たかが焼きめし、されど焼きめし
「インディカ米しかない」
友が焼きめしを食べたいという。「ピラフ」や「チャーハン」とは違う「焼きめし」が食べたいという。
そういえば、「破砕米もあるな」
「破砕米?」
アフリカのセネガルなどでは、好んで料理に使われるらしいよ」
「まぁ、とにかく食べたいんだ」
「うーーん」
(インディカ米だとパサパサになるからな)
「よし、晩食にしょう」
インディカ米を洗って水に浸しておこう。
*
水に浸していたインディカ米を洗って炊いた。
できたインディカ米のご飯をそのまま水気を飛ばさずに、
「さぁ、作るぞ」
サラダオイルを引いて、
刻んだ牛肉を炒め、
刻みタマネギと刻み細切れにしたニンジンを炒め、
ミリンもない、日本酒もない、ええい、ままよ。
砂糖を少し、
「シマヤのだしの素」もない、
「こんな所にあるわけないだろう」
「醤油はあるよ。ママさんが日本食、好きだったね」
「ホイ、インディカ米のご飯、人数分だよ」
「よく刻むように混ぜるんだ」
「いい色になってきたな」
「もう少し焦がし気味に」
皿が音を立てる。鉄鍋がカシャカシャ。
2皿がテーブルの上に並ぶ。友の顔がほころんでいる。
「言うだけあるねぇ」「美味しいよ」
*
妻はご飯が好きだ。時に作りすぎる。
「また、余ったね」
ジャポニカ米だ。
「数年前から、焼きめし美味しくなったよね。」「どうしたん」
「シマヤのだしの素、使うようになったからかしら」
「そればかりではないじゃろう」
「そういえば、卵、使わなくなったね」
「サラダ油を引くだけよ」
「どうしてベチャってしてないんだろう」
「そんなの分からな~い」
「パサつくようではないが、しっとり感はありそうだね」
*考えてみた。
最近といっても、だいぶん前からお米を漱いでも、水には浸さなくなっている。お米を漱いでそのまま、炊飯器で炊いているが、カラッとしているといってよい。お米の所為かも。あまり水を含まない米飯ができているようだ。
サラダオイルも少なめにして入るみたい。卵は使わず、肉を炒め、刻んだ野菜を炒め、シマヤのだしの素を混ぜ合わせ、僕だったら、ミリンに酒を入れるが、妻は入れない。ご飯を刻むように混ぜ合わせる。
最期に、醤油を鍋の周りに。焦がし気味にして、混ぜ合わせる。
できたら、お好み焼きをひっくり返す。ヘラですくい取り、お皿の上に盛り付ける、自分で。
「へい、一丁!」
今日も美味かった。味音痴のごくうの感想。
今度は「破砕米」でチャレンジか。どこで手に入るのだろう。セネガルまで行くわけにも行かないし。(うーん)破砕米は味が染み込むみたい。アフリカ・セネガルの「チェブジェン」のレシピを手に入れたいな。