『まとまる!決まる!動き出す!ホワイトボード仕事術』谷益美(すばる舎)を読みました。
「グラレコが上手になりたい!」と思って、役に立ちそうな本を探してみました。「歴史があるものには、ノウハウが詰まっているはず!」ということで、1枚にまとめる先行事例が詰まっているホワイトボードの活用術の本を選ぶことに。
今回、2冊を読んでみることにしました。今日はそのうちの1冊、谷益美さんの『まとまる!決まる!動き出す! ホワイトボード仕事術』(すばる舎)から学んだことをご紹介します。
仕事に使える実践知が詰まった1冊
著書の谷益美さんは、ビジネスコーチングやファシリテーションを企業、大学、官公庁向け行われています。また、早稲田大学ビジネススクールや岡山大学でも講師をされていることもあり、仕事に使えるという視点で、ホワイトボードの活用術がまとめられています。本著で特にいいなと思ったのは、次の3点です。
①ファシリテーションを活かすホワイトボード術
ファシリテーションのプロということもあり、ホワイトボードを活かした会議の進め方が紹介されています。見た目にとどまらず、書くもの自体の質を上げるところから学べるので、ホワイトボードの価値を1段階高められます。
ファシリテーションについて知ることができれば、ホワイトボードの質をこんなふうに上げることができます。例えば、会議進行の名流れのフレームを知っていれば、ホワイトボードを1枚にまとめるレイアウトの質が上がります。また、議論を深める鉄板フレーズを知っていれば、書くべき意見の質を上げることができます。発言が少ない場合に発言を促すコツを知っていれば、一部のメンバーの偏った意見ではなく、参加者みんなの多様な意見からアイデアを生み出すこともできます。
このように書く内容の質が上がれば、結果としてホワイトボードの価値も上げることができます。ホワイトボードやグラレコが上手になりたいという方は、身につけておくべき知識だと改めて感じています。ファシリテーションの概要を丁寧に説明されているので入門書としても、これから学ぶ人にもおすすめしたいです。
②すぐに使えるホワイトボードレイアウトが学べる
もちろんホワイトボードの書き方についても触れられています。学んですぐ使える方法として「Tチャート」や「Iチャート」といったホワイトボードレイアウトが紹介されています。大学で社会人向けに教えられていたり、企業で教えられていることもあり、みんながすぐに使えるレイアウトとしてわかりやすさ、実践しやすさが配慮された方法になっています。
この他にもレイアウトが紹介されています。コーチングで使われているgrowモデルをホワイトボードのレイアウトに落とし込むアイデアです。この方法を知って、各種フレームワークをホワイトボードに使えることに気付かされました。多くのフレームワークのビジュアルが載っている、堀公俊さんの「ビジュアル ビジネス・フレームワーク[第2版]」などを参考に、各種フレームワークをホワイトボードのレイアウト転用するのもできそうです。
③まとめのケーススタディが理解度をアップ!
最終章に各章で学んだことがおさらいできるケーススタディがついているのも本著の特徴です。なんとなくわかったつもりを防いでくれます。学んだことをきちんと使える水準で理解しているはとても大切です。
最後に振り返りで読むのも大事ですが、それに加えて最初にこの章を読むのもおすすめです。「自分ではこうする!」という意見を持ってみることで、確認をしながら読み進めることができます。そして、最後にもう一度ケースを読むことでおさらいができるという読み方です。
以上のように、実践的に使えて、会議の質を上げることができるホワイトボード術を学べる1冊でした。ファシリテーション力をつけて、その場にホワイトボードを活かすという視点でまとめられた著書になります。
ビジネスで使う視点でまとめられているので、見ていて楽しいとかつい見たくなるという点は本著の得意なところではありません。この本に加えて、図解やイラストの入れ方などの本などを併せて読まれることをおすすめします。
ここで挙げた3点以外にも、ホワイトボードを活用する道具の選び方など、「これは使えるというノウハウ」が散見されました。ホワイトボードの価値を1段階高められ本『まとまる!決まる!動き出す! ホワイトボード仕事術』(すばる舎)が気になった方は、ぜひ手にとってみてください。
というわけで、今日はこのあたりで。