新任マネジャーがスタートアップで苦闘するお話
こんにちは、10Xの赤木です。気づけば10Xの社員数は70人を超えました。自分が入社した2年前はまだ10人前後だったので、社員数は7xしています。
先日、はじめて10Xの同僚たちとフットサルをしたのですが、緩く声をかけても12名が集まるくらいの組織になったんだなーと感慨深い気持ちになりました。とても楽しかったので写真も載せちゃいます。
僕は半年ほど前からBizDevのマネジャーという役割を担っています。そして、マネジャーって難しいなーと日々思いながら、具体的に何が難しいのか、自分には何が足りていないのかをちゃんと言語化できないまま時が過ぎていました。
そんな中、最近同僚から自分のマネジャーとしてのパフォーマンスにフィードバックをもらう機会がありました。
それがきっかけで自分が今何に悩み、何ができていないのか、今後どうしていくべきかを考えることができたので、今回の学びを赤裸々に文章に残しておこうと思います。
前提
これから書く内容は、自分の置かれている状況や経験値、会社のフェーズなどに依存しているため、事前に前提を明記しておきます。
会社は創業丸5年、社員数が直近2年で10人→70人へ増えている
僕は半年ほど前からマネジャーの役割を担っている
キャリアの中でまともにマネジャーを担うのは今回がはじめての経験
自分は管掌チームが2つあり、一つは関係者20名程、もう一つは5名程度
事業は拡大期の始まりで、実績はこれから作っていくフェーズ
自分が会社で担っている役割
次に、今自分が抱えている役割を抽象化して並べておきます。「マネジャーとして具体的にどんなことをやっているのか?」をイメージしていただければと思います。
ある案件のプロジェクトオーナーとして事業成長を最大化する
Business Team(リード獲得から契約締結を担うチーム)を組成しチームとして動ける体制を構築する
Stailerの成長に必要な”新規案件獲得”の短期成果を出す
中長期でStailerが非連続に成長するための打ち手を考える
どの役割も"Stailerという事業を成長させる"ために必要なことであることは間違いありません。ただ、それぞれの性質は少しずつことなります。
例えば、3.と4.は自分が一人のプレーヤーとして前面に立ち、周りを巻き込みながらゴリゴリと進めていくタイプの役割。
一方、1.と2.はより大きな成果を出すためにチーム(人)をマネジメントすることが求められる役割です。
プレーヤーとマネジャーをいったりきたりしながら、その時必要な役割を考え、Stailerの事業成長のためには何でもする、口で言うのは簡単ですが、実際にやってみるとなかなか難しいものです。
今回同僚からもらったフィードバックは、特に1.と2.、つまりより大きな成果を出すためにチーム(人)をマネジメントするに係る部分でした。
同僚からもらったフィードバック
今年の4月から、元々自分が担当者としてプロジェクトを見ていた案件の体制を変更し、一歩引いた立場で全体を見る形に変わりました。そんな状況下において、
マネジャーがハンズオンであり続けることにより、担当者からすると動きづらいと感じることがある
マネジャーの過去の経験値に頼っていては、プロジェクトの属人性が排除できず持続可能ではない
マネジャーは適切な情報をインプットして重要な判断をする役割を担ってほしい
メンバーに対して「もっとこうしたほうが良い」と思うことがあるなら、それをストレートにフィードバックし、プロジェクトが潤滑に回るようにして欲しい
自分が前に出ることによって得られる「その瞬間の気持ちよさ」から抜け出せずにいるのではないか
5つのフィードバックは、どれもが自分の心に強く刺さりました。なんとなく惰性でやってきたことに対し、このままじゃあかんぞ!というアラートを受け取った感覚でした。
フィードバックを受けて
前述の通り、10Xでは半年ほど前から経営陣とメンバーという2階層に加え、マネジャーという階層が生まれました。そして、マネジャーにはマネジメントと実務を両方バランス良く担うことが求められています。
今回の同僚からのフィードバックを自分なりに咀嚼すると、以下のように整理できます。
Playing Managerの域を脱していない。それが故にチームメンバーに対し期待値を正確に伝えられていない
自分が心地良いところに留まっていては、いつまで経っても組織も個人も次のステージにはいけない
必要なインプットが適切に入ってくる仕組みを作れていない。また、適切なインプットをもとに重要な判断を下せる状態を作れていない
今は「任せている」のではなく、「見切れていない」の方が正しい。自分の感度が高いテーマだけ執拗に干渉するのは典型的なダメなマネジメント
「見切れていない」のは自分がプレーヤーとしても忙しいからではなく、仕組みを正しく作れていないことが問題
マネジメントとはなにか?
世の中にあるマネジメントに関する本を読み漁ったわけではなく完全な主観ですが、この半年間の経験と直近の同僚からのフィードバックを受け、大切なことは2つあると感じています。
管掌領域において必要な情報が適切に吸い上がる仕組みを作り、その情報をもとに事業・組織運営上の重要な意思決定をする、もしくは必要なイシューレイズをすること
自身とチームメンバーの役割、期待値を明確に定義し、最大のパフォーマンスを出せるようサポートする。過度な干渉でもなく、放任でもない、客観的なインプットに基づくフィードバックを行うこと
フィードバックをもらった後、社内でマネジャーとして活躍している他の同僚にも話を聞きました。「色々なイシューを抱える中で実際どうやっているの?」という問いに対し、答えほ端的かつ明快でした。
とにかくチームの動きを見える化すること
短期ではなく、中長期で持続可能なベストな方法は?と自分に問いかけること
どちらも自分がまともにできてないことじゃん!となり、恥ずかしさ半分、これからやっていくぞ、という気持ちが半分です。
今後、まず何から始めるか
今後も当面はプレーヤーとマネジャーの両方の役割を担うフェーズは続くと思います。個人的には、両方の役割を担うことはPlaying Managerをすることではなく、それぞれの役割を正確に理解し、プレイスタイルを使い分けることだと腹に落としました。
その上で、自分はマネジャーとして以下を意識していきたいと思っています。
自身の管掌領域において、チームの目標を達成するために自分は何をどの粒度でインプットして判断したいかを言語化する
必要な情報がしっかりインプットされる体制を作り、それに対し自分の考えをストレートにフィードバックする
必要な実務(手を動かす役割)は担う。マネジメント=手を動かさないではない
短期的な解決よりも、中長期で持続可能な問題解決、継続可能なチーム体制に目を向ける。短期ではもしかすると自分がやった方が良いことでも、そこに再現性がなければ価値は低いことを自問自答する
Feedback is a Gift
たまたまですが、今回の貴重なフィードバックは自分の32歳の誕生日にもらったものでした。素直に、最高の誕生日プレゼントだったと思っています。色々書きましたが、まとめとしては2つあります。
一つは、自分はまだまだ未熟で、この事業や組織に育てられているということ。未熟だからこそ、貪欲に吸収し、プレーヤーとしてもマネジャーとしても成長していかなくては、大きなことは成し遂げられないということ。
もう一つは、このようなフィードバックをくれる同僚がいる幸せ。本音をぶつけ合える信頼関係を築けている仲間が近くにいることは、何にも変え難い財産だと思います。
入社当初からずっと変わらず、自分の会社の良いところだと思っている文化、それが"強烈にコトに向きあう"という文化です。コトに向きあるからこそ、それを阻害するものには適切にフィードバックする、そんな環境が素晴らしいと思っています。
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