マーケターという仕事 マーケティングミックスを設計し実行するキラキラした一面
みなさんこんにちは。
強ニューです。
前回書ききれなかったので第2段として続きを書きたいと思います。
上記リンクのその1では、マーケターに対して業務領域を設定するのあれば、それは市場調査と販売促進支援という説明をさせて頂き、市場調査について考察をまとめてみました。
改めてですが、市場調査とは、自社が設定している市場における外部環境(政治的背景=戦争、税制、政策など、経済的背景=為替や原材料費の高騰など、社会的潮流=人々の暮らしの変化、技術革新=新技術の登場など)の変化を調査することです。
こういった内容を抑えるために、”PEST分析”や”3C分析”というフレームワークを使ってまとめ理解し社内に向けて言語化するのがマーケターの仕事の一つです。より精緻な情報をタイムリーに集め蓄積するために、調査会社からデータを購入したり、ステークホルダーにヒアリングしたり、実際に取るべき売り場状況を把握する必要性を発信させて頂きました。
また自社も市場の中のプレイヤーなので、自社分析を行うこともマーケターの業務領域になります。よく使うのは”SWOT分析”で、どのような強み弱みがあるかを定性定量的に理解しておかないと戦略立案の際に実態とかけ離れたものになってしまいます。
ここまでが市場調査という意味でのマーケターの業務領域です。
今回は販売促進支援、いわゆるマーケティングミックスのことについて後半戦として書き進めていきます。
マーケターとして必要な知識と専門用語が多数出てくるのでご自身でも調べていただければ理解もより深まって行くのではないでしょうか。
マーケティングミックスとは?
社会人としてはもはや聞き慣れた言葉であると思います。新卒の方や初めましての方は覚えておくべきビジネスワードです。
マーケティングの4P、Promotion,Product,Price,Placeのことで、マーケティング戦術、つまり打ち手=手段の話です。
なお、強ニューの会社については、Product部門が商品と価格の提案を行い、マーケティング部門が最終決定した上でチャネル戦略とプロモーション戦略を行うという半分業スタイルをとっています。
少々ここにコミュニケーションや予算設定、個人評価で課題を感じていますが、現状としてはより川上に近いプロダクト部門の方がマーケティングミックスの領域で大きい部分を担っている状況となっています。
話が逸れましたが、本題のマーケティングミックスについて、思考というか設計の順番があります。
したごしらえとして、内外環境を捕まえた上で、STPで顧客の設定をしたら、その顧客に対して、どのような商品を、いくらの価格設定で、どの流通経路に乗せて、伝え届けて行くか、というような順番で進めて行っています。
商品・サービス(Produc)
この設計については、下ごしらえのSTPの具体性が最重要です。その上で自社のリソース(技術やノウハウ)の理解度と、他社の商品理解度を掛け合わせて、どう差別化したアイテムを生み出せるかが鍵になってきます。バリューチェーン全体でよりユニークで顧客にとって魅力的な商品を作れるかどうか、川上から川下までを設計する必要があります。
また強ニューの会社では、プロダクト部門が新製品の企画立案をする際に自社のリソースを把握した上で企画段階から、どのようなコンセプトで、誰に、どの程度の設定原価で、どのチャネルで、どういうキャッチコピーで販売して行くかをかなり精緻に具体的なファクトと情報を持って設定する業務があります。もちろん投資をしてプロトタイプを開発するので、部門長決済で企画が進んで行きます。実際企画者が立案した方向に全てが進むかはその後の各部門との話し込み次第ですが。。
価格(Price)
マーケティング用語では、”プライシング”と呼ばれます。
”値決めは経営”という言葉を京セラの創業者稲盛和夫氏が残したのはマーケティング界隈では有名な話ですが、それくらい重大なマーケティング戦略の一要素です。
原価から積み上げて設定するのか、競合他社を意識した価格設定にするのか、はたまた顧客視点で戦略価格として格安で設定するのか、もしくは業界標準に合わせるのか、無限に価格設定の選択肢はありますが、ここでも知識として知っておくべきポイントは多々存在しており、価格設定の際に実践していく必要があります。(スキミングプライシングの話を知ったとき目から鱗でした。確かハエ蜜の話でしたが)
そして価格は生き物なので一度設定した後の価格の推移もマーケターとしては意識的に観察して行く必要があると考えます。
強ニューが全自動乾燥機付洗濯機を買った際パナソニックは値引きをしない!という戦略を取り各小売店と覚書を交わしていたというくらいですので、そこはマーケターとしての勝算があったのだと思います。
