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Biz人材のオンボーディング日記(完)

こんにちは、最近久々に会う人たちから「なんか人相が変わった」と言われる10Xの赤木です。

コメントがポジティブなのかネガティブなのかはさておき、ここ数ヶ月は人相の変化に負けないくらい中身も変化してきている気がしていています。

10Xという会社に事業開発(BizDev)というロールで入社したのが今年の4月、入社と同時にnoteを始め「Biz人材のオンボーディング日記」というシリーズで、商社からTech系スタートアップに転職して感じる苦悩や学びを書いてきました。

3回目となる今回は、タイトルにあえて(完)の文字を入れました。最近じわじわと「仕事が楽しいなー」と感じることが多くなってきていて、入社オンボーディングは一通り終えた感(遅っ)があるので、その気持ちの裏側を少し深堀りたいと思います。

9ヶ月目の成果

先日、広島の老舗スーパー、フレスタさんのネットスーパーアプリをリリースさせてもらいました。会社にとってこのリリースは、イトーヨーカドーに次ぐ2社目のパートナーシップ締結です。

会社にとっての成果とは、我々のサービスであるStailerを地方の優良企業であるフレスタさんに導入できたこと、そしてStailerが複数の小売事業者様に使っていただけるプラットフォームであることを証明できたことです。

個人的には、入社1ヶ月で右も左もわからない中この案件を任せてもらい、商談からリリースまで一貫してやり抜いたことで多くの学びを得ました。

初めてフレスタさんに提案ピッチをした時、予定では15分で終わるべきプレゼンに40分要し、同席していた代表の矢本さんから「長い!」「早く終われ!」といった大量のメッセージがSlack上に流れていたことをピッチが終わってから気づく、なんていう恥ずかしい出来事もありました。

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そんな状態からよくここまでやらせたもらったなーと思うと同時に、成果を上げることは自分一人の努力だけではどうにもならないことを痛感しています。

今回の例で言えば、①市場環境(高まる非接触の買い物体験需要)、②プロダクト(競争力の高い自社プロダクト)、③組織(強い仲間)、④タイミング(1人目のBizDevとして入社したことで思ったより早くチャンスが回ってきた)、⑤パートナー(フレスタさんが驚くほど柔軟・スピーディ、協力的)、これら全ての要素がポジティブに働いたことが成果に繋がりました。

色々ラッキーだったと言えばそれまでですが、流れてきたチャンスをしっかり掴めたのは、この業界に来てから学んだ「全方位的な働き方をunlearn」して、「一番レバレッジの効く仕事にフォーカスする」を発揮できたからだと思っています。この辺りは、過去の記事(Biz人材のオンボーディング日記②)で詳しく書いているのでもしよければ読んでみてください。

自分にとっては、今回のプロジェクトを通じて10X入社初期に学んだ教訓を活かせたことが何よりの成果だったのではないかと感じています。

BizDevにとっての「成果」とは、事業価値を創ること、言い換えれば、事業を通じて会社に入る「粗利」を最大化することです。日々の仕事の優先順位がこれらに沿って決定されているかがとても重要だと思っています。

3ヶ月前の自分との差分

フレスタさんとのプロジェクトは商談からアプリリリースまで約6ヶ月を要しました。各フェーズでさまざまな学びがあったのですが、特に成長を感じたのは最後の3ヶ月、経済条件を合意してから実際にアプリをローンチするまでの開発期間でした。

これについては、10X代表の矢本さんもPodcastで客観的な視点から話してくれているので、もしお時間ある方は聞いていただける嬉しいです。要はリリースまでの道のりが人を成長させるんだ、ということを話してくれています。

当然僕はアプリのリリースなんて過去やったこともなく、そもそも何から手をつけて良いのかわからない状態からプロジェクトは始まりました。

とはいえ、パートナーとのフロントワークは全て自分が担当していたので、先方からのStailerに関する質問や、現行Webサイトの仕様に関する確認など、全てを受け止めて捌いていく必要がありました。この状況によって半強制的に自社プロダクトの仕組みやデータ構造、アプリをセットアップする上でおさえるべきポイントを学ぶ機会を得ました。

