見出し画像

「頭のいい人が話す前に考えていること」すっきりとまとまったアドバイスで行動に変えていきましょう。

みなさまお元気ですか。夏休み最終日の投稿です。 noteはじめて4周年だそうで記念バッチが提供されました。今後も細々続けていきたいと思います。 
 さて本書は、軽快で読みやすく一気に読むことができて、かつ実践的であり、大変オススメできる本です。筆者は「読み返さなくていい本を目指しました」と述べていますが、前回一気読みしたまま読書レビューをあげられていなかったので、夏休みに再読し、改めての投稿です。 

頭のいい人が話す前に考えていること

安達 裕哉 著 
2023年 4月の本

 前回読んだときにふせんを相当はっていたのですが、時間をおいて改めて読み直しても、「あぁやっぱり自分はできていないな」と思う所多数、あかんと思っていても、ついつい感情的になってしまう、バカな人間です。感情的になることで回りを巻き込み、エナジーを与え、物事を達成してきた成功体験が多いからです。 
 バカにされることに大きなマイナスを感じていない、自分はバカな人間だ・だからこそバカ力が出るんだ、と思い込んでいるところが、改善・成長の芽を摘んでいるというところもあるので、本書を読んで、改めて日々の行動を変えられたら、と思います。

 スポーツ等でパッション・エナジーを与える、というところと、ビジネスの場で感情的になるという行動がどうしても切り分けられていない自分がいるため、本書へたびたび戻ってきて、行動を変革していければと思います。
 今回も引用抜粋が多いので個人感想は短めにします。 

=======

感情的になったら、その時点で負け

 問題1 ヤクザ映画『アウトレイジ』で殺されてしまう人の特徴とは?
 答えは“感情的な人”です。
 感情的になった人間が死に、冷静な人間は生き残っていました。感情的になった人間はさんざん利用されたあげく、みんな殺されてしまったのです。
(中略)
 私はこの映画から、感情的になったら、その時点で負けというメッセージを受け取りました。

 そして、それは私がコンサルで学んだ「最重要事項」のひとつでもありました。

頭のいい人が話す前に考えていること P43

 ヤクザ映画『アウトレイジ』を例に出して、本書のスタートからガツンと自分を反省させるお言葉。 はい、ビジネスシーンで感情的になって何度も何度も失敗を重ねている自分がおります。 『その時点で負け』を肝に銘じていきたいと思います。


とにかく反応しない

 つまり、怒っているときは、人間の頭が悪くなる瞬間であり、冷静になって思考力を回復する、つまり頭をよくする時間に6秒必要となるわけです。
 思い起こせば、コンサルタントの先輩は、「複数の案を検討せよ」と口を酸っぱくして言っていました。

 頭のいい人は怒っているときだけではなく、うまくいっているときほど、リスクはないか?見落としはないか?などと、冷静に考えることができます。頭のいい人ほど、感情的な自分に自覚的になり、冷静になれるのです。

 もちろん感情を蔑ろにしろ、と言っているわけではありません。
 むしろ、自分が素直に何を感じるか、何が好きで、何が嫌いなのか、心の動きをとらえることは、豊かに生きる上で重要なことです。

 しかし、「口はわざわいの元」であり、話す前には十分に注意すべきです。場合によっては取り返しのつかない発言になることがあるからです。
 何かを言いたくなった時ほど、逆に口を閉じる

 “とにかく反応しない”ということが大事なのです。

頭のいい人が話す前に考えていること P52

 ほんと、これ、思い当たる節が多すぎて、明日からにでもすぐに採用していきたいと思いますね。「何かを言いたくなった時ほど、逆に口を閉じる」 ほんとごもっともです。 しかしながら、誰かが相談のチャット投げ込んだらクイックアクションで返答して喜ばれることも多く、やっぱり上記はアンガーマネジメントですよね。


社会的知性と学校的知性

 本書では頭の良さを社会的知性と学校的知性の2種類に分けます。
 学校的知性とは数字で測れる「IQや記憶力、学力」など、ひとりで完結する力のことだと考えてください。
 社会的知性は一言でいうと、 他者の思考を読み、他者の信頼を得て、他者を動かす能力 です。

頭のいい人が話す前に考えていること P63

コーチを学んだりすることによって、まさに社会的知性を学ぼうとしています。お客様においても、後輩の育成においてもです。


最初に案を出す人

 安達さん、どんな仕事でも、一番偉いのは“最初に案を出す人”なんですよ。批判なんてだれでもできる。でも“最初に案を出す”のは勇気もいるし、なにより皆からバカにされないように一生懸命勉強しなければいけない。だから、最初に案を出すやつを尊重するのは仕事では当たり前です。

頭のいい人が話す前に考えていること P77

 Be Uniqueを信条として育てられた環境もあり、クイックアクション・異なる意見、というところは小さい時から行動を意識してきました。 最初に案を出す人、意識して行動しています。若手社員にも期待したいところです。


黙っていい、むしろ積極的に沈黙しろ

 AIは原理的に、型通りの出力をするのは得意ですが、独創性を発揮するのは苦手です。ですから「型にあてはめるだけの仕事のやり方」は今後、AIにとって代わられてしまうでしょう。
 実際私は、コンサルティング会社に入社してすぐ、コミュニケーションに関して、上司からこのように言われました。
 「黙っていい、むしろ積極的に沈黙しろ

 「コミュニケーション能力が高い=話すのが上手」と思っていたので、驚いたと同時に口ベタだった私は少し安心しました。
 そのことを上司に伝えると、こう返ってきました。

 「言い方には気を付けるべきだが、うまく話せる必要はない

頭のいい人が話す前に考えていること P100

 「黙っていい、むしろ積極的に沈黙しろ」 「言い方には気を付けるべきだが、うまく話せる必要はない」 この二つの上司からのコメント、素晴らしいですね。僕もうまく言えないけど、とか、うまくまとまんないんだけど、話してしまうことがよくあります。 さきほどの「最初に案を出す人」の優先度を高くしてしまっているからこうなるのですよね。


ファスト&スロー

 前出のダニエル・カーネマンによれば、ヒューリスティックスは脳の「早い思考システム」(≒直感的なもの)が担当しています。つまり、反射的に答えてしまうと、脳が意識的に簡単な質問に置き換えてしまい、正確な回答ができないのです。
 つまり、事実と意見を混同して話すのを防ぐためには、脳の「遅いシステム(≒論理的なもの)」のほうを使えばよいということになります。
 反射的に答えるのではなく、「話そうとすることをチェックする訓練」で直すことは可能なのです。

 前出の「理科系の作文技術」の言葉を借りると、質問に反射的に回答するのではなく、
 
 それは証明可能な事実か?
 自ら判断を下した意見か?
 を一息おいて考えてから、回答をすればよいのです。

 その癖が身につけば、徐々に事実か、意見かを分けて話せるようになります。

頭のいい人が話す前に考えていること P212

 それこそコンサルタントとしてお客様からお金をいただく仕事をしていた時期、右脳で考えたことを左脳で検証して という営みを何度かしていました。直感的には、こうこうこうなんだろうけど、本当にそうかしら?と検証していく。 クイックレスポンスで返したいから脊髄反射的に回答してしまう。 やっぱり、状況を見て「遅いシステム(≒論理的なもの)」の脳の使い方をしていかなきゃですね。僕の場合は、遅い脳をしっかり引っ張りだしてこなきゃだと思います。


相談とアドバイス

 相手が相談をしてきたということは、何かしらの決定を妨げる要因がある、ということです。
 「こうしたい」という相手の意思が聞けたら、それを素直に推してあげましょう。あなたの思う解決策やアドバイスを話す必要はありません。

 あえて何かをするならば、つじつまが合わない部分を「これって~だよね」と確認だけしてください。すると相手は「話を理解してもらった」と感じてくれるはずです。
 また、「こうしたい」という意思がない相手であれば、そのまま相手の話を聞くだけにとどめてください。その人は話を聞いてもらいたいだけなのです。

頭のいい人が話す前に考えていること P245

 この部分もプライベート含めて非常にためになるコメントですよね。「こうしたい」という意思がない相手であれば、そのまま相手の話を聞くだけにとどめてください まさに金言です。 男性はすぐに解決策を提案したりコメントしたりしてしまう、とよく聞く話ですよね。よくよくお聞きして「推して」あげることにしたいですね。(僕も言っちゃうほうです・・・)


深堀フレームワーク

 打合せで相手の話を引き出したいとき、プライベートで会話を盛り上げたいとき、ぜひ使ってみてください。

 何をしたんですか?(過去の行動)
 そのとき、どんな状況だったんですか?(状況の深堀
 その状況でどうしたんですか?(行動の深堀
 その結果どうなったんですか?(成果・結果の深堀
 今度仮に、こういう状況になったらどうしますか?(仮定の状況における行動)

 もちろん「尋問」になっては困りますから、相手の様子を見ながら、質問は小出しにすべきです。また、基本的には相手が話している限りは、聞きに徹することです。
 しかし、会話が途切れそうになったときには、これらの質問を組み合わせて繰り返すだけで、相手の話を掘り下げることができます。

頭のいい人が話す前に考えていること P267

面談のときによく聞かれる質問、という気がします。面談は苦手で、いつも「尋問」を受けているように感じてしまいます。 面談の場だと短時間で聞かれたことをコンパクトに答えねばというプレッシャーもあるので、なんだか益々うまく話せないことも多いですね。だいぶ長くなってきてしまいました。あと3つです。


〇〇ではなく、△△である。

 つまり、スターバックスが日本に展開するときにコンセプトとした「サードプレイス(Third place)」とは、従来のコーヒーチェーンショップのように“単にコーヒーを飲む場所”ではなく、“自宅と職場の間にある、贅沢な気分を味わってもらう場所”という意味が込められています。つまり、カフェを再度、定義したのです。
 
 〇〇ではなく、△△である。

 という型は、再定義によって生まれるアウトプットの形なのです。

頭のいい人が話す前に考えていること P310

〇〇ではなく、△△である。」という形を「型」として、言葉を印象付けるテクニックを述べられています。たしかに言語化してキャッチーなものにすることによって、抽象的な概念を具現化する、ということができていきそうです。まさに すごい言語化 です。


ネーミングは思考の出発点

 人は、名前のないものについて、深く考えることはできません。
 逆に名前を生み出すことで、新しい概念についても考察できます。だから、できる人はまず考察の対象の「定義」を考える。そしてその定義に名前をつける。そうすることで、他の人もその概念について考えることができる。 ネーミングは思考の出発点 となるのです。

 言語化能力を鍛えるには、名前のついていないものに名前をつけ、その名づけにこだわることが最短の道といっても過言ではありません。

頭のいい人が話す前に考えていること P313

 まさに 「すごい言語化」 のレビューでも記載していましたが、「言語化の目的は「見えるようになること」です。」 だと思いました。 名づけにこだわる、という点も筆者の主張が伝わってきます。さて次でラストです。


ノウハウメモ

 おすすめなのは「学んだ10のこと」「大切な5つのこと」など、フォーマットを決めてしまうことです。2章で、“頭のいい人が人の話を聞くとき、相手から学ぼうという意識で聞く”という話をしましたが、このようにフォーマットを決め、ノウハウメモを書く癖をつけることで、自然と相手から学ぼうという意識で人の話を聞くことができます。

「部下から学んだ5つのこと」「子育てで大切な10のこと」など、なんでもかまいません。このように考える癖がつくと、辛い経験も、ノウハウメモのネタになる、と思うことができます。 また、それをSNSなどでシェアしたり、後輩に伝えたりすることで、自分の経験が他者の役に立つのです。

頭のいい人が話す前に考えていること P320

ぼくも積極的にメモはとるし、相手から学ぼうという意識で聞いてはいるつもりなんですけど、やっぱりうまく考えられていないんでしょうかね。若い時からずっと論理的思考の欠如、と指摘されていて、いっとき相当勉強して左脳が使えるようになったはずなのですが… と最後まで雑な私的感想になってしまいましたね。


=======

以上

またずいぶんと多い文字数となってしまいました。シンプルにまとめ上げられて非常に読みやすかった本に対して、自分への戒めをただただ綴った読書レビューに最後までお付き合いいただきありがとうございました。
お付き合いいただけたついでに 「スキ」していただけると4周年を経たnote活動も、またがんばろうと思えてきます。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?