チャネル(Place)
自社の開拓状況とも紐付きますが、どういう流通経路を活用して顧客に届けるのか、チャネルの特性(顧客属性や立地、周りの店の環境)とコスト感(条件面)、関係性の強弱などを大枠で把握しておくのもマーケターの仕事になります。もちろん競合他社の商品リサーチを進めてきた段階で、その棚をとるべく、バイヤーに聞き取りをした上で開発してきているのであれば、その棚を取れるかが最重要ポイントになります。
チャネルが長くなればなるほど間に挟まる経費が高くなって行くので、理想はDtoCだと思いますが、集客という点を考えると卸流通や通販なども儲けが少なくても利点があると言えます。
ある業界の社長は、”全てネットで完結させるために地方まで小売店を出店する”と豪語していました。もはや飲食以外の耐久消費財に関する小売店はショールーム化して行っていると感じます。
少し余談ですが、電器業界では20年ほど前から当たり前になっているSMU(スペシャルメイクアップ)といういわゆるメーカーの販路限定商材の存在なども、チャネル開拓として棚を抑えるためには有効な手段の1つになっているのも事実です。それが今やコンビニをはじめ、アパレル業界やスポーツ業界においてもSMUが加速しているように感じます。その背景は、メーカーよりも流通の方が強大になったことが挙げられるのですが、コロナによりオンラインでのDtoCが当たり前になりはじめそのパワーバランスもまた見直されてきました。ただマックスバリューのように小売がメーカー機能を強めて行きユニクロや良品計画に代表されるようにSPAとしての強さを発揮している時代にもなってきています。
コンビニのPB商品(パンやカップ麺)を見てみると、実はラベルに書いている製造会社が競合のはずの大手メーカーで、その商品を目撃するたびに強ニューは心を痛めると同時に品質に絶大な信頼を感じてしまいます。。
プロモーション(Promotion)
認知・興味関心を獲得すべく、どう顧客に情報や製品を届けるのかの設計ですが、リソースは限られますが手段は無限です。
販促予算をどう効率的に活用するかがマーケターの仕事でありKGIだと強ニューは思います。
なお顧客が情報をキャッチする経路というのは、以下に絞られます。
マス広告(雑誌・新聞・テレビなどの電波・交通・チラシ)、売り場(ダイレクトセールス・通販・ネット・リアル店舗)、口コミ、オウンドメディア(HP・SN S・ウェブマガジン・DMなど)です。
プロモーション効果を予算内で最大化するためには、顧客分析が重要です。昨今はカスタマージャーニーという言葉が出てきており、いわゆる顧客の購買行動の流れを把握し、どこに成功と課題(顧客が離脱するポイント)があるのかをモニタリングしPDCAを回して行くのが一連のマーケティング活動と言えます。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
強ニューの会社では、マーケティング活動をプロダクト部門とマーケティング部門が分業で行っているため、マーケティングミックス自体個人が全ての裁量で回せていないなりの課題がありました。そのため日本企業にありがちな、プロダクトアウトの割合が多く、マーケットインでの商品開発が進んでいないのが現状です。
アップルのように最強のプロダクトアウトの会社であればそれでいいのでしょうが、やはりマーケットをリサーチした上で顧客像を捉え自社が作れる価値をしっかり伝えて行くことで売上をあげて行くことをしていかないといけないと思います。
マーケターとして働き結果を出すためには、自社を知り、市場を知り、競合を知り、顧客を見ることが求められますし、一度買ってほしいと思う顧客像が固まったら限られた予算の中でその顧客に届ける橋渡しを作り続けるのが仕事なんだろうと思います。
何ができて、何ができなかったかを見定め、強化と改善を繰り返して行っていくことがマーケターの仕事だと強ニューは思います。
そして、忘れてはいけないのは、顧客も市場も競合も変化して行くということです。
強ニュー自身、自分という商品を売るために、パーソナルマーケティングをこれからも進めて行こうと思います。
これらの知識は業務による実践とグロービスへの通学、そして下記書籍をはじめとした様々なマーケティング本によるものです。
少なからず皆様の気づきになれば幸いです。
最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。
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