例えば、アプリに掲載する情報を取得する方法について。10Xではクローリングという技術を使ってWebページの情報を読み取り、独自のデータベースを構築してアプリ上で表現しています。クローリングで全ての情報を取得することは、パートナーに負担をかけず開発が進められるというメリットがある一方、Webサーバーに負荷がかかることや、情報の更新にタイムラグが生じるなどデメリットもあります。この背景を理解し、パートナーと調整しながら即時反映の必要ない商品情報は定期更新するなどの方法を構築しました。

ここで、リリース後に同僚に言われてなるほどと思った一言を紹介します。一緒にプロジェクトを担当していたソフトウェアエンジニアの久田さん@hisaichi5518と堀見さん@horimislimeから「赤木さんって技術的な話をする時に必ず『背景』とか『なぜ』を理解するまで質問してきますよね」と言われたんです。

言われるまであまり意識してなかったのですが、自分がフロントに立つ人間として間違った理解をしてはいけないという意識がそうさせたのだと思います。

具体的にどうプログラムを書くかという「How」はわかっていなくても、どういう背景でなぜその開発が必要なのかという「Why」と、それを実現するために何が必要なのかという「What」がわかれば、議論の場には立てることを学びました。

結局、ソフトウェアエンジニアの2人はパートナーとの打ち合わせに一度も参加せずアプリをリリースしました。途中、CTOの石川さんには色々助けてもらいましたが、開発の橋渡し的な役割も一定果たせたと思っています。

また、チームにPM(プロダクトマネージャー)が不在だったこともあり、アプリの細かい仕様を決める際、先方から現行Webの販売データを入手し、クエリを叩いて既存機能の利用状況を調べた上で、リリース時に盛り込むべき仕様を決定したりもしました。

PM業は代表の矢本さんの得意分野でもあるので、ついついHow(どうするか)に目がいってしまう自分の仕事っぷりにたくさんダメ出しをもらいました。ユーザーにとっての最大のユースケースは何で、なぜ・なにを解決したいのかを言語化する良い訓練になったと思います。

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仲間からの信頼

全く畑の違う業界から10Xに入社して、表向きは元気な姿を見せていても、やっぱり心の中では「自分が本当に活躍できるのか」という不安があります。10Xの同僚も、言葉には出さずとも赤木がどんな働きをするのか、会社にどんな付加価値を生むのかを見ていると思います。

リリースに際し、今回のプロジェクトのハイライトを社内ブログにインタビュー形式でまとめてもらいました。

そこでソフトウェアエンジニアの2人が自分の働きっぷりについてポジティブなフィードバックをくれたことが実はとても嬉しくて、10XのBizDevとして認めてもらえた感がありました。

また、入社1ヶ月というタイミングでこの案件を任せてもらえたことも良かったと思います。途中ヒヤヒヤする場面も何度かありましたが、オーナーシップを持って取り組む姿勢を信頼し、最後までやり切る道を用意してもらいました。

最後に

今回のリリースをきっかけにやっと10XのBizDevとしてスタートラインに立てた感じがしています。ここからグッと踏み込んでさらに自分の活躍できる領域を広げていきたいと思っています。

noteで一番最初に書いた転職ブログで「環境が人を成長させる」ということに触れたのを思い出して、本当にその通りだなと感じています。会社が成長していて、少人数で大きな価値を作る組織の中においては、本番の打席に立つ回数が圧倒的に多いです。当然空振りもするし三振もするのですが、それでも仲間を信じて打席に立たせてくれる環境があるし、いろんなサポートがあってヒットを打たせてもらっています。

今回のアプリリリースを初ヒットとしてカウントし、勝手にオンボーディング完了とします。ここからがBizDevとしての本番です。事業でも野球でも、どんなにヒットを量産してもそれが単発では得点(事業価値)には繋がりません。今後もヒットを量産しつつ、自分でもホームランを打てるようなゴリゴリのBizDev人材を目指して、今日も素振りに勤しんで参ります。


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