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樋口楓を追いかけて、台北 #樋口楓LIVE_BREAKING

最近、樋口さんの配信を聴けていなかった。コメントやリプを送れていなかった。何ならXのアカウントも全然動かしていなかった。それは、仕事が忙しい&楽しかったから。ところで、樋口さんが台北でソロライブを3年ぶりにやるらしい。そんな情報が夏の頃に出た。すぐに上司に伝えた。

「部長。11月29日は有給を取ります。推しが台湾でライブをするのです。それは私にとって全てに優先されることです」


台北経由シンガポール行きの航空機で

8月にはさっさと航空機とホテルの予約を済ませた。まだチケットは入手しておらず、その後落選を続けて苦悩したが何とかプレミアムチケットを確保。
ライブ当日は11月29日。金曜日だ。数ヶ月前に有給を申請していたので問題なく航空機に搭乗。桃園空港行きではあるが、最終目的地はシンガポールの便。

シンガポール航空グループ スクート航空

9ヶ月ぶりの航空機。そして、およそ1年ぶり、2回目の出国。窓の外からは富士山が見送ってくれた。ライブへの期待に胸が膨らむ。

機長からも富士山が見える旨アナウンスあり

そして4時間ほどのフライトを経て、たどり着いた台北桃園国際空港。ボーディング・ブリッジに出た瞬間に鼻腔をくすぐったのは中華スープのような香り。「ああ、自分は中華圏に来たのだな」と感じる。
(余談だけど、沖縄はジャスミンの香りがする。外国人が日本に来たら醤油の香りを感じるらしい)

予約したホテルは台北駅近くの君品酒店(Palais de Chine Hotel)。メトロに乗って一路台北へ。途中、ライブ会場であるZepp New Taipeiの最寄り駅の新荘副都心駅を通過する。はやる気持ちを抑える。大荷物があると終演後が大変だ。まずはチェックインをしなければ。台北駅で降りて、地上に出るとすぐにホテルの建物が見えた。迷子になることはなかった。そして、ホテルに足を踏み入れるとそこには樋口楓の痛バを肩から提げた人がいた。

君品酒店

ライブがはじまった

電車に揺られ、Zepp New Taipeiの最寄駅のひとつの新荘副都心駅に着く。そこからは幹線道路沿いにひたすらに歩く、歩く。

ライブセトリについてはにじさんじ公式が上げているので、そちらで確認してほしい。

出典:にじさんじ公式X https://x.com/nijisanji_app/status/1862498200416133228

セトリの中で特に強く感情を揺さぶられたのは「BREAK THIS WALL」「Baddest」「君のこと」「MARBLE」の4曲だった。

「BREAK THIS WALL」は繁体中国語で歌われた台湾バージョン。この曲は2019年のKANA−DERO終了後の3月に歌唱された曲であり、あの当時の春先の空気を強く帯びた楽曲であると思う。あの当時の、メジャーデビューも知らされていなかった当時の、ファン全員で一丸となって樋口楓の屋台骨を支えようとしていた時期の空気感がそこにはある。そして、それは当時の夏に公開された「君のこと」も同じだ。当時私は大学生だった。そして、当時私は週に1本のペースで樋口楓の二次創作SSを投稿していた。あの当時のことが非常に懐かしい。

出典:にじさんじ公式X https://x.com/nijisanji_app/status/1862472510383796444

「MARBLE」は言わずもがな、メジャーデビュー曲である。上記のKANA-DERO後の(語弊を恐れずに言えば、出口の見えない時期の)最後の12月に突如として見えた光明。その中心であり、起点となったのがLantisからのメジャーデビューと、「MARBLE」の両国国技館での披露であった。そして、リリース日は当時大学3年生から4年生に差し掛かり、コロナ禍の中で就職活動をしていた自分にとっては応援歌でもあった。

そして、「Baddest」はコロナ禍でうまくいかない就活の末に新卒入社した会社を辞めたとき、最終出社日に先輩と同期と一緒に入ったラーメン屋の内線で流れていた曲でもある。

こうしてみると、いつも生活のそばに「樋口楓」がいる。そう思う。

樋口楓はファンをしっかりと見ている

ところで、大覺臣ツツジはちゃっかりとプレミアムチケットを獲得していた。プレミアムチケットの観客はなんと終演後に一対一でお話しできる機会をもらえるのだという。
直接の対話は実に2年ぶりくらいだろうか。Lantisデビュー後の初期の頃は熱心におしゃべりイベントに参加していたが、その後疎遠となっていた。お仕事が楽しくて、ついつい樋口楓からも離れかけていたしね。

消えていく終電を尻目に列に並び、いざ名乗る「大覺臣ツツジです」
すると、驚くことに樋口楓は「えっ、めっちゃ久しぶりじゃない?!」それだけであれば流してしまったかもしれないが、樋口楓は話の中でこうも言った「まだカメラで写真パシャパシャ撮ってる?
完敗である。樋口楓はファンのことをしっかりと見ている。自分の興味関心の中心が仕事一本から、樋口楓も含めた両軸に移ることを決定づけた瞬間だった。

このポーズしか知らん。何年前の流行?

