細川流盆石
「なぜ伝統工芸の発信をするの?」
その問いに私は、「子どもが小学一年生となり自分時間が出来た時、伝統工芸についてSNSで発信するボランティア(つたえ手)を募集していることを知り、応募しました。」 と答えてました。
でもある方から「きっかけはそうだったとしても伝統工芸である理由は?ライフワークとして選ぶのは、何か他にも理由があるのではないかな?」と聞かれました。
ずっと考えていた。その理由を。
工芸=好きなもの→なぜ好きなのか?
綺麗だから→世の中には綺麗なものが沢山ある。なぜ伝統工芸なのか?
幼い頃、祖父母の家でよく見たモノだから→他にも理由があるか?
ずっと考えていた。
明後日は亡くなった母の誕生日。私にとって、母の死は人生の中で一番辛かった出来事。何の恩返しも出来ないまま、先に逝かせてしまったこと。
今でも後悔の念がある。
私が幼い頃、母は細川流盆石の先生をしていた。綺麗な着物を着て、展覧会でデモンストレーションする様子も何度となく見た。黒いお盆に白い砂で景が描かれていく。白い砂や石が入っている小さな引き出し。描く時に使う白鳥の羽。漆塗りのお盆。どれもとびっきり美しいお道具たちだった。
お盆に置かれた石や小さな置物を見るのも大好きだった。
分かった。
私が伝統工芸を好きな原点はここ。
時を経て今、伝統工芸を発信する理由。
それは、在りし日の母との楽しい思い出につながるからかもしれない。
盆石とは?? こちらの映像をどうぞ。
細川流盆石様YouTubeより
細川流盆石様のホームページです✨✨
最後に。
トップ画像に使ったのは母の作品です。
遺言により、お道具一式はお家元へすべてお返しさせていただきました。白鳥の羽が使えなくなったりと今では作れないものもあり、お道具はとても貴重であると伺いました。
お母さん、お道具は今も受け継がれて使われていますよ☺︎☺︎☺︎
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