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こころのふしぎ探検隊 第4回「学習ってなんだろう?」

はじめに:学習ってなに?


みなさん、こんにちは!今回は「学習」について探検してみましょう。
「学習」って聞くと、学校の授業やテストを思い浮かべるかもしれません。でも、実は学習はもっと広いものなんです。たとえば、犬が「お手」を覚えたり、猫がおいしいおやつの袋の音を覚えたりするのも学習のひとつです。
どうやって「学ぶ」ということが起きるのか、心理学の視点から分かりやすく説明していきますよ!


1. 学習の基本:「馴化(じゅんか)」


まず最初は「馴化」です。これは、何度も繰り返される刺激にだんだん慣れていくことを指します。
例1: 時計の音
最初は「カチカチ」という時計の音が気になるけれど、ずっと聞いているとだんだん気にならなくなりますよね。これが馴化です。
例2: 車の音
窓の外から聞こえる車の音も、初めはうるさいと感じるけど、いつの間にか気にならなくなることがあります。これも馴化の一例です。

2. 古典的条件付け:反応を結びつける


次は「古典的条件付け」です。これは、ある刺激と別の刺激を結びつけることです。
例1: 犬とベルの実験(パブロフの犬)
ベルを鳴らした後にエサをあげると、犬は「ベル=エサ」と覚えて、ベルを聞いただけでよだれを垂らすようになります。
例2: 冷蔵庫の音
冷蔵庫を開ける音を聞くと、「何かおいしいものがあるかも!」と思ってキッチンに走るのも古典的条件付けです。

3. CSとUSの時間関係


古典的条件付けでは、条件刺激(CS)と無条件刺激(US)の時間関係がとても大切です。
例1: ベルのタイミング
ベル(CS)を鳴らしてすぐにエサ(US)をあげると、犬は早く「ベル=エサ」と覚えます。でも、ベルとエサの間に長い時間があると、覚えにくくなります。
例2: ドアのチャイム
ドアのチャイムが鳴ってすぐに友だちが入ってくると、「チャイム=友だちが来た!」と覚えやすくなります。

4. 恐怖条件付け:怖いものができる


「恐怖条件付け」とは、怖い経験が特定の刺激に結びつくことです。
例1: 雷の音
小さいときに雷が鳴ったとき怖かった経験があると、雷の音を聞くだけで怖くなってしまいます。
例2: 痛い注射
注射を打たれるときに痛かった経験があると、注射を見るだけで怖くなることがあります。

5. 味覚嫌悪学習:嫌いな味を覚える


「味覚嫌悪学習」とは、ある食べ物を食べて気分が悪くなると、その食べ物を嫌いになることです。
例1: 苦い薬
苦い薬を飲んだ後に気持ち悪くなると、その味を覚えて「もう飲みたくない」と思うようになります。
例2: 牛乳の失敗
一度、古くなった牛乳を飲んで気分が悪くなったら、それから牛乳を見るだけで飲みたくなくなることもあります。

6. 道具的条件付け:行動とごほうび


「道具的条件付け」とは、行動とその結果を結びつけることです。
例1: お手を覚える犬
犬が「お手」をしたときにごほうびをあげると、「お手=おやつがもらえる」と覚えて何度もお手をするようになります。
例2: 宿題とごほうび
宿題を終わらせたらゲームをしていいと言われると、「宿題を終わらせる=楽しい時間」と覚えるようになります。

7. 三項随伴性と強化のマトリクス


三項随伴性とは、「刺激」「行動」「結果」の3つが関係して学習が進むことです。
例1: 信号機と横断歩道
信号が青(刺激)になったら渡る(行動)、安全に渡れる(結果)。これが三項随伴性です。
強化のマトリクス
ごほうびをあげたり、嫌なことを減らしたりすることで行動を強化する仕組みです。

8. 刺激性制御:正しいタイミングでの行動


「刺激性制御」とは、特定の刺激があるときにだけ行動することです。
例1: 教室での発表
手を挙げるのは先生が「質問がある人?」と言ったときだけ。この刺激に反応して行動しています。
例2: ペットの反応
「お散歩行くよ」と言うと犬が喜んで玄関に走るのも、特定の言葉(刺激)に反応した結果です。

おわりに:学習の力で成長しよう


今回は「学習」について探検しました。私たちが日々体験していることは、すべて学びにつながっています。
次に何か新しいことを覚えたとき、「どうしてこれを覚えたのかな?」と考えてみてください。きっと、学ぶことの面白さに気づけるはずです!
次回は、受験生必見の「記憶」です!お楽しみに!


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