余談だが、銀テープをプレミアムチケットの席に配りに来てくれた台湾の楓組の、オレンジ色のTシャツを着ていた女性には深く感謝したい。自分が言語達者であれば「謝謝」よりもしっかりとしたお礼を言えた。こうして人は語学を志すのだろう。


さあ、観光だ!

ライブは金曜日で終わった。帰国日は日曜日の午後。であれば、やることは一つ。観光である。

11月30日、台北市内を東奔西走

朝、街に繰り出して向かうのは雙連(シュアンレン)の朝市。宿泊しているホテルからはひたすら北上すれば着くとのこと。外国は街歩きも楽しい。とりあえず、徒歩で向かう。

道中の寺院「福民宮」

マカオでも感じたことだけど、同じ東アジア、漢字文化圏でも街並みの雰囲気は全く異なる。標識や広告の言語はもちろん、街並みのデザインが違う。

雙連朝市の中心にある「台北市文昌宮」

雙連朝市は青果が多く売られていて、朝食となりそうなものは少なめ。
特に何も食べることはなく、そのまま次の目的地へ。
次は帝国期の日本の面影が残る迪化街(ディーホアジエ)へ。

迪化街

煉瓦造りの建物が建ち並んでおり、関東大震災や東京大空襲が無かった場合の日本の街並みはこのような感じだったのかとも思う。

朝陽の差し込むアーケード街

迪化街のあとは、少し遅めの朝食のために台湾のチェーン店のハンバーガー屋さんへ。ハンバーガ屋さんでは何と森永乳業コラボがやっていて、意図せずに濃密な日本要素を浴びることに。私はバナナと卵が入ったパンケーキを注文。

台湾のモーニングにおすすめ、LAYA BURGER

このお店でミネラルウォーターのペットボトルを置き忘れてしまった。店員さんごめんなさい!
LAYA BURGERでの朝食のあとは、いよいよ世界的にも有名な「故宮博物院」へ。
台北市街からは少し離れた場所にあるからUberでタクシーを呼ぶ。

中華民国国立故宮博物院 蒋介石が大陸から持ってきた大清帝国の宝物がたくさん展示されています。

入館料は一人あたり350元。支払って入館すると、そこには貴重な考古的遺物が数多く展示されていました。日本の博物館に中国語や英語の説明書きがあるように、故宮博物院にも日本語の説明書きがあったり無かったり。
古代の西周王国や、宋朝など中世の異物などもある中で、一際観覧客を集めていたのは翡翠の白菜。清朝で製作された非常に有名な収蔵品だ。肉形石は残念ながらお出かけ中。

翠玉白菜 18-19世紀、大清帝国

故宮博物院は全て見ようと思うと、絶対に1日がかりになるボリューム感なので後ろ髪を引かれつつ再びタクシーに。次に向かうのは台湾総統府。大日本帝国統治時代の台湾総督府だ。

台湾総統府

そのまま歩いて自由廣場中正紀念堂へ。

あまりにも壮大な広場だ。

中正紀念堂の「中正」とは蒋中正のことであり、これは蒋介石のことだ。蒋介石は大清帝国を辛亥革命で打倒した孫文が作った中国国民政府を率いて第二次世界大戦を連合国として、大日本帝国と対峙し勝利した指導者でもある。
その後、国共内戦で中国共産党(中華人民共和国)に敗れ国民政府(中華民国)を台湾へと移転させた。いわば現在の台湾を作った人物なのだ。

蒋介石(蒋中正)の銅像。とても大きい。

中正紀念堂からはメトロに乗ってお昼を食べに行った。訪れたのはガチョウの肉を食べることができる人気店。日本人がやたら訪れるお店なのか、お皿には日本語が。何なら店内で聞こえてくる会話も日本人ビジネスマンの愚痴だったり。

阿城鵝肉のガチョウ肉。美味でした。

遅めのお昼だったけれど、次の目的地は台北で一番高い建物。どころか、全台湾で一番高い建物である台北101へ。ちなみに、ドバイのブルジョ・ハリファができる2010年まで世界で一番高い建物だったらしい。施工は日本の熊谷組と韓国のサムスン。東アジアのつながりを感じる。

台北101 高さはなんと509.2メートル

大人気観光地なので待つこと1時間ほど。ようやく辿り着いた展望台は最高の眺め。あまり事情や経緯は知らないけれど、大谷翔平がやたらとデジタルサイネージに表示されていて、日本人はここに来たら台湾でホームシックになることもないだろう。

この街灯りの中には生涯関わることの無い人たちの営みがある。

渡台する前は展望台なんてベタな観光地に寄るつもりはなかったけれど、この展望台は登って良かった。待ち時間はかなりのものなので、ゆとりのある行程設定と事前のネット予約をおすすめします。

夜ご飯は台北101の地下のフードコートで。多分台湾の料理。韓国料理では無いはず。

30日の最後の行程は士林夜市だ。一旦、台北駅近のホテルに戻り、すぐにタクシーで一路北へ。そこには夜市の名の通り夜に輝く出店の数々と、活気に満ちた人々の姿があった。

夜市ではザ・昔ながらのお土産といった感じのマグネットを購入。小籠包や串焼きなど、飲食物の出店も非常に多かった。間違いなく日本には存在しない光景なので異国情緒を感じたい人には強くおすすめできる。

前日のライブから、ずっと行動し続けてクタクタになったためか、この日はこの旅行最後の台北の夜をホテルでくつろぐこともなく、するりと眠りに落ちることになった。

君品酒店の8階、南側の部屋でした。

ニーハオ12月、ザイチェン台湾

二泊三日とは、実にあっけなく過ぎるものである。ライブの興奮も冷めやらぬまま、帰国の朝がやってきた。

それにしても、にじぬいは可愛い。

まだ疲れの残る身体ではあるけれど、良いベッドで目覚めたものだから体力は回復した。急ぎ、朝のシャワーを浴びてチェックアウトの準備をする。今回、預け荷物無しの航空券なのでパズルは必須である。パズルを終えると、ホテルの部屋を後にする。良いホテルだったので、名残惜しさもひとしお。

ツインルームを1人で使う贅沢。海外にはシングルルームが無い気がする。

ホテルをチェックアウトし、大きなリュックサックなどの荷物は台北駅のコインロッカーに預けていざ最終日の目的地へ。
目的地は台北随一の寺院「艋舺龍山寺」。かなり有名な、歴史的な観光地だ。

龍山寺 朝早いのに人が多く参詣している。

立ち寄ってみると、参詣者たちがお経を詠んでいる。供物台にはお供物が所狭しと捧げられている。最終日にして、一気に異国に吸い込まれる。

中華文明を強く感じる寺院建築

境内には台湾式のおみくじをする人もいる。日本人の自分には、どの儀式がどういう意味を持つのかは全くわからない。予習をすれば良かったのかもしれないが、とはいえ日本人式の方法で手を合わせて拝むことにした。周囲の信徒たちの熱心な様子に心を打たれ、帰国したら日本の神様や仏様を参拝しに行こうと強く思った。

ここ龍山寺には観世音菩薩のほか、孔子や関羽なども祀られているらしい。帰りの空路の安全を祈りつつ、境内を出て朝食を探す。龍山寺を出ると、目に入ったのは艋舺夜市(バンカ夜市)の看板。とはいえ、何もやってはいない。夜市なので当たり前である。

ザ・中華圏といった街並み。さながらブレードランナーの世界だ。

探した末に見つけたのは龍山寺から少し離れた場所にある飲食店のWang's Brothというお店。どうやらそこでは魯肉飯(ルーローハン)なども食べられるらしい。早速向かうと、同じように朝ごはんを求めた観光客たちが集うようなお店だった。

ちなみにこれは魯肉飯ではなく角煮ご飯

非常に美味しい朝ごはんを食べることができ、満足。そして、早いもので帰りの飛行機のための移動が開始する。
今回、空路は往路も復路もいずれも台北桃園国際空港(タォユェン国際空港)だ。この空港は台北市街からは離れた場所に位置しており、日本における成田国際空港のようなものである。そのため、空港までに移動も時間がかかる。

遠くから台北101も見送っている。

台北へ別れを告げ、メトロに乗って空港へ向かった。道中にはBREAKINGのライブが開催された新北市(New Taipei)も通過することになる。

今回最後の昼食は桃園国際空港内のフードコートで。

空港内の売店で店員さんと英語で会話をしても、ふとした瞬間に日本人であることがバレて日本語での会話に移行してしまう。そんな台湾は振り返ってみてもやはり楽しい国だったと思う。


海外経験を積むのは良いことだと思う

今回、樋口楓のライブが台北で開催されるということで台湾に渡航した。去年、1週間ほどマカオに出張した際から実に人生2回目の出国だった。
人生2回目の出国で改めて感じたことは、やはり海外に出るというのは良いことだということ。そして、特に若いうちに海外を経験しておくのは非常に有益なことだと強く思った。
もちろん、別にビジネストリップや移住というわけではないので「海外経験」なんて表現するのは大仰かもしれないけれど、それでも自分の言語が通じない環境に飛び込んでみることは有意義であると感じる。

帰国便はタイガーエア

全くのアウェーに身を置くことで、これからは日本でアウェーを感じている外国人に優しくできるかもしれない。もしくは、これからの人生に何か良い影響を与えるようなキッカケを経験することができるかもしれない。
そして、何より日本の良さを再認識することもできるだろうし、逆に日本の変えていかなければいけないことも見つけることができるかもしれない。

何にしても、海外に行くのは良いことだ。
改めて、貴重な経験をする機会をくれた樋口楓さん、Lantisさん、にじさんじ運営には大きく感謝をしたいと思う。謝謝。


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