに、私の愛してやまない「ドカベン」がアニメで始まった。これまた絵が酷かった。その絵の酷さが、なんと「バビル2世」と似ていた。多分同じアニメーターが描いている。その下手具合が似すぎている。水島新司は絵の上手い漫画家である。だから余計、そのギャップが許せなかった。私は見るのをやめた。
私は人の悪口を極力言わないよう努めている。しかし、悪口をよく書く。極力努めているだけで、禁止はしてないからである。人間ができてない。
漫画の絵ということで、思い出した別の話。
「マンガ少年」という、ちょっとマニア系の雑誌があって、毎号いろんな人の読み切りが載っていた。中でもSという漫画家の描いた作品は、とりわけ素晴らしかった。高校生の男女の淡い出会いみたいな、なんでもない話なのだが、とにかく絵がいい。ちょっとレトロで、でもイキイキしてて、タッチが他の誰とも似ていなくて。なんて爽やかな絵なんだろうと、一発で大ファンになった。すぐ本屋に行ったが、Sの漫画は一冊も売ってなかった。田舎だから仕方がない。
大人になって、ふいと思い出して、ネットで調べてみた。彼はエロ漫画家でレイプものを得意としていた。