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AIを使用したコーディング(プログラミング)の弊害~AI使って知識0(ゼロ)から始めるWEBサービス・アプリ制作⑯~
今回は私自身にも言えることなので、自戒の念を込めて書いていきます。
前回記事までで自身のアプリをプロモーションするページを作成しました。
今日2025年2月1日に最新バージョンをリリースしたので、ぜひ遊んでみてください!(広報活動w)
AIを利用したコーディングは確かに便利なのですが、気をつけなければいけない問題がたくさんあります。今回は、そんな問題点を書いていきます。
AIを利用したコーディング(プログラミング)の弊害
①基本が身につかない問題
AIに頼りすぎると、こんな問題が起きます。
プログラミングの基本的な考え方が学べない
なぜそのコードが動くのか、理解できない
問題が起きたときに自分で直せない
自分で考える力が育たない
例えば、料理を覚えるときに、レシピを見ながら自分で作る代わりに、誰かに作ってもらうばかりだと、料理の基本が身につかないのと同じです。どのようにしてその味を創り出しているのか、食材の切り方を変えるとどうなるのか、調味料はどの順番で入れるのがベストなのか、などなど、きちんと学ばねば基本的な知識が欠落していきます。
なので「コードを書く=AI」であったとしても「コードを読む=自分」は絶対なのです。なんのコードなのか、そのコードはどのように動くのか、コードをいじると何が変わるのか、しっかり学ばないといけません。
②安全性の問題
AIが作るプログラムには、危険が潜んでいることがあります。
ウイルスに狙われやすい欠陥がある
個人情報が漏れる可能性がある
エラーが起きたときの対策が不十分
これは、知らない人が作った料理を、中身をチェックせずに食べるようなものです。現時点でAIが作成したコードに情報を抜き取るものが含まれていたというものは私が知る限りありませんが、逆に秘密にしておかないといけない情報を公開するコードであったという話はよく聞きます。特にAPIを利用するようなプログラムの場合、APIキーをオープンな場所に記述しているものが多く見受けられます。APIキーをオープンにするということがどれだけ危険なことなのかは絶対に知っておいてください。
③プログラムの質の問題
AIが作るプログラムには、このような問題もあります。
無駄が多い
後から修正しにくい
他の人が読んで理解しづらい
テストがしづらい
特に追加、追加でコードを記述していくと、1つにまとめられるものが放置されていたり、重複したコードが記述されていたりして動作が不安定になっていることがあります。なのでコードを読むことをおろそかにしてはいけないのです。
④著作権の問題
これは過去記事で書いた通りです。
基本的には無料で使用できるフレームワークやライブラリをコーディングしてくれるのですが、無料で使用できる=ライセンス条項を無視してOKということではありません。
むしろライセンス条項を遵守することを条件に使用が許諾されているのです。
AIは効率的に動くので、ライセンス条項の記述などは「ライセンス条項を確認し、適切な記載を追加して」と言わないと、記載が必須となっている条項を記載せずにライブラリやフレームワークを使用したコードを書いてきます。なのでコードが読めないと、どのライブラリやフレームワークを使用しているかもわからず、記載が必須となっているライセンス条項を無視していたりするわけです。
「何かが起こってからでは遅い!」
という認識をきちんと持って、著作権やライセンスについてはしっかり確認するようにしましょう。
⑤AIに頼りすぎる問題
AIばかりに頼ると、
自分で考える力が弱くなる
問題解決能力が落ちる
トラブルが起きたときに対処できない
という問題に必ず直面することになります。
日頃から思考停止でAIまかせにしていると、トラブルが起きたときに「わかりません、ごめんなさい」としか言えなくなります。これは品質の責任が自分にあることを放棄しているということです。
「作ったものの責任は自分にある!」
このことを忘れずに制作をしてください。
⑥まとめ
AIは確かに便利な道具です。でも、電卓と同じで、計算の仕方を理解せずに使うと、本当の意味での力にはなりません。
AIは「先生」ではなく「便利な道具」として使うことが大切です。
コードを書くのがAIであっても、コードを読み、そのコードに責任を持つのは自分です。書かれたコードをAIに解説してもらいながら、コードへの理解を深めていくことを忘れてはいけません。またAIの回答を「本当にそうなのか?」という観点で見直すことも重要です。AIまかせにせずに、自分も成長していけるように心がけましょう。
一般に公開せずにローカルの環境(自分のPC内のこと)であれば、どれだけ失敗しても誰からも文句を言われることはありません。
ローカル環境でいっぱい失敗しましょう。AIが書いたコードを自分でいじってみましょう。そして「あれ?動かないぞ!」をたくさん経験しましょう。その積み重ねがコードへの理解を深めてくれるはずです。
とエラソーに書いていますが、最初に述べた通り「自戒」を込めてのものですのでご容赦くださいね!