この目に見えない呪いを祓いたまえ
12月2日、札幌劇場祭授賞式が行われました。
その時の動画がこちら。
コラボレーション企画 弦巻楽団×北海道大学CoSTEP『インヴィジブル・タッチ』は札幌劇場祭TGR2020において優秀賞を受賞しました。
審査員の皆様、この状況の中劇場の扉を開けてくれたサンピアザ劇場の皆様、そして様々なお願いに協力し客席で観劇してくれた皆様、ありがとうございました。
そして作品を共に創作してくれた岩杉夏、袖山このみ、温水元の出演者3名と、僕以上に稽古場に通い、脚本のアイディアを提供し、『インヴィジブル・タッチ』を産み育てた北海道大学CoSTEPの種村さんに、深く深く感謝します。
ありがとうございました。
受賞後、種村さんからコメントをいただきました。
コラボレーション企画 弦巻楽団×北海道大学CoSTEP インヴィジブル・タッチが、TGR札幌劇場祭優秀賞を受賞しました。企画原案としてかかわった者として、大変嬉しく感じています。
北海道大学CoSTEPは、科学技術の専門家と市民の橋渡しを行う人、科学技術コミュニケーターを育てる研究組織です。原案に携わった私は、科学が社会の中で使われることで生じる問題を、演劇を使って表現し、人びとが共に考える場をつくることを研究しています。
今回の作品では、新型コロナウイルス感染症対策として導入された接触確認アプリ(COCOA)を取り上げています。しかし、この戯曲において目指したことは、アプリそれ自体を表現するよりもむしろ、コロナの状況下の「私たちの思いや葛藤」を描くことでした。なぜならば、技術は使う人がいることで初めて社会の中に立ち現れるからです。そしてこの試みは図らずも、コロナに翻弄されている私たち自身の気持ちや考えを代弁するものになりました。舞台で表現されている滑稽なドタバタや感情の発露は、日常の現実と地続きです。観客の皆さんは、目の前で演じられている役者の振る舞いが、自分のことのように思えるかもしれません。そう、だから、舞台にいるのは「コロナに振り回されているあなた自身」なのです。このような、コロナを真正面からテーマに据えた、チャレンジングな演劇を、2020年11月の札幌で上演し、その演劇内容が優秀賞として認められたことは、本当に感無量です。
コラボレーション企画 弦巻楽団×北海道大学CoSTEP インヴィジブル・タッチの上演には、多くの人が関わっています。昨年度のコラボレーション企画「私たちが機械だった頃」に引き続き脚本・演出を快く引き受けてくださった弦巻楽団主宰の弦巻啓太さん、そして、出演してくださった、岩杉夏さん(ディリバレー・ダイバーズ)、袖山このみさん(劇団words of hearts)、温水元さん(満天飯店)に深く感謝しています。
そして、このような状況の中で上演に尽力してくださった劇場関係者とスタッフの方々、そして劇場まで足を運んでくださった観客の皆様のおかげで、この作品は「原案」から「演劇」になりました。本当にありがとうございました。
種村剛(北海道大学CoSTEP)
『インヴィジブル・タッチ』は現在YouTubeでサイエンスアゴラ2020に参加した配信上演版が公開されております。無料でご覧になれますのでお時間ある時にぜひどうぞ。
24日には『インヴィジブル・タッチ』の観客の皆さん交えてzoomによるアフタートークが行われました。とても有意義な時間でした。色んな感想や、そうだよなと言う指摘がありました。スッキリした、と言う感想があって、それが嬉しい…とはまた違って、果たせたんだな、と感じた。ようやく人心地つけた。
参加者の方が日本のテレビ(ニュース?)が見れなくなった、と仰っていた。すごくよく分かります。
信頼に足る/足らないじゃなく、もっと最初の前提として、異論を寄せ付けない強張り。悲観的な言葉や、不安を抱くこと自体を許さないとでも言うような。GO TO で感染拡大の例はない。とかね。
過ぎたわけじゃない。解決もしてない。ましてや勝ってなど微塵もいない。なのにそこには目を向けないでいきましょう、とでも言うような圧力。
劇に出てきた鳩羽さんのようになる人は少ないかもしれない。でも不安からああなってしまってもおかしくないと自分は思う。おかしくない。悪くもない。だって状況が正確に掴めてないのだから。情報が正確に報道・共有されてるとはとても思えないのだから。
「正しく怖がる」?実態がいまだに掴めていないのに?
怒っても良い。泣いても良い。不安を喚いても良い。
お互い様と許し合っていける(ように努力しよう)。お互いの弱さを認め合おう。
対話を諦めないように。そうしたことが許されない、してはいけないと思い込まされている呪いを『インヴィジブル・タッチ』が祓うことが出来たなら、これ以上嬉しい事はない。
『インヴィジブル・タッチ』は令和3年度の北海道文化財団さんが行う「アートシアター鑑賞事業」に提案させてもらっています。
アートシアター鑑賞事業とは:道内外で活動するアーティストによる音楽、演劇、舞踊等の北海道文化財団が推薦する公演企画の中から各市町村等が希望する公演を、文化財団が共催する事業です。
企画提案時は「わたしを離さないで(仮)」というタイトルでしたが、こちらが『インヴィジブル・タッチ』のことです。道内市町村、各団体の皆様、ぜひご検討下さい。ただいま企画ご相談受付中です。どこにでも参ります。
※その後、『インヴィジブル・タッチ』、並びに演技講座発表公演『桜の園』は2週間の経過観察を経て、キャスト・スタッフ参加者一同に新型コロナウィルスの感染等は認められなかったことを報告いたします。ありがとうございました。
実は振り返ってみると、弦巻楽団が過去に札幌劇場祭TGRで賞を受賞した作品は…
06年『死にたいヤツら』 大賞
08年『子供のように話したい』 舞台美術賞
10年『音楽になってくれないか』 脚本賞
14年『ナイトスイミング』 ホームラン賞
20年『インヴィジブル・タッチ』 優秀賞
ここから導かれる恐ろしい事実……
08年『子供のように話したい』を除く、全ての作品で……
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> 出演 温水元(満天飯店) <
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> 天使?! <
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