クリエイティブ司書ってどうしたらなれる?(クリエイティブ司書に訊く)
今回の記事は、僕のInstagramでお尋ねいただいた御質問にお答えするものです。
ストーリーで御質問を募集したところ「クリエイティブ司書ってどうやってなるんですか?」とご質問をいただきました。ありがとうございます。
僕の気持ちとしては、
などと言いたいのですが、そういうわけにもいきません。まず第一に「クリエイティブ司書」とは自分で名乗っているアヤシイ肩書ではありません。
(じゅうぶん怪しいけど・・・)
📚クリエイティブ司書ってどうしたらなれる?
こうしてうちの図書館の蜂(椎葉村図書館「ぶん文Bun」のコハチロー)にお答えしていますとおり、クリエイティブ司書というのは「椎葉村地域おこし協力隊のミッション名」なのです。
僕のnoteをご覧いただいている方はご存知かもしれませんが、椎葉村というのは宮崎と熊本の狭間、九州のほぼど真ん中にある日本三大秘境の山村です。
そこに新しい公共図書館を立ち上げるミッションが「クリエイティブ司書」というわけですね。僕が着任したのは2019年4月なのですが、それ以降実際にどんな仕事をしてきたか・・・というのは、下記のnote記事にまとまっています(ながいよ)。
・・・とはいえ過去のnote記事を掲載するだけではあまりにも乱暴なので、2022年8月現在では椎葉村役場の職員に立場が変わった「クリエイティブ司書」の身として、自分の仕事というものを再整理しておきたいと思います。
📚「クリエイティブ司書」の仕事の本質
椎葉村役場のほうでは「クリエイティブ」というのを「新たな図書館の創造」を主として募集をかけていたようですが、僕は新たな事業に際しての「クリエイティブ」で最も重要なのは、ブランディングのクリエイティブディレクションだと思っています。
椎葉村図書館「ぶん文Bun」の立ち上げに際しては図書館と地域をむすぶ協議会さんと協業できたことが非常に大きかったのですが、椎葉村という土地の意志を反映したブランディングを発起しドライブさせていくにはやはり村内在住者のはたらきが必要となります。
そうした観点から僕は「クリエイティブディレクター」として、椎葉村図書館「ぶん文Bun」(または同館が含まれる複合館、椎葉村交流拠点施設Katerie)のブランディングを開始し継続していくこそが「クリエイティブ司書」の最も大事な役割だと認識しました。
僕の場合は手を動かして何かビジュアルを生み出せるわけではないのですが(館のロゴデザインや案内サイン等、また図書館サインといったコアなクリエイティブは延岡市のオノコボデザインさんにお務めいただきました)、そうしたクリエイティブを俯瞰し椎葉村にふさわしいブランディングをKaterie・ぶん文Bunとして実践していったり、その表出の場としてのオウンドメディア・SNSを管理することに注力しています。
その意味ではクリエイティブディレクターであり、コンテンツストラテジストであり、かつ図書館司書であるというのが「クリエイティブ司書」なるものの真価です。
クリエイティブ司書とは、ある意味では椎葉村地域おこし協力隊の「クリエイティブ司書」ミッションに合格すれば「なれる」ものではありますが、僕は僕自身がクリエイティブ司書であるという意味において、下の図のような仕事をしていることが必要条件かなと考えています。
上の図の白丸は「どんな図書館司書もやっている」仕事です。黄色い丸は「クリエイティブ司書だからやる仕事」です。
椎葉村図書館はやはり人が少ないので、館長業務も代表司書がやっていかなければならないようなところがあります(県内の図書館事情を把握できたりするので、むちゃくちゃプラスになっています)。また、対外の講和や雑誌等掲載の記事執筆もブランディング・コンテンツマーケティングの観点からすれば重要です。
以前宮崎日日新聞さんの「宮日ブランチ会」にお呼びいただいたときの講和内容をnoteにまとめていましたので、ちょっと掲載しておきます。クリエイティブ司書として、図書館づくりの話はほぼせずにブランディングの話中心ですね(良かったのか悪かったのか…(笑))。
管理者とプレーヤーと両方の役割をひと時にこなしているだけではなく、コピーライター/プロモーター/記事ライター/マーケター/エヴァンジェリスト/司書・・・くらいの職種領域にまたがっている気持ちではあります。
・・・なんかこうして書き下してみるとちょっと忙しい人みたいですが、図書館の規模も蔵書数でいえばアッパーで3万冊くらいなので、そんなに多忙を極めているわけではないと思います。少なくとも、世界の舞台で活躍する同年代の皆さんと比べたら、ニホントカゲとT-レックスみたいなもんです。
ちなみに僕は「図書館司書という仕事が将来なくならないためには、クリエイティブ司書級の仕事はどんどんこなしていかなくてはならない」と思っています。
単に「本に通じているプロ」というだけでは、AIに取って代わられる仕事の筆頭に挙げられるのも仕方ありません。現在の図書館司書資格は、はっきり言って誰でも取れます。だからこそ今、全国各地でどんどんと図書館司書の待遇が低下しているのです。
・・・っていう話をあまりしすぎると先を読んでくださる方が減りそうなので、それはまた別の機会に。
次からは、椎葉村の図書館や地域おこし協力隊をめぐるオモローなお話です!
📚「クリエイティブ司書」から続くオモシロ司書の系譜
そんなクリエイティブ司書の地域おこし協力隊任期も2022年3月で満了し、現在椎葉村には新たな司書ミッションとして「飛び出す司書」さんが着任しています(2022年8月1日着任)。
↑の記事のとおり飛び出す司書の役割は、椎葉村図書館「ぶん文Bun」を飛び出して学校・公民館との連携を深めるというもの。秘境秘境と言いながら村自体が東京23区くらいの広さがあるので、中心地にある図書館の感動を各地区に伝播させるというのは非常に重要なミッションです(クリエイティブ司書が実現できなかったことでもあります)。
📚椎葉村地域おこし協力隊のミッションおもしろすぎ問題
また、現在も椎葉村地域おこし協力隊では魅力的なミッションを各種募集しています。
とくにYAMAPさんと連携した「秘境のインタープリター」はヤマヤマシくて激ヤバですし、ニホンミツバチの養蜂家を募集しているのもやばいです。「よくばり仙人」というミッション名のセンスもやばいです。ちなみにけっこうな割合で僕のネーミング案が採用されていたりします。やばいです。
・・・つい語彙を喪失しがちなほど面白い地域おこし協力隊のミッションが揃っている椎葉村。しかしあまりに秘境すぎるので、移住を検討される際はぜひ一度インターン制度や短期体験来村の制度を活用して村に来てみてください。
椎葉村、遠いよ・・・。
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あれあれ。
「クリエイティブ司書とは椎葉村地域おこし協力隊のミッションです」の一言で終わる回答が、いつの間にかどんどん長くなってしまいました・・・。
まあとにかく、クリエイティブ司書として日本三大秘境・椎葉村に移住してよかったです!おかげさまで妻にも出会い、ムスメティアまで生まれました。
・・・ううん、そうじゃないのよ。そうじゃない。
・・・このハナシは長くなりますので、またいつの日か。