法改正 共同親権についてパブリックコメントを書こう
▼概要
行政の意見募集としてパブリックコメントという制度がある。個別のケースを拾い上げて様々な形に対応できるような議論になるように働きかけることができる。
意義共同親権:こどもを養育するための親として
パブリックコメント
【意義】
国の行政機関は、政策を実施していくうえで、さまざまな政令や省令などを定めます。これら政令や省令等を決めようとする際に、あらかじめその案を公表し、広く国民から意見、情報を募集する手続が、パブリック・コメント制度(意見公募手続)です。またパブリックコメントは、テーマの募集があれば、地方自治体においても実施されています。都道府県単位、市町村単位でも意見を出すことができます。
【意見募集の留意点】
1.具体的かつ箇条書きに近いシンプルな文章で書くこと。
2.法務省など法制審議会など国の見解と異なるときは、ポイントを絞って主張すること。異論部分と理由を書くこと。
3.現行案で改善点があるときは、一つずつ丁寧に理由を明記すること。
4.意見募集は数ではない。物事の見方を集めるためのものである。他人のコピペは厳禁。必ず自分の言葉で書くこと。
5.『にゆだねる〜の裁量にゆだねる、〜は決めても決めなくても良い、』など少しでも曖昧で分かりにくい文面などには、出来れば明確化したい方向性を書く。
6. 5.に関連して、子の利益(子の福祉)の確保になるように具体的にどのような見方をすればよいのかという視点を示す。体験にもとづく事実から解決すべきポイントを書く。
7.他の方にも意見例を見てもらう。分かりやすいかどうか。
8.一つのパブリックコメントにつき、伝えたい意見は何かということが分かるように全体像を纏める。
9. 婚姻費用や養育費に関する一律の算定表に対する意見、養育費の金額設定に対するコメント等あれば、追加する。(例:養育費控除対象、住宅や車のローン考慮、面会費用分の勘案、実際の生活費として使われた費用、将来の学費、弁護士報酬金制度)
【意見の例①(それぞれの提出機関によって体裁が異なります。それぞれご自身の観点でお答えください)】
1.意見対象
案件番号300080284:家族法制の見直しに関する中間試案
2.意見の概要
親子関係が維持されるだけではなく、保護者として保育施設や学校行事などに関わることができるようにするため、原則共同親権を導入すべきである。単独親権は例外的でよい。
3.意見及び理由
●現状では、有責配偶者(不貞行為やDVなどが発覚した親)が単独親権を失ってしまうを防ぐために、子どもを別の場所へ連れ去ってしまうということがある。
●連れ去った親の監護状況に深刻な問題がなければ、刑法・民法ともに殆ど対応されることがなく一方的に別居親の親権・監護権がほぼ失われている。
●別居親は、保育園や学校などて保護者という扱いを受けることがなくなる。結果として親子断絶につながっている。このままでは片親疎外(子どもは親から愛されていると感じられない状態)となる。
●上記の事態を防ぐため、共同親権の選択制ではなく原則共同親権を望む。単独監護の実態を先に作ったほうが、監護の維持を認めるというものではなく、両親の養育の継続性が大前提である。そのような主旨を法案に明記して欲しい。
【意見の例②(それぞれの提出機関によって体裁が異なります。それぞれご自身の観点でお答えください)】
1.意見対象
案件番号300080284:家族法制の見直しに関する中間試案
2.意見の概要
子どもの成長を支えることができるように、原則共同親権を導入すべきである。先に連れ去って単独親権とすることは相応しくない。
3.意見及び理由
●現代においては、夫婦間の状況によって別居しなければならないケースがあるが、離婚を選択すると、どちらか一方にしか子育てができないという法律上の制約がある。
●片親のみの意思によって最終的な親権にもとづく判断を決めてしまうことから、複数の観点から物事を考える力が培われにくいと考えることもできる。
●双方の親が、ごく普通の家庭と変わりなく子どもを養育するために「健康状態を把握し世話をする(監護権)」、「しつけ(懲戒権)」、未成年者の同意書「(身分行為の代理権)」ができるように望んでいる。
●よって、共同親権の選択制ではなく実質的な監護ができるという原則共同親権を案に盛り込むようにしてほしい。
【意見の例③(それぞれの提出機関によって体裁が異なります。それぞれご自身の観点でお答えください)】
1.意見対象
案件番号300080284:家族法制の見直しに関する中間試案
2.意見の概要
親子関係は修復の機会があるほうが福祉の確保になるため、状況に応じた親権制度を導入すべきである。
3.意見及び理由
●育児放棄(育児無関心)や虐待といった形があれば、家庭環境を維持することが難しいことがある。
●しかし、離婚すると子供に関する世話を全て単独で決めなければならない。
●親子関係の状態によっては物事を1か0で決めるのではなく、婚姻時から離婚前までの状況を按分し、割合を定めていくことが一案として考えられる。また時間経過とともに見直すことができると柔軟な取り決めができる。
●以上、そのときの状況に応じた親権制度を導入し、一つの杓子定規とせず臨機応変に詳細を決められるものとする。そのときに生活の実態に合わせて養育費を決める。現行の継続性ではなく、実際の共同監護ができるように養育ができるプログラムを求める。子どもの不適切と認められるケースがある場合には、そのプロセスを修復する前提であることが子の利益である。これを法案に加味してほしい。
【意見の例④(それぞれの提出機関によって体裁が異なります。それぞれご自身の観点でお答えください)】
1.意見対象
案件番号300080284:家族法制の見直しに関する中間試案
2.意見の概要
中間法制審議会の案では、解決しないことが多数あるため、婚姻中と変わらない親子関係になる権利を義務化してほしい。
3.意見及び理由
●戸籍の名前に反して、同居親が通称名、勝手に戸籍名を変えることがある。
●しかし、離婚すると子供が良く分からないまま、あるいは子どもの意思が示せないまま名前が帰られてしまう。子どもの権利条約としては、生まれ持った名前を名乗ることができるし、父母の同意がないときには、そのままの名前でいることの継続性を記載するべきである。
●中間試案では、共同親権として効力が、他の学校教育法、教育基本法、子どもの基本法、児童福祉法におけるなどの保護者としての範囲をカバーしているとは明記されていないため、運用上の保障しているものではない。学校行事への参加を明確にできるようにしてほしい。また医療情報の紹介ができるように親権者としての意味合いを強く明確にしてほしい。そうでなければ、曖昧な基準により地方公共団体が混乱したガイドラインとなってしまい、子に対する法定代理人としての効力が無くなる。
●現段階における家庭裁判所の判断では、一方的な判断しかなされないことが多く、推測の域によって否定的な養育状況になっている。したがって事実をもとにした判断ではない限り、司法判断は元の従前の環境を維持するべき、共同養育となるような権利を保障するべきであるし、面会交流ではなく親子交流としての当たり前の時間を過ごすことがなされるべきである。
●以上、民法766条によって父母の意見が整わないときは、家庭裁判所が決めるというものではなく、決めらないときには、父母が話し合う環境を構築するという法案になるべきである。適切に話し合う意思がないとすれば、親権者として養育意思がないとし、共同養育に向かうように注意喚起をさせるような仕組みを築いてほしい。むしろ最低の養育時間を定めるなど、全く監護しないという状況がないように法案を策定すべきである。
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【あとがき】
パブリックコメントの集約した意見がある程度の網羅しているか、少し確認する必要があります。もし今後、間接政治において民意が正しく伝わらなかったとすると、下図のような見方になっているということで国際的な見解が示されてしまうことを懸念しています。多くの人が願う共同養育のための原則共同親権になっています。一部の人の虚偽DVのため保護ということで、幸せな関係になれない多数の事例が起きないように良い社会になってほしい思います。また本当の育児放棄や虐待も保護されて欲しいです。
ちなみに広島県のパブリックコメントでは、意見の数ではなく、意見の種類として纏めたものがあります。参考リンクを以下に示します。
【当初の法制審議会の対応で思うこと】
現時点における家庭裁判所(民法訴訟法)の判断では、子の福祉を確保するための事由として公平な手続きが見当たらない。監護者指定の基準としては①子の従前の監護状況、②子の現在の監護状況、③父母の監護能力・監護体制(経済力、将来の監護計画、監護補助体制、面会交流の許容性)、④子の事情が総合的に判断されるべきであるが、実情としては先に別居した側の監護実績を殆ど重視しておらず、かえってその現状を悪用してしまうケースが相次いでいる。一方で現行における刑法訴訟法は、相談、捜査、対応が不明確であり、証拠を立証するための捜査がなされなければ事実を解明することが難しいことが多い。いずれの手続きにせよ、自力救済は直ちに困難であるのではないかと思われ、大切な親子の時間が日々刻々と失われているのではないかということを危惧する。
憲法98条2項では、「日本国が締結した条約及び確立された国際法規はこれを誠実に遵守する」とされているが、子どもの権利条約にて第9条1項「締結国は、児童その父母の意思に反してその父母から分離されないことを確保する」、同条約第9条3項「締約国は、児童の最善の利益に反する場合を除くほか、父母の一方又は双方から分離されている児童が定期的に父母のいずれとも人的な関係及び直接の接触を維持する権利を尊重する」とされている。子どもの最善の利益は、憲法および国際的なハーグ条約や子どもの権利条約等に照らし合わせても合理性な保障されているとは言い難い。例えば有責配偶者(DV、不倫、虐待)などを行った親が、司法判断上の離婚訴訟により親権が無くなることを恐れて、先に子どもを連れ去ることがある。また夫婦間における性格の不一致を理由として、虚偽DVとしながら親権を確保しようとすることもある。先に子を連れ去った状態では、父母から等しく愛情を受ける権利は守られないことが殆どである。そうなれば子どもの自己肯定感が下がり、環境の変化に厳しくなるといった片親疎外感が生まれ、周りと比べて不幸ではないかという自責の念に駆られることも容易に想像できる。これは子どもにとっての心理的な不安を与えることにも繋がりかねない。
法務省の法制審議会でもようやく議論がなされているが、当初は原則共同親権という道筋すら取り上げられて来なかった。本来であれば親の責務として共同養育がなされることは根幹的な位置付けである。しかし面会交流(親子交流)については同居親のみが一方的に条件を決める実態が続いている。令和4年11月28日の自由面会交流権訴訟の判決によれば、子や祖父母が希望しても、自由に交流できないことが明確となった。子どもにとって人格や愛着形成に必要不可欠である親子交流自体でさえも、人権として保障することは法的に定義されていないと換言するほか見当たらない。諸外国と比較しても、単独親権状態を実力行使で家族を分断させ、子どもの片親疎外や別居親の親族を含めて精神的苦痛が長きにわたって続くことが多い。虚偽によるDV支援措置があるとすれば、その背景として事実関係の調査がなされない申告制度になるため、信憑性に欠く部分があり、一方的な監護権の侵害になることも想定できる。
日本は、EUや国連(自由権規約委員会)から連れ去りや児童相談所による誤認保護などの批難を受けている。先進国の中では幸福感も低く、婚姻率や出生率の低下、離婚率の上昇などに歯止めがかからないほど家庭が不安定であるように思える。国内では、離別による別居親の自殺率が高いことや、別居後においては同居親や交際相手からの子の虐待が目立っている。経済成長に結びついていないことはGDPの推移をみても明らかであり、一因としてこれらの家族法の不利益な影響もあるのではないかと想定できるため、法制度や運用方針における改善が求められる。ただ慎重な検討するだけでは解決力に乏しいため、速やかに子の居場所を元に戻す修復ができるような対応や自由な親子交流がなされることを強く懇願する。さらには、これまで不本意に親権を失うことになった親子関係の回復のためにも、子の保護者としての関わりを単に親権という枠だけに制限することなく、むしろ改善点があれば良好な関係に修復されるような仕組みになることに目を向け、積極的に子の養育がなされるように、福祉的な社会制度の構築を願う。
【法制審議会のパブコメのポイント】
論点が困難すぎるので、専門家である片山ひでのり様が解説している動画が、非常に分かりやすい。
●家裁判断で養育ができないことをパブコメに(片山ひでのり様)
●中間試案の中で拡充にむけて主張すべき箇所(片山ひでのり先生)
↑引用元
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