Social Distancing と Face covering
6月なかばにロックダウンが解除されてからは、道路に車の往来が増え、もう7月は街は活動的になってきた。with social distancing の新日常。
■入口で検温ゲートをパス
スーパー、お肉屋、パン屋などの商店はもとより、レストランやバール(イタリアでカフェはBarと呼ばれる)の入口には必ずアルコールジェルが設置され、客はマスク着用でないと入店自体ができない。なかには入口に警備員を配置して検温機をパスしないと入れないスーパーや、入店時に店員さんがひとりひとり検温機をかざして確認するレストランもある。
■スーパーは手袋を
スーパー入店の場合、手袋はクライシス前からも野菜コーナーに配置されていて、それを付けて店内をまわる。ヨーロッパのスーパーでは、好きな野菜や果物を自分で袋に取り、秤に掛けて値段バーコードを小袋に貼り付ける。その際に直接手を触れないように、もともとペラペラのビニール手袋が生鮮コーナーには備え付けられているから、これを利用したらいい。
入口と出口は、行きかう人の距離を保つために一方通行となっている。
■ロックダウン当初と比べたらかなり安心感
ロックダウン当初は、マスクしてる人もまばらで、除菌ジェルも備えられていなかったから、スーパーはかなりの恐怖と共に足を踏み入れた場所だった。でも今は前述のような対策を取られているから、逆に安心感が出てきた。
レジでも並ばなければいけないくらいの混雑時には、客がそれぞれ距離を保っている。それはまだ不安と恐怖に裏打ちされた結果だが、慣れたら当たり前になってくるんだろう。
■レジもきっちり行政指導を遵守
レジカウンター自体は、1mの距離を保つために1レーンおきにクローズ。そのおかげで、並ぶ列が2倍に長くなっているのも副作用となって起きているんだけど、待ち時間長いなーなどといちいち文句を言わずに、じっと並んでいるイタリア人をみているのは不思議なものだ。
日本と比べると、みなさんの声が200%近く大きくて主張が激しいお国柄だけれど、クライシス下においては見えない恐怖には静かに従うしかないといった具合か。
■いろいろ文句言われてるイタリア政府だけど、マスクに関してはよくやってるほう
フランスではマスク令が一旦解除された後に再度義務化。イギリスでは最近になりようやくスーパーなど公共の室内空間でのマスクの義務化がされた。
それと比べれば、ロックダウンの早い段階からマスクを義務付けたイタリアは、感染者数が減ってきたとは言えすぐにはリラックスせず慎重にやっている。まあ周辺諸国の様子を伺う以前に当事者になってしまっただけに、人命を守るためにはやるしかないって状況だったのだけれど。
■クライシス以前はマスクをしていたら危険人物、今じゃしていないと避けられる
アジア以外の国では、マスクは危ない疾病を患っている場合しか付けないという一般通念があったため、街中やオフィスでマスク姿を見かけることなど、ほぼ有り得なかった。私の住むイタリアベルガモでは、それがいまや公共の屋内でマスクをしていないと「逆に浮く」。みんなに避けて通られる存在となる。
ロンドンに住む友人が、店内や職場でもほぼマスクを着けている人が居ないと嘆いていたけれど、日本では、これが屋外でもほぼマスクを着用しているというから、そういった点でも感染の広まりに違いが出ているのは否定できないだろう。
■保育園でマスクは…
今のところは学校がオープンするのも9月なかば予定だけれど、social distancing が担保できないうちは授業開始できないと、教育関係者は苦慮していると聞く。
娘の保育園も、ひとクラス10‐15バンビーニで合計約50人の子どもたちが集う小さなコミュニティだが、0歳から5歳までの幼児に「お友達とは1m離れて遊ぼうね」なんて無茶な要望、絶対に無理。フェイスガードやマスクはまともに着用し続けられる年齢ではないし、どうやって開園していくのか...
いまのところイタリアの幼児教育現場について、具体的な行政指導は明示されていない。
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◆今日の使ってみたい英語フレーズ◆
Face mask or face coverings must be worn in enclosed public spaces. 屋内の公共エリアでは、マスクまたは顔を覆うものを着けなければならない。
It is currently a recommendation, but will become law on 8th of August in the UK. 英国では今は推奨とされているが、8月8日からは法制化される。
欧州や米国では「鼻と口を覆うもの」の着用が法制化されている場合が多い。face covering という表現がされている。
マスクもカラフルな布で作ったり、バンダナなどを巻いてオシャレに着こなしている人びともいて、いずれにせよマスク文化がこうして世界に浸透していくのは興味深い。