こんばんは、オオハシです。今日も何とかレビュー書き上げたのですが、こんな時間になってしまいました。 かつ、今回は覆面作家が書かれた小説に対するレビューということもあり、普段のビジネス書のレビューとは異なって、小説としての面白さは活かしつつ、ネタバレは行わない超いいところを目指したので、ブログがめっちゃ長文となってしまっています。
一般的には4,000文字程度を目指せと言われていますが倍の8,000文字となってしまっています。 それでも、この小説の面白さをお伝えするために、がんばったレビューとしてますので、長文ですが最後までお付き合いください!
トヨトミの世襲
-小説・巨大自動車企業-
覆面作家 梶山三郎 著
2023年12月の本
読んだのはこの本が出たての2023年末、一気読みをしていたのですが、レビューアップが遅くなりました。抜粋引用が多くなるので私的感想は少なめにします。「この話はフィクションです」フィクションなのではありますが、Wikipediaを参照すると酷似した情報が数多く表現されており、抜粋引用にもWikipediaに書かれた情報を基に補足したいと思います。
この小説は三部作であって、第一部第二部も本当に楽しく・深く読まさせていただきました。シーズン3としては「世襲」をテーマに、豊臣統一さんの本家世襲観点に加えて、日本電産(現ニデック)の永守さんを想像させる織田電子の織田善吉さんの事業承継の課題がドラマチックに表現されていて非常に読みごたえがありました。本書籍の重要キーマンである「トヨトミの母」と呼ばれる方のネタバレレビューはしないようにしますね。
さて、以下、抜粋引用です。
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買収する企業の伸びしろ
日本電産の永守さんが事業継承に悩んで、何度も後継者社長を三顧の礼で迎えては、数年でまた永守さんが社長に返り咲くことは何となく知っていたが、パイロットになりたかった生い立ち、日産からEVの関連で徴用されたとなると2020年、日本電産特別顧問に就任した「関潤」さんが星さんのモチーフとしてみてよいでしょう。
変わってしまった自動車会社
トヨトミ自動車から転職してきた三輪さんという社員の方の吐露。 僕もTMCさんに複数人の知り合いがいることもあり、さすがにここまではいってなかったとは思うけど、外から見ていても、なんとなく思い当たる節はなくはないので、小説とはいえ、かなり切り込んで記載していますよね。
不正車検と全車種併売
『不正車検』の話題と 『全車種併売』のトピック、そしてその裏にあったストーリーを表現していきます。 実際に発生したトピックだけにそれらのトピックから情報を類推してフィクションしていく覆面作家の表出力がすごいです。
雇われ社長の末路
Wikipediaではないですが、別のWebサイトに「特に直近の関さんの解任の時には、従業員の労働環境を良くしようとした関さんに対して、自分の意にそぐわないということで、業績不振の原因をなすりつけるような形で解任しました。」と記載あり、まさに星さんが「織田の個人商店」から脱皮しなければならないとがんばっていたところを降格に至り、当時の状況が想像されるようなスリリングなやりとりですね。
外から連れてくる後継者候補
呉文精氏(2013~15年):カルソニックカンセイ(現マレリ)元社長から日本電産代表取締役副社長に
片山幹雄氏(2014~21年):シャープで代表取締役社長、会長を務め、顧問として日本電産に入社
吉本浩之氏(2015~20年):タイ日産自動車社長などを務め、2018年から日本電産代表取締役社長に
ということで必ずしも一致はしてませんが、パナソニックやマイクロソフトの方々の印象もありますね。
フューチャーシティプロジェクト
そういえばウーブンシティの話を聞かなくなったと思って、ウーブンシティと裾野市の市長の件を検索したら、やはり市長交代の事実があった。35歳の新市長ということだった。
カリスマ経営者の分身はいない
こちらは完全なフィクションで永守さんに二人の男の子ではなくて三人目の息子がいたらという構想。そしてその歳三さんは海外でコンサルファームに就職バロセロナのスマートシティ開発に携わり35歳になる前に日本に帰国し起業したという想定。永守さんと第三の息子とのこのようなやり取りがあったとしたら確かにワクワクしますし、すごいストーリーラインだなと感じました。 実際、2022年に関潤さんを解任してから、永守さんはCEO復職されていましたが、「外部にいい後継者がいると考えたのは錯覚だった」「外部から即トップを迎えることは今後一切ない」と語ったとのことでした。。。
翔太さんの反撃
こちらトヨトミの統一さんに対する翔太さんの反撃。トヨトミを豊臣本家のみのものにし、豊臣統一のものとして異議のあるものは閑職に飛ばす統一さんに、翔太さんが食ってかかった瞬間。 本家のストーリーもカッコ良いです!(レビューで書けない内容は書いてないです)
移籍の決め手
織田善吉さんが倒れ、星さんが皆さんの賛同を得てCEOとして返り咲くシーン。「トヨトミの世襲」とありますが、織田電子の事業承継がまさになされていくシーンで個人的にはすごく感動したし、事業承継の難しさを表現したシーンであり、この小説の裏のメインメッセージのような気がしています。関潤さんもこのような形でバトンを継承したかっただろうに、無念だっただろうと共感してしまいます。 さて大変長くなってしまっていますが、次でラストです。
そしてクライマックスへ
トヨトミの世襲のクライマックスへかけあがる直前のシーン、「トヨトミの母」とも呼ばれる佳代さんからUSBを受けとる、ある意味この覆面記者の位置づけの文乃さん。小説としてはここから一気にサプライズな展開へまっしぐらします。 本レビューで興味をもっていただいた方は、ぜひとも本書をご購読ください。
めっちゃ面白かったですよ!
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以上
引用抜粋部分がどうしても多く、でも本論の大事なトピックにはネタバレ不要として記載しましたが、最後までお付き合いいただき本当にありがとうございました! 共感いただけた方には「スキ」を押していただけると筆者励みになります!