乗り合わせ博多親娘が
「福岡天神〈イムズ〉が8月末閉館へ」のニュースを目にした。福岡の都心部の再開発促進事業「天神ビッグバン」に伴って、閉館し、新たにビルを建設する。新たなビルは自然を意識したコンセプト・デザインになるようだ。
商業施設の建築は、流通革命の進行で、大規模店舗が地方都市にも進出していった。正に雨後の竹の子のように。最初も規模は大きかったが、市場の大きさに合わせてもいた。しかし、次第に商業施設の大規模化が進行していった。
1996年には、キャナルシティ博多がオープンし、賑わっていた。オープン後、しばらくして見学に訪れた。施設設計も、こじゃれたものを越えるもので、感銘した。このような施設に行っても買い物などはしない。しかし、チョコ商品が人気だというので、その店でチョコだけは買ってみた。+αのある商品に思えた。
パンフレットを袋から出して施設の見学をして回った。思わず、長居してしまっていた。パンフレットを脇に抱えてバスに乗り込んだ。後ろから親娘が乗り込んできて前に進み、隣に立った。娘がパンフレットを目にしたのか、
「ここは書店がないよね」(実際は博多弁)
言われてみれば、確かに大規模書店はなかった。地方都市では、大型商業施設が大規模書店を併設しているケースがある。書店を併設することが、当時は流行のようにも思えた。
親子は呟くように本の話しをする。やがて進路の話になったのだろう。
「司書もいいかなぁ」
親娘は途中で下りた。駅に着いて、改めてみると、駅も改装中だった。街がこうやって変わっていくんだ。帰りの新幹線の中で、進路を考えていた頃を思い出していた。
*都城市立図書館は旧「都城大丸センターモール」の施設を利用している。