紙一重の命
昨日、妹の車のエンジンルームから子猫の鳴き声が聞こえるということで、ボンネットを開けて捜索。
妹の職場から、ウチの事務所までのおよそ10キロを走ってきてるので、エンジンルームの中は結構な熱を帯びてました。よく生きてたね・・・。
とりあえず、段ボールの中にタオルを敷いてあたためたミルクを与えると、ゴクゴクと飲み始めたので、体調は心配することはなさそう。
さて、この子猫・・・・どうしよう・・・。
実は、ウチの家にも一匹猫を飼っており、その子も捨て猫だったのを保護してくれた学生から譲り受けたもの。
もう一匹増えると、さすがにウチの負担も増えるし・・・困ったな、と。
知り合いにもらって頂けないかと色々と声をかけさせてもらいましたが、なかなか貰い手が見つからないんです。
んーーーーー、仕方ない。それよりは、まず動物病院に行ってこの子の健康状態をしっかりと診てもらおう。
いつもお世話になっている動物病院へ向かい、診察開始。生後1か月程度経っている、メス猫だと判明。
保護したときに目ヤニがひどくて目が開けられなかったので、目薬を処方してもらいました。あとは、ダニ・回虫退治の薬を投与してもらい一週間様子を見て下さい・・・という事でした。
1週間面倒を見てくれる人がいないので、必然的に我が家でとにかく一週間面倒をみることとなりました。ただし、先住猫がいる我が家・・・どうやって隔離しながら一週間過ごそうか。
そうこう悩んでいる間に、妹の知り合いがこの子を引き受けてくれるという連絡が入りました。その方は今も何匹か猫を飼っているらしく「一匹増えたからって、問題ないからいいよー」って。なんて太っ腹なんだ。ともかく、そんな方に貰って頂けるなんて、この子は運が良い。
もし、貰い手が見つからなかったら・・・・、おそらく動物保護団体へ預けてそこで里親探しをしてもらうことになっていたかも。
たまたま、妹の車のエンジンルームに迷い込み、たまたま私のところへやってきて、たまたま貰ってくれる人が見つかって・・・・。
よく考えたら、奇跡だわ。
運よくここまでたどりついて、命が繋がったわけです。
もし、運悪くエンジンルームの中でなにかあったら・・
もし、私じゃない別の人に保護されてたら・・・もしかしたら保護なんてされなかったかもしれないし・・・
もし、貰い手が見つからず、保健所行きになってたら・・・
たまたまの出会いが命をつないだということになる
拾った猫の話だが
人間もそうなのかもしれない
たまたま生まれた場所
たまたま育った環境
たまたま出逢った友達や恋人
そのおかげで今、生きている
まちがいなく世の中そのように出来ている
ちょっと違ったところに生まれ
ちょっと違ったところで育ち
ちょっと違った人に出逢っていたら・・・・
間違いなく今の自分になっていない
そう考えると
自ら生きるといより
生かされている部分が多い
でも
いや
意志をもってその方向に進んだからこそ出会えた環境もある
意志をもってその方向に進んだからこそ出逢えた人もいる
「生きる」と「生かされる」の両方で自分の人生は成り立っているんだろうな
この子猫ちゃん
「生きる」意志を大きな鳴き声で教えてくれて
「生かされる」環境をもしかしたら呼び寄せたのかもしれません
一週間だけ、ウチで過ごして、そのあとは新しい飼い主のもとで幸せになってね