【書評】ニュージーランドラグビーが教えてくれた「人間力」の高め方/竹内克/ベースボール・マガジン社
ニュージーランドラグビーが教えてくれた「人間力」の高め方/竹内克/ベースボール・マガジン社
もうすでにニュージーランドに留学し始めて1ヶ月半が過ぎるのだが、
留学前にニュージーランドのラグビーについて事前に予習しておこうかなと思って手に取ったのが、本書である。
Kindleになかったので、実際に本を買って読んだのだが、書評をする前に出国してしまい、現物を忘れたため書けずにいたが、たまたまこちらの通訳の方が持っていたので、お借りしてざっと読み返しながらまとめていきたいと思う。
著者の竹内克さんとは、2016年の日本代表のアジア大会の際にコーチングしていただいたこともあり、それからたまにSNSなどで連絡をとる関係のある方である。
本書の中では、そんな竹内さんが高校を卒業してから25年、ニュージーランドでラグビーの世界で過ごしてきた中で感じてきた、「ニュージーランドラグビーの何がそんなにすごいの?」という部分を余すことなく語っている。
僕自身、本書を読んでそんな予習をしてきて、それから実際にここでこれまで1ヶ月半生活してきてから読み返してみると、本書の中で語られている本当の意味というか、なるほど、こういうことね、ということがいくつも見つかり、答え合わせをしている感覚だ。
ニュージーランドではラグビーを通して人間育成をしている。ラグビーを通して教育している。
良い人間になるためにラグビーをしている。それは試合に勝つとか、そういった短絡的なものではなく、長い人生の中で、誰もが追求していくこと。そして、良い人間が集まったチームは強いし、勝つチームになる。そんな順番。
本書の中でラグビーの具体的なワードも出てきますが、結局はそこなのかなと。
ニュージーランドのラグビーが強いのは、練習をしまくってるからではなく、良い人間が多いからなんだよ、と言われているように感じた。僕はそう解釈した。
そのために大事にしているキーワードが本書の中ではいたるところに散りばめられている。
英語とカタカナでたくさん表記されていることもあり、ラグビーに馴染みのない方や、英語が苦手な人には少し読みにくいかなとは思う。
ただ、竹内さんを知っている自分としては、本当に大事だと思うこと全てを詰め込んだんだなと思った。
だから、「じゃあ何が一番大事なの?」と思うのではなく、ニュージーランドラグビーの素晴らしさの大枠を掴みながら、自分に引っかかった部分を掘り下げて考えていくのが、オススメの読み方である。
良い人間になるために必要なことって、言葉で聞いたら、そんな理想像、それが正しいことはわかってるよって思う。ミスしてもポジティブでいるとか、ルールを守るとか、困った人を助けるとか。言われたらそれが大事なことはわかるけど、誰もができることではなかったりする。
それをラグビーというスポーツを通して、心身ともに本当にキツい状態でそういったことの必要性や大切さを知ることができたら、身体に心に染み込ませることができたら、そりゃラグビーしていない状態でもできるにきまってるし、そうやって人を育成できたら、それほど楽しい教育はないなと思った。
ちょっとそういったことも考えながら、ラグビーの指導ということも自分の選択肢に入れてみようかなと、ニュージーランドのラグビーに触れて、初めて感じた。
最近、なんでもかんでも教育に結びつけて解釈してしまっている。。笑