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天気に振り回された2024年
2024年も残りわずかとなりました。
ここ数年、毎年夏は山で働いていましたが、結婚を機に今年は久しぶりに下界から山を眺めました。
「今年は天気に振り回された」
山の仕事は自然と関わる仕事ゆえに天気に大きく左右されるのですが、今年は特に顕著だったように思います。
難しい天気予報
今年の天気でパッと思い出すものですと
日本を迷走した台風10号(サンサン)
これに関しては山小屋はもちろんのこと、
私も松本市のホテルに勤めているので影響を受けました。
台風が来れば観光客はもちろん、
ビジネス客も鉄道が運休になるのでキャンセルがでます。
それは仕方がないことですが、
サンサンに限っては当初の上陸予定日になっても来ない😅
もちろん台風予報が出てるのでお客様がいない😅
なのに天気が良い😅
そして予報が遅れるごとに翌日、翌々日とキャンセルが出る