チェーンソーのメンテナンス クラッチ編(共立 CS43RS)
こんにちは。ヤモリーズ7期生の中村春樹です。チェーンソーを持ちはじめて早くも半年。4月には3人いた同期もいつのまにか私1人になってしまい少し寂しい気持ちです。
半年経ち、現場作業やチェーンソーの扱いにも慣れてきました。私はグラウンダーと呼ばれる、作業道を作る際に支障となる木を倒したり、枝払いや造材をしたりする作業を主にやっています。
9月のある日、作業開始しようとチェーンソーを始動したところ、アイドリング状態でチェーンが回り続ける異常が…素人目では原因がわからなかったので石見エコーさんにチェーンソーを持ち込み、点検をしてもらいました。
診てもらうと、原因はクラッチ内部のクランクシャフトとベアリングのサビつきでした。
その時にメンテナンス方法を教わり、以降も自分で定期的にクラッチ内部の清掃をしています。そこで今回は、普段私が行っているクラッチ周辺の清掃とメンテナンス方法をここで記述してみます。
チェーンソーは、ヤモリーズ現役が主に使用している 共立CS43RSです。
①チェーンソーのバーとソーチェーンを外した状態にします。
②クラッチドラムを外すために、はじめにトメワ(スナップリング)を外します。マイナスドライバー等でトメワの溝をこじると簡単に外れます。
③トメワを外した後、カバー → スプロケットトリム → クラッチドラムの順で外すとクラッチが現れます。小さい部品達はトレイなどに、外した順番に並べておきます(組み付け時に順番を間違わないため、分解前後で写真を撮るのもおすすめ)
④ クランクシャフト外側に取り付けてあるニードルベアリングを外して洗浄します。この段階になったら、クラッチ周辺の木クズをエアーで掃除したり、ベアリングを洗浄します。ベアリング等の金属部品の洗浄にはパーツクリーナーを使用しています。
今回私が経験したエンジンのアイドリング中にソーチェーンが回ってしまう異常は、クランクシャフトとニードルベアリングにサビが発生しために、クランクシャフトとクラッチドラムがサビにより接続された状態になっていました(ベアリングが滑らない)。したがって、アイドリングの低回転でも常にクラッチドラムが回転しソーチェーンが回っていまいた。(正常な状態では、クランクシャフトの高回転による遠心力でクラッチシューがクラッチドラムに接触し動力を伝達させ、スプロケッを回転させることによりソーチェーンが回ります。)
⑤ クラッチの清掃が終わったら、潤滑とサビ防止のため、スプリングと可動部(外側に伸びる部分)にオイルスプレーを塗布をします。
⑥ オイル塗布が終わったら、外した部品を組み付けていきます。ニードルベアリングにはグリスを塗布してから組み付けます。
因みに、クランクシャフトの中心の穴にグリススプレー等を注入すると、側面の穴から吐出されます。これにより、トメワやスプロケットを外さなくてもベアリングへの給油ができる構造になっています。
⑦ニードルベアリングの後は、クラッチドラムを取り付けます。その際、クラッチの奥にある羽(オイルポンプ動作のための物)とクラッチドラムの爪が重ならないよう注意します。
クラッチドラムを取り付けたら手でドラムを回してみます。しばらく回してみてチェーンオイルが排出口から出てくればOKです。(オイルが出てくるまでしばらくかかります。気長に回します。)
⑧チェーンオイルが出るのを確認したら、残り部品(スプロケット、カバー、トメワ)を取り付けて終了です。
トメワを付ける際はペンチ等で挟み込むと楽でした。
2回目になりますが、この中央の穴からグリススプレー等でニードルベアリングにグリスを供給できます。サビ防止と潤滑のためにも時々入れてあげると良いと思います。
以上となりますが、最後に、使っているグリスとオイルスプレーを載せておきます。
・クラッチのバネや可動部、金属部品の防錆にはオイルスプレー(KURE5-56)
・ニードルベアリングの潤滑にはKUREのウレアグリース。ベアリングに使用可能で耐熱性に優れるという事で使用していますが今の所問題なしです。もっと良いのがあれば教えて下さい。
・金属部品の洗浄にはパーツクリーナーを使っています。
長々とクラッチのメンテナンス方法を紹介しましたが、そもそも今回シャフトとベアリングのサビの原因は、雨の中、軽トラのホロの下にチェーンソーを置きっぱなしにしていたことでした。やはり保管は風通しの良い場所がいいとのこと。トラブルやメンテナンスを繰り返して、少しずつ機械の知識を深めていけたらと思います。
1年目の私はチェーンソーは最もよく使う機械なので、しっかりメンテしながら大事に使っていこうと思います。機会があればまた別の箇所のメンテについても書いて見ようと思います。それでは。
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