最近思うのだが、秋
最近思うのだが、やっぱり秋は嬉しい。
好きとかではなく、嬉しいが先に来る。
なんというか、夏はうるさい。
「五月蠅い」とも書くが、6月にハエが飛び回ることを嫌って当て字にしたのだとか。空も虫も湿度も暑さも、猛々しく、勇ましく、圧倒的で、勇気を貰うこともある。だけど、「私だ!」と主張が激しい。
かと思えば、そんな盛りは一瞬で、呆気ない。「なんだよっ」と突っ込みたくなる。その一瞬が圧倒的なものを生み出すのだと思うけど、世話しない。
一方で、秋は穏やかだ。
重たかった空気は澄み、空は高く、淡い。爽やかで少し寒さも混じった風が肌を掠める。みんなが程よい距離感。余裕がある。
それは、夏があってこそ、秋の良さが際立つのだろう。圧倒的だったからこそ、秋への感受性に振れ幅があって、一瞬だったからこそ、秋を大事に、大事に受け止めるのかもしれない。
来年はそんな感受性の余裕があれば、少しは夏が好きになれるのだろうか。