全国の皆さんに、今の沖縄の状況を知ってほしい
語り手:大城貴代子さん(沖縄別院責任役員)
来年はもう戦後80年を迎えます。私は終戦の時は5歳で、幼いころから戦争の怖さというのを実感していましたが、今、私たちの沖縄では、去年、一昨年ぐらいから、もうひしひしと戦前の沖縄のような状況が何かまたやってきているような感じがしています。
この6月は本当に沖縄の私たちにとっては忘れられない悲しい月です。戦争の時、梅雨の大雨の中で、県民が壕から追い出されたり、壕の中で苦しい体験をしたことを、やはりもっと沖縄から発信していかないといけない。沖縄の新聞などでは連日発信されているのですけれども、全国の皆さんの方にもそれが届いているのかなと思います。ですから、できればぜひ浄土真宗だけではなくて、全ての宗教団体が沖縄から発信をして、全国の皆さんに今の沖縄の状況を伝えてほしいと思います。
今、戦争を実際に体験した人がどんどん少なくなっています。これを語り継ごうという若い人たちの層は増えてきてはいるのですが、やはりまだまだ無関心な方も多いと思います。だから、戦争というのは急に来るわけではないということ、そして、あの戦争で軍隊は人を守らなかったということをもっともっと全国の人たちに知ってもらいたい。そして6月23日は本当にどんな日だったということを考える日にしてほしいなと思います。
だから、戦後50年と70年は大きい行事が取り組まれたようですけれども、戦後80年を迎える今こそ、沖縄の状況を知っていただきたいです。
(2024年6月24日にインタビュー)
沖縄戦を知るために、オススメのドキュメンタリー映画
沖縄戦・体験者12人、専門家8人による証言
1945年3月下旬から6月23日までの約3ヶ月間、多くの住民を巻き込んで行われた沖縄戦。戦死者の総数20万656人。そのうち民間人の犠牲者は約10万人と推定されています。これは当時の沖縄の住民の4人に1人が犠牲になったということです。このような沖縄戦の凄惨な実状を、沖縄戦体験者12人の証言と専門家8人による解説、そして米軍が撮影した記録映像を駆使して克明に描くドキュメンタリー。
本土への疎開のため多くの子供達が乗った対馬丸がアメリカの潜水艦によって撃沈され1482人が死亡。嘉数高地の戦いでは多くの日本兵、そしてアメリカ兵が戦死。陸軍司令部のあった首里城の攻防。さらには渡嘉敷島で起こった集団強制死。そして摩文仁の丘での牛島司令官の自決。だか、戦闘はそこでは終わらなかった…。
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