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脅威の生命力 クズまみれ

生命力・繁殖力の強い「クズ」

蔦に似ている植物はいくつかあります。テイカカヅラやオオイタビなど…。そして中でも「クズ」は生命力、繁殖力ともに強力な植物です。

『持ち歩き!野草・雑草の事典532種』(☆1)によると、「クズ」はマメ科の植物で、葉は3枚で構成され、夏になると花を咲かせます。さらに食品や薬としても利用されています。
そして何より、強い生命力を持つのがクズの特徴です。茎は20mまで伸びるそうです。クズは、この強い生命力のおかげで簡単に栽培できるなどのメリットもありますが、その反対に必要以上に育ち過ぎてしまうデメリットもあります。

『邪悪な植物 リンカーンの母殺し!植物のさまざまな蛮行』(☆2)によると、アメリカでは、土壌流出防止などを目的に日本から輸入され、盛んに育てられました。しかし、脅威的な生命力により、他の植物や人間の生活に被害を与えるほど繁殖してしまったのです。

クズまみれ建築もいっぱいある

蔦まみれ建築を探していると、 時々「クズ」で覆われたものも見つけることができます。いくつかご紹介します。

家の骨組みに絡まっています。建設中止になったのでしょうか?

あたり一体クズまみれ!凄まじい生命力が感じられます。バリケードのオレンジとクズの緑が合います。

葉が大きいのと丸っぽいのでおそらくクズまみれ建築。オバケのように「うらめしや~」ってやってるのが可愛いですね!

クズも蔦と同じように、建物などに巻き付けば、迫力のある見た目を作り出します。ちなみにクズは冬でも緑色なので、冬なのに緑の葉がついた蔦まみれ建築は、クズまみれ建築の可能性大です。蔦と一緒に「クズまみれ建築」も探してみると、面白い発見がありそうです。

【参考文献】
 ☆1…金田初代・金田洋一郎『持ち歩き!野草・雑草の事典532種』西東社、2020年
 ☆2…エイミー・スチュワート『邪悪な植物 リンカーンの母殺し!植物のさまざまな蛮行』朝日出版社、2012年