地域に根ざしたお店づくり 『お漬物キッチン いずしとわ』
お漬物キッチンいずしとわ
出石の中心地から少し外れたところ、風情ある細い道に店を構えるのは、『お漬物キッチン いずしとわ』さん、たくあんをメインに漬物や漬物を使った料理を提供するお店です。
蕎麦のイメージが強い出石ですが、漬物という魅力もあります。今回はどうして出石で漬物のお店を始めたのか、出石や豊岡演劇祭への思いなどについて聞いてみました。
出石はたくあん発祥の地!?
まずお店を始めたきっかけを聞いてみました。それは、出石は沢庵和尚(たくあんおしょう)の出身だというのに、たくあんを専門に取り扱う飲食店がないことが一つだそうです。沢庵和尚について、筆者は知らなかったのですが、調べてみたところたくあん漬けを考案した人であることがわかりました。ただ出身なだけでなく、ここでたくあんを考案し、広まっていきました。
出石とたくあんにはそんな繋がりがあるからこそ、ここで漬物のお店を始めたそうです。
おすすめメニューはお漬物ランチ
いずしとわさんの漬物は、地元の野菜を使い、無添加、手作りで提供されます。特にたくあんについては、食材のこだわりを話されていました。
たくあんに使う大根は、白首大根という葉っぱの付け根まで白い大根が適しているそうです。地域の農家さんにその栽培はお任せしているそうですが、種まきなど自分でもできることはできるだけ一緒に取り組むそうです。
そうしてできるたくあんを味わうおすすめメニューはお漬物ランチだそうです。ぜひ食べてみてください。
出石への思い
そんな、いずしとわのオーナーさんも出石出身です。そこで、出石はこれからどうなって欲しいかということを聞いてみました。
少し考えられてから、「住んでもいいと思えるようなまちになってほしい」と話されました。出石は今でも但馬を代表する観光地として栄え、街を歩くほとんどの人が観光客という日も多いです。もちろんそれは大変ありがたいことだが、住む人はどうなんだろうか。出石で暮らす人のための街になっているのだろうかという意識があるんだと思います。
その中で、「地元の飲食店としての役割を求められているような気がする」とオーナーは話されていました。お店の2階にはコワーキングスペースを設置していたり、お客さんと世間話をしながら接客している姿を見て、まさにその通りだと感じました。
オーナーの、地元に還元したい、貢献したいという思いがうかがえました。
豊岡市全体で盛り上がりたい
豊岡演劇祭への意気込みとして、いわゆる旧豊岡市、豊岡駅周辺の地域とのつながりをもっと持ちたいということを話されていました。どうしても演劇祭は豊岡のもの、みたいな意識を感じる時があるらしく、もっとみんなで盛り上がっていきたいとのことです。
そういった意味でも、つながりを作る場としての期待も大きいそうです。昨年も演劇祭からつながるお客さんもいたらしく、それがどんどん広がっていくことに期待したいですね。
いずしとわさんがナイトマーケットで出品するのは”たくあんサラダサンド”と”カツサンド”が予定されています。そのほかも検討中で、どんなメニューが出品されるか楽しみです。
たくあんサラダサンドは筆者も実際に食べてみました。初めての組み合わせでしたが、サラダをはじめとした具材と調和がとれていて、その中でもたくあんの美味しさも感じられる味わい深い一品でした。みなさんぜひご賞味ください。