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Short:小さな出来事、大きな後悔-続
*「小さな出来事、大きな後悔」続篇、というか、こちらが本筋。この機会に図書館行政(AIリファレンスなど)に関心が出てきたが、別Noteで。
図書館の運営について、規程のない処理を巡り、意見の対立を招いた。10数年、同じ利用の仕方をしていたのに、恣意的に拒絶され、扱っていたテーマの資料・本が得られず、纏める気を失った。
図書館員にも理由があったのだろう。争うことはせず、利用するのを諦めた。そのため、図書館の利用を他市の図書館利用に変更した。移動の車の所要時間は10分のところが、2倍以上に掛かることになった。
しかし、心残りがある。今までリファレンスを依頼することがあった司書のサービスを受けることができなくなってしまった。リファレンスも回を重ねると、質転換が起こる。
河童の民話をトレースしていた。新刊本として、『かっぱ』 (えほん遠野物語)が入庫した。新刊本は新刊コーナーに陳列される。手に取り、ブラウズしていると、よく見知った図書館員が側を通り過ぎ、挨拶して去って行った。まもなく、その本を選定した司書が現れた。以前から、民話についてリファーして貰っていた。(専門外は専門に聞け、効率が良いし、的中率が高い)
・京極夏彦著/北原明日香 (イラスト)(2016年)『かっぱ』 (えほん遠野物語)、汐文社。※購入が新規。
「この機会に「柳田国男」を調べますか。」資料が揃っている「柳田国男のコーナー」に案内するという。是非もないことだったが、他の急ぎの調べ物をしていた。「又にします。」
司書は拍子抜けした表情を隠さない。
以前、ヤマハギの実物を手に入れようと分布場所を確認もせず探していた。件の司書に雑談でヤマハギの話しをしていた。母親は自然のものへの興味が強いと聞かされていた。カヤネズミの本を借りだしたとき、「母がカヤネズミの巣をみたことがある」と告げられた。
「おかあさん、ヤマハギも知っているかも」
投げかけた。家に帰って話したらしく、翌日には「ハギ」(七草であるが木本)を飾っていた。
偶然、図書館に行っていた。司書は本を見せながら、「これ、ヤマハギではないですよ。マルハギです」
目が点になった。先入観に支配されていた。ヤマハギは少し高所に分布する。野にあるのは「マルバハギ」だった。見事に先入主を追い出していた。
当日は、移動図書館に配架する前日だった。すでに図書館からの貸し出しは規定数(10冊)に達していた。もうこれ以上は借りられない。移動図書館は別扱いだ。必要な本を移動図書館に配架を頼んだ。以前は数日前に依頼していたが、今回は前日(後で分かったが、規程はなく、慣習で実施されていたようだ)、配架ができないという。アングリと口を開けたが、これも詮無し。引き下がった。
ちょうど所蔵する本の全数調査を行っていた(その期間は休館8日間)。管理システムも数年前新たに変えていた。急ぎの調べ物が壁にぶち当たったような感覚。はしごを外されたような気がして他の図書館に切り替えた。今までのリファレンス・サービスも飛んだ。これは痛い。分野外については、リファ経験がものを言う。後悔が大きい気がする。
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*柳田國男/島亨補注(2022年)『遠野物語』大和書房が発売されている。