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ミナ ペルホネン 《つづく》兵庫県立美術館
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偶然から生まれるもの
無駄なものを出さない
ずっと使い続けられるもの
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突然だが、私の母は物持ちが良い。よく箪笥から何十年も前のOL時代のジャケット、ブティックで買ったワンピースやブラウスなどを引っ張り出してくる。それらは現代のファストファッションには無い、しっかりとした生地と縫製で作られていて、年月が経っていても綺麗なのだ。そして、壁一面に並んだミナ・ペルホネンの服を見て、なんだか似ているな、と思った。
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今日は、今秋開催されていた、兵庫県立美術館の「ミナ・ペルホネン/皆川明 つづく」(本来は6月~8月の開催だったがコロナで延期になっていた)を鑑賞した日記を書きます。
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「森」と題された展示室には、ミナ・ペルホネンの服が壁一面に吊り下げられていました。
ミナ・ペルホネンが設立されてから25年のあいだに生み出されてきた服が、年代もバラバラに配置されています。けれど、どれも流行り廃りに左右されない、普遍的な魅力を持っていました。変わりボタンや、それぞれ違う襟の形。布の切り返しや、袖口から垣間見える裏地。丁寧な仕立てとデザインに目を奪われます。
展示のなかで、ミナ ペルホネンの服に使われる生地は、途方もない量の糸と、デザイナーである皆川明さんが想像の羽をひろげて誕生させたデザインを凝縮して、織り上げられているものだと知ります。
「つくる喜びの風景」と題された映像作品では、デザイナーや染色をする職人など、皆川明さんのみならず、ミナの服がどんな人達の手よって、どのようにして生み出されるのかを見ることができました。
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そして印象的だったのが、服飾デザインの枠を越えた「シェルハウス」。
個人的に、皆川さんの求める究極の「丁寧な暮らし」計画だなあという印象でした。設計図や模型のほかに実物大のシェルハウスも展示されていて、もしかすると、あと何年か先には「シェアハウス」は実際に滞在できる建築として実現のでは、と思えます。
展示室「土」では、ミナの服を着続けている実際のひとのエピソードを知ることができた。使用年数も5、6年(それでも長持ちだと思うが)から18年、20年と愛用している方もいるので驚きでした。
裏地に色がついていて、経年劣化したとしても更に風合いが出るよう工夫されたミナ・ペルホネン独自の生地が使われていてもなお、裏地がまだ表れないほど頑丈に作られていることにも気づかされました。おそらくですが、頑丈なだけでなく使用者が大切に取り扱っているおかげもあると思います。
来場者のなかにはミナの服、バッグを持っている方がちらほらいらっしゃいました。またミナではなさそうだけど素朴でデザイン性のあるテイストが好きなんだな、という方も。
皆川明さんのデザインに込める思いには
強く共感するものがありました。
人の社会だけでなく、自然もすべてつながっている。
未来を生きるために、「今」を考える。
身近なものから想像の世界を広げていき、
やり終わった、と思ったものから更に続きが見てみたいと感じる、
そんなデザイナーの考え方にインスピレーションを刺激される一日でした。