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植物:キョウチクトウ2 図譜など

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・植物図譜
ルドゥーテは「バラの画家」としても知られているが、ルドゥーテによる「ネリウム」(Nerium oleander:夾竹桃)も図譜として残されている。日本でも、江戸時代には夾竹桃が知られいるので、図譜としても残されている。その例として、『和漢三才図会』『梅園草木花譜』『植物写生図帖』が知られている。

・和漢三才図会
日本の『和漢三才図会』には、夾竹桃の名前の由来と寒さに弱いことが記されている。(下の巻;92巻、山草類、1203頁(国会図書館デジタルアーカイブ:604コマ/921コマ中)

・国会図書館デジタルアーカイブ;寺島良安 (尚順) 編(明17-21)『和漢三才図会;下之巻』中近堂、604コマ/921コマ中。

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・梅園草木花譜(下左)
毛氏江元寿梅園直脚<毛利梅園>//書画并撰著『梅園草木花譜』夏之部(5)、76種(内;雑を含まず71種)が収められている。国会図書館デジタルコレクションhttps://www.dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1287287に収められている。夾竹桃は5巻53コマ目。

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・植物写生図帖(上右)
松平頼恭編(讃岐国高松藩5代藩主)『植物写生図帖』写本、2帖、175品が国会図書館デジタルコレクションhttps://www.dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/8942738に収められている。夾竹桃は上巻11コマ目。

夾竹桃を題材にした作品
・文芸作品

夾竹桃を題材にした文芸にした作品には、次のものがある。
・佐藤紅緑・(1948年:昭和23年)『夾竹桃の花咲けば』 (絵:三芳悌吉)尚文館。

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・鶴良夫(2000)『夾竹桃』リーベル出版。
・高田チエ子( 2001)『夾竹桃の花ふたたび:鹿児島から長崎へ-ある少女の原爆体験記』南方新社。
・玉井恵美子(2005)『夾竹桃の花が揺れる頃に-A diary of Sewing Table Coffee』Windchime Books。

・随筆集
・石原純(1943年:昭和18)『夾竹桃 』文明社。
随筆集作成の折、夾竹桃の花がちょうど盛りに咲いているところから書名に。

・楽曲
楽曲にした作品は、美空ひばり(1966年)による「夾竹桃の咲く頃」が代表的なものである。他に、小柳ルミ子(1976年)による「夾竹桃は赤い花」、井上由美子(2007年)による「夾竹桃の咲く岬/さくらんぼ」や、藤あや子(2008年)「夾竹桃」がある。
・美空ひばり(1966年)「夾竹桃の咲く頃」中村メイコ作詞・神津善行作曲、タワーレコード。
・小柳ルミ子(1976年)「夾竹桃は赤い花」岩谷時子作詞・宮川泰作曲、ワーナー・パイオニア。
・井上由美子(2007年)「夾竹桃の咲く岬/さくらんぼ」水木れいじ作詞・弦哲也作曲、キングレコード。
・藤あや子(2008年)「夾竹桃」小野彩作詞・伊藤雪彦作曲、ソニー・ミュージックレコーズ。
・他、多数あり。

・絵画
・ゴッホ「夾竹桃」(油絵)Van Gogh, Vase with Oleanders and Books(1888)「夾竹桃の花瓶と本」

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ゴッホの弟テオTheoのために描いた作品として知られている。絵に描かれている小説の書名はZola's La Joie de vivre(生きる喜び:1884)である。メトロポリタン美術館に所蔵されており、公開されている。

注)Ronald Pickvance, 1984, Van Gogh in Arles, Metropolitan Museum of Art, 162-163、ロナルァ・ピックヴァン著・二見史郎訳(1986)『アルルのファン・ゴッホ』みすず書房。本書には、93 Oleandersと題して説明がなされている。

・ゴッホ「夾竹桃を持つ娘」(油絵)Van Gogh, La Mousume.

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注)Ronald Pickvance, 1984, Van Gogh in Arles, Metropolitan Museum of Art, 156、ロナルァ・ピックヴァン著・二見史郎訳(1986)『アルルのファン・ゴッホ』みすず書房。本書には、91 La Mousumeと題して説明がなされている。

・飯田守和「夾竹桃」(墨彩画)。

・文学忌
・夾竹桃忌:檀一雄(1912年:明治45年-1976年:昭和51年1月2日没)。

ーー備考
※狩野重賢『草木写生春之巻』『草木写生秋之巻』・・夾竹桃ともになし。

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