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イタリア チャオが言えたらこっちのもん

■すれ違う人みんなで子育て

イタリアでは、小さな子どもを連れていると大概の年配の方、特におじいさんおばあさんは声をかけてくれる。お約束の「チャオ!」から始まってたとえば「おでかけいいわね~。お名前なんて言うの~、いくつ~」大きな声で答えれば「まあなんてすばらしいビンバ」「ご飯は食べたの~、いっぱい食べて大きくなってね」という具合に。それはたとえ知らない人でも、自分の子や孫かのように話しかけてくれる。

私の娘も最初はモジモジして答えれなかった問答だけど、ここイタリアでシャイはもったいないとばかりに、いまや問われることを待ち構えているかのように堂々としている。そうして日々、話せるセンテンスが増えていっているのを見ていると頼もしくもある。

■ワンオペマンマを陰で支える…

夏休みで来ている避暑地でも、近所のノン二(じーじばーば)が野苺が自生している場所まで連れて行ってくれたり、彼らの庭で三輪車を我が物顔に乗らせてくれたり。ほぼワンオペで日々の子育てをしている私にとって、こうした時間がどれほどありがたいことか。

日本のように毎日開いている子ども館があったりしたら、これまたうれしいのだけれど私の居るイタリアの街ではそこまでのサービスが提供されていない。だから晴れた日には散歩や公園に行って、通りすがりの人々と小話をして、そこで初めて会った子どもたちとも名前で呼び合い、一緒に遊んで、雨の日には図書館のキッズスペースで本を読んで。最後も忘れずに「チャオ」でおわかれ。

行政のサポートももちろん必要だしありがたい。アドオンで私たちには何ができるか見わたしてみれば、ちょっとした対話の連続が子どもを健やかにし、ひいてはその親も(ワンオペでひーひー言ってても)前を向かせる暮らしが、イタリアにはある。それはかつての田舎の日本にもあったような、見守り続けるまなざしなのかもしれない。

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◆今日の使ってみたい英語フレーズ◆

「ワンオペ」は日本人ママ、パパの間で沸騰ワード。SNSで見かけない日はないけれど、英語でone-operationといっても通じない。ワンオペの概念を表現する英単語が見つからないこと自体、日本の特殊な家族模様を浮き彫りにしてる気がしてならない。

例えばイタリアでは、働き詰めの夫からの助けを得られないとしたら、祖父母が大手を振って助けてくれるし、パパママ側も助けを求めやすい。

もし、英語でワンオペの苦しさをどうしても伝えたい場合は...そうだな

I am taking care of my daughter mostly on my own. ほぼ一人で娘の面倒を見ている。

He is raising his daughter mostly on his own. ほぼ一人で娘を育てている。

「ほぼ一人で」という言い方をすれば伝わるけれど、この場合は哀愁漂う表現。Well, my husband works like a dog! 夫は犬のように働いてるからね^-^ と笑顔で終わらせたい話ではあるな。