『誰がために花は咲く』第十六話(第三章 地を這う星よ~グルーの物語~)
「なんだと!」
グルーは立場も忘れて激怒した。思わず体が動かない事を忘れ、隻眼を燃やし、カロに躍りかかる。だが拳は力無くカロの前で止り、その身に届きすらしない。
グルーは自分のふがいなさに歯ぎしりし、カロとセヲォンを膿んだ右目で睨み付けるのみであった。
「気持ちは分かるが、そう怒るでない。やむにやまれぬ事情があったのだ。それにカロの亡くなった妻、メリアはお前と同じ病の者であった」
「なぜ、病の者が、自ら必要な薬草を絶やした!?」
「それは、おいおいカロから聞くが良い。