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音楽を止めない。フェスを止めない。「COUNTDOWN JAPAN 21/22」の16アクトを振り返る。


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2年ぶりの開催。1ステージの開催で、例年のような豪華な装飾や演出こそありませんでしたが、「音楽を止めない」「フェスを止めない」という力強い意志に貫かれた空間でした。

今回の「COUNTDOWN JAPAN」は、コロナ禍で万全の感染対策を講じた上で行なう屋内フェスの、現時点における一つの完成形であり、次の春、夏、年末に向けてフェスを開催し続けるための、極めて大切な一歩だったと思っています。あの4日間、主催者やスタッフ、アーティスト、そして、会場に集った全ての参加者の「音楽を止めない」「フェスを止めない」という想いに触れ、僕は強く心を動かされました。

今回は、僕が観た16組のアクトのレポートをまとめてお届けします。


12月28日(火)

●櫻坂46

5年前からロッキング・オンのフェスに立ち続けてきた彼女たちだけれど、再始動後の出演は初めて。鮮烈な櫻色の衣装も象徴していたように、「もう一度、新しい物語を描き始める」という意志に貫かれたパフォーマンスだった。やはり「BAN」「流れ弾」はフェスでよく映える。

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●マカロニえんぴつ

はっとり曰く、去年と今年、ロックバンドは瀕死状態だった。その日々を越えて辿り着いたCDJで歌われる希望の唄「ヤングアダルト」は、いつもの何十倍も美しく響いていた。そして、新曲「なんでもないよ、」は今年のJ-POPを代表する最強ラブソングです。

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●UNISON SQUARE GARDEN

「オリオンをなぞる」や「Phantom Joke」など、新旧の代表曲が次々と飛び交う怒涛の40分間、最高でした。特に、「シュガーソングとビターステップ」は圧巻。いろいろな制限がある中での開催ではあるけれど、そのフェスアンセムとしての輝きは不変だった。


●東京スカパラダイスオーケストラ

谷中さんの「闘うように楽しんでくれ」という言葉は、いつもの決まり文句ではあるけれど、このコロナ禍では、いつも以上に深く響いた。今回のゲストは、ユニゾン・斎藤宏介と、[Alexandros]・川上洋平の2人でした。「風になって」のカバーも!

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●[Alexandros]

彼らがロッキング・オン主催のフェスでトリを担うようになってから、今年で7年目。もはや貫禄すら漂う、堂々たるロックスターとしての佇まいに痺れた。ラストは、「閃光」&新曲「Rock The World」の二連打。コロナが明けたら、これらの新曲は更に化けるはず。


12月29日(水)

●the HIATUS

2021年、唯一のステージ。しなやかで逞しく、そして美しいオルタナティブ・ロックは、やはり壮大なEARTH STAGEによく映える。ラストは、「Insomnia」「紺碧の夜に」で大団円。最高でした。来年はELLEGARDENの制作が始まるけれど、またthe HIATUSの新作も聴きたい。

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●マキシマム ザ ホルモン

いつになく真面目なMCで、ダイスケはんは、この場を用意してくれたCDJと集まってくれた観客に「恩返しをする」と告げた。その気持ちはたしかに伝わったし、「来年は、俺たちのフェスを取り返しにいこうぜ!」というナヲの叫びにも胸がいっぱいになった。

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●MAN WITH A MISSION

序盤から10-FEETの3人をステージに迎え、ラストは、夏の新曲「INTO THE DEEP」→月9主題歌「Remember Me」→進化した鉄板アンセム「FLY AGAIN -Hero's Anthem-」の三連打。まさに、コロナ禍の閉塞感を打ち破る痛快で特盛りなアクト。最高だった。

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●10-FEET

今年の新曲「アオ」をはじめ、ロックバンドが苦境に立たされたこの2年の間にも、次々と新しいロックアンセムが生まれ、育まれていて、その事実に改めて感動した。彼らが掲げる「強く、優しく」というメッセージは、このコロナ禍において、いつも以上に深く響いた。

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12月30日(木)

●SUPER BEAVER

今年83本目のライブ。苦境の中を懸命に走り続けてきたからこそ、渋谷の「助けてもらったり支えてもらったら、何倍にもして返しましょう。俺たちは、その所存でやってます。」という言葉に重みと深みがあった。2022年、この恩返しの輪は、もっと大きくなると思う。

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●BiSH

MCでの言及はなかったけれど、解散発表から間もないこともあり、客席は一定の緊張感と切なさで満ちていたと思う。ただ、その空間を丸ごと包み込むような、とても力強く温かなパフォーマンスが感動的だった。「スーパーヒーローミュージック」に、彼女たちの生き様を見た。

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●クリープハイプ

新曲「ナイトオンザプラネット」が最も象徴していたように、今の彼らは、従来のバンドサウンドの解体&再構築に挑んでいて、そうした最新のモードを色濃く反映したステージだった。一方で、「イト」や「栞」などの代表曲もしっかり披露。圧巻だった

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●sumika

彼らの音楽は、日々の生活を彩るポップ・ミュージックとして、今や数え切れないほど多くの人々の人生の一部となった。会場の大きな期待に見事に応えてみせた今回のトリのステージは、とても感動的なものだった。計50分間、一切の隙がない完璧なエンタメ空間だった。

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12月31日(金)

●ずっと真夜中でいいのに。

音楽シーンを代表する超重要アーティストにもかかわらず、その存在は未だ謎のベールに包まれていて、だからこそ、ACAねの等身大の姿に迫ることができるライブの場はとても貴重。今日、初めて彼女の生の声に触れた人も多いはず。圧巻のステージだった。

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●04 Limited Sazabys

今までに何度も聴いてきた「swim」の《信じろ 未来を》という歌詞が、そして、GENの「過去の亡霊に囚われずに、一緒に手付かずの未来へ行きましょう」という言葉が、とても深く刺さった。未来へ向けたポジティブなエネルギーに満ちた最高のステージだった。

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●サンボマスター

「生きててくれてありがとう」「愛してる」「来年も絶対に幸せでいてくれな」 「笑顔でいてくれな」という熱く壮大な愛に満ち溢れた、とても素晴らしいステージだった。一足早い「伝説のカウントダウン」も大成功。CDJ、4日間の大トリ、美しすぎる大団円でした。

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松本 侃士
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