【読書】速読の罠についてお話します
よくSNSやYouTube、本などで活躍されている方のこんな話聞いた事ありませんか?「1日に本は20~50冊ほど読みます」という話。
たしかに本をよく読む人はスピードが速く、そのうえ覚えが早い人が多いです。そんな人に私も憧れます。
しかし、それに憧れて速読を目指すのはハッキリ言って間違っています。今回はその「速読の罠」について説明します。
1. 読書する時に速読しても読解力は上がりません
速読することに意味はないですし、内容の理解にはつながりません。
速読法はいろいろあります。「見開きを写真のように記憶」「1分で文庫本を読み切る」といった方法はほぼ無意味です。
2. 大学の研究でも証明された速読意味ない説
速読の効果はカリフォルニア大学の研究でも検証されています。
読書の定義や過去の研究データを用いて以下の結果が出ました。
①読むスピードを上げると読んだ気になるだけで、
内容に対しての理解力は下がる。
⇒理解とスピードはトレードオフの関係にある
②読書のスピードと時間を決める要素の中で、
目の動きや周辺視野が占める割合は10%以下のみ
つまり、視覚的に読んでも単なる「飛ばし読み」に過ぎません。加えて、得られるものは「読んだ気分」です。
2-1. 速読否定説「速読選手権チャンピオンの話」
ハリーポッターと死の秘宝をリリース直後47分1秒で読み切った速読者がいます。16万語をこえる本を読み切ったんです。
しかし彼女の読書感想は具体的な内容は伝わりませんでした。47分という大記録を達成できた要因はいままで読んでいた構造などの背景知識が活用されていたことが推測されます。
2-2. 速読のメリット「仕事の資料を読むスピードは上がる」
速読のメリットを強いて言うなら、「視覚的な情報を素早く見ることができる」ということです。つまり「漫画で分かる〇〇」系統の本はまだ理解力の高い状態かつスピーディに読めると思います。
しかし、じっくり読む人との理解力と比べたらはるかに劣ります。
2-3. 正しい速読の仕方「読むべき箇所を選ぶ力をつける」
読むべき箇所を選びましょう。速く読んでいる方はそれができるんです。
それを積み重ねることで読むスピードも速くなっていきます。
結局スピードを上げるには本を読むしかないんです。
でも、本をたくさん読み切ることが簡単にできたら苦労しませんよね。次の段落では「読むべき箇所を見つける方法」を紹介していきます。
3. 読むべき場所を判断する方法「スキミング」をして自分に合う本を見つける
スキミングをしましょう。簡単に言えば拾い読みです。
まずは本を読む前に、本を読んで何を手に入れたいかを考えてください。
そうすれば読むべき箇所は激減します。10分の1くらいですね。
3-1. スキミングの手順 表紙⇒目次⇒1章分を読む
スキミングの手順は「表紙、目次、1章分の中身を読む」の3つを行います。これを行うことで自分にフィットした1冊を読めます。
3-1-1. スキミングの手順 ①表紙を読む
タイトルやキャッチコピーを読むことでメインテーマをつかむことができます。
また、タイトルやキャッチコピーには本の要点がかなり短く書かれていますよね。出版社が頭を使って絞り出した選ばれし10数文字です。
3-1-2. スキミングの手順 ②目次を読む
目次を拾い読みをするだけでも内容に対する理解度は爆上がりします。その理由は「自分の興味のある分野が分かる」からなんです。
また、脳科学的に興味のあるもので好奇心を刺激すると記憶力が上がります。詳しい内容は下記リンクで触れています。
3-1-3. スキミングの手順 ③気になる章を読む
ここまでスキミングして「面白い」「興味がある」「読みやすい」と感じたらもう買うべき本です。
目次で気になった章を読んでみてください。読む章はどこでも構いません。こうやって拾っていきながら読むことでスピードを上げていきます。
3-2. スキミングで決める自分に合う本の基準値
「8:2 =読める:引っかかる」
アリゾナ大学の研究結果では8割程度すらすら読めて、2割程度は引っかかるレベルの本が自分に合った本と言えます。
ここでいう自分に合った本というのは「読み続けるモチベーションを維持することに適した本」を指します。
培ってきた知識にや読書量にもよりますが、お手上げレベルの本は閉じていいです。これくらいの基準で本を探してみましょう。
4. 結論「本を読み飛ばす箇所を見極めて読書スピードを上げる」
ここまでで速読の罠についての説明と、正しい速読の仕方を紹介しました。本はすべて読まなくて良いんです。
興味のある箇所を見極めて、そこを読むことで読書スピードが上がるんです。速読というより「読書効率を爆上げさせる」ことが大事ですね。
私も読書が好きな身ですが20~50冊は読める域に達していません。
それでも楽しく知識を入れることに意味があると思います。
「スピーディに読む」と「効率良く読書する」は同義じゃないです。ノンストレスで読書していきましょう。
ノンストレスでできる簡単な読書術についてはこちら
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