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時間を買う

このドアは結構古い。
どこか西洋のアンティーク。
所々はげていて、グレーの下に茶色がのぞいている。

海外のアンティークものの家具は、
何回も塗り替えられているのがあったりする。
その不透明さと、こっくりした感じがなんとも言えない味を出していて結構好き。
塗料が剥がれた箇所なんか、多色の層になっていたりして、以前の姿を想像したりしながら
大事に永く使われてきたんだろうと、改めて愛着が湧いたり。

自宅はそんなアンティーク、ヴィンテージものが
建具から家具から小物からたくさんあるのですが、
そういった古いものの
本来、経年劣化と言われてしまう剥げや歪みやくすみなどに対して
汚い。と取るか、
味がある。と取るか、
人によって結構違いますよね。

私は
時間を経て存在しているものって、
見ていて安心感があって好きです。
身の回りには、いつのまにかコンビニエントなものや
便利なガジェットが増えすぎて、
時間をかける。という概念が薄れてってる気がします。

懐古主義者では全くないし、
時間をかければ良いわけじゃないし、しなくて良い苦労は絶対したくない派です。
uberさんを使うとか、時間がかかるからタクシーに乗るとか、
本来そこに充てていたはずの自分の時間を
お金で買っているような場面が多々…


時間は有限で本当はめちゃくちゃ貴重なのを分かっているので、
便利になった現代に失われていった
“時間を経る”という贅沢を感じながら、
多少の不便さも愛嬌として、こういった先達たちを
身近に置いておきたいのかもしれません。

自室のドアと向き合う


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