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「人はなぜ格闘に魅せられるのか」

大学で英語の教師をしていた著者が最初のUFCを見て衝撃を受け、MMAのリングに立つまでの経緯をベースに、「格闘」についての歴史、考察を記したもの。

UFCの危険さ、ヤバさは多大な影響を多くの人々に与えたのだなとあらためて思う。たまたま今日ラジオのポットキャストで高田延彦の話を聴いたが、ヒクソンと闘うことになったきっかけはやはり第一回UFCだったと言っていた。

この本で、ジェラルド・ゴルドーが中井 祐樹の目を潰したことをまったく後悔していないことを知り驚愕。

僕がこの本を読むにあたって最も興味があったのは、僕らが親しんでいる格闘技や、日本においてのみその源流となったプロレスについて書かれているかということだった。

結果、なんと日本の格闘技で最も文章が割かれていたのは「キョクシン」についてだった。大山倍達の経歴は完全なファンタジーと断じられている。

プロレスについては、「フェイクの戦いに魅了された」とのこと。著者はプロレス、好きなのは好きなようである。

「純粋なストライカーが純粋なグラップラーと対戦すれば、グラップラーがほぼ勝つ」という結論的な文章もある(筆者のMMAのジムに強い大学のレスリング選手が入門すると、初日にそのジムの最高位を除く全員を制圧するそう)。

猪木がアリに勝てなかったのは、猪木が純粋なグラップラーでなかった、タックルの技術がなかったという理屈にも合致する。

桜庭のこととか書かれていないのが少々淋しかった。

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