熊谷千葉市長の最新本「千の葉をつなぐ幹となれ」を読んでみた。【読書レビュ】
こんにちは、オオハシです。本日は熊谷千葉市長の最新の本を紹介したいと思います。 昨今では電子決裁によるハンコ不要や子育て支援施策、そしてとくにコロナ禍での発信、等々、全国的に大変有名な市長となりましたが、彼とはNTTコム2001年入社同期で、はじめての市議会議員選挙の際にはビラ配りなどの活動も一緒にした間柄です。 それでは行ってみましょう。
千の葉をつなぐ幹となれ 千葉市長10年を紐解く
熊谷 俊人 著 2020年9月の本
熊谷千葉市長の最新書籍。 2009年に当時31歳で千葉市長になった後の3期の成果と反省を棚卸する形での本。棚卸という部分から、2019年9月の台風被害、そして本年のコロナ禍での対応等、非常事態に首長としてどう動くかという観点が1章として加筆された(個人的な意見ですが市長としての)集大成のイメージな本の印象。知事へのチャレンジという次のステージへの表明も意識されていることから、やっぱり棚卸、というところは大事なんだなと思います。 (2019年9月9日は、僕も成田空港へ行った際に木々が倒れていたり信号が止まっていたり相当なところを自分でも経験してました)
本の内容としては2012年に出版された「青年市長が挑む市政改革―未来視点で大逆転―」の続編のイメージに上記「非常時におけるトップの真価」という観点が1章に追加されたイメージです。 自分の使命というものをすごく意識されて行動されているんだな、というのがよく伝わってくる。(あくまで個人的な意見でして熊谷さんへ了承をとって書いてはおりません)
これからも自らの営みで社会を変革していっていただきたい。(もう千葉市の営み(モデル)は本当に全国的に有名ですから!)
■「青年市長が挑む市政改革―未来視点で大逆転―」
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P28
私はNTTで社会人として充実した生活を送っていたので、ある意味ではこの世界に入らなくてもよかった人間である。それを敢えて捨てて政治の世界に入ったわけだから、私にしかできないこと、私が入ったことによって政治の世界が明らかに変わったと思われるようなことがしたかった。その一つが政治を触媒にして行政と住民が情報と意識を共有し、みんなで街づくりを進める仕組みや機運作りに貢献することだった。
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■今回の本(千の葉をつなぐ幹となれ)の抜粋
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P28 このように想定外の状況に陥りながらも、千葉市は与えられた条件の中で最善を尽くすべく全組織が動いてくれました。これは組織として東日本大震災の経験が大きかったほか、千葉市が長年、東北や熊本など、大規模な災害が発生した自治体に「助けると同時に、我々も学ぶ」というスタンスで職員を積極的に応援派遣してきたことも役に立ちました。
P48 「違うだろう。私たちは被災地の自治体だ。 私たちが被災者に寄り添って、実態にあった支援を求めなくてどうするんだ。 確かに最後は国の判断だが、少なくとも私たちは被災者目線で要望をする責任がある」と伝え、国への要望内容について検討することにしました。
P210 私は学生時代に塾の講師や家庭教師をしていたこともありますが、成績があまりよくない子供を指導する際に、全科目を平均的に上げようとするのではなく、まず1教科を徹底的に力を入れて底上げする手法を取ることが多かったです。
成績の良くないこの中には、「自分はこの程度で良い」という低い自己評価と目標を設定してしまっていることが要因になっているケースが多く、その意識を変えずに勉強をしても、砂に水を撒くように効果はあらわれません。
ある一科目を得意科目とすることで、「この科目は誰にも負けない」という自尊心、そして1位を目指すための勉強法、その子の見ている景色を変える、それが他の教科にも最終的には好影響をもたらします。
ICTを活用した行政改革は私自身に知見があること、比較的すぐに効果を上げることができる施策が多いこと、コストがそれほどかからない、長期的にはコスト削減につながる施策も多く、千葉市のような市役所の意識を変えるにはちょうどよい分野でした。
P215 インターネット時代の新しい価値の生み出し方は、「集合知」が生まれる仕掛けを作り、情報収集の「ハブ」となること。 私が千葉市という存在の「ハブ」となれば、結果的に市民や企業・団体の“英知”と呼ぶべき「集合知」を生かして税金の使い方や政策の意思決定に反映されるので、それが市民にとって一番納得感があると思っています。
(中略)他市の市長のニュースもよく見て、注目される市長や知事のニュースは暇さえあれば検索しています。トラブルが起きたらなぜトラブルになったのか、その失敗学を全部研究しています。災害対策もそう。私はいってみれば社会学者のようなもの。市長という立場で社会学を実地で研究し続けているのです。
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いつものブクログのレビューも掲載しておきます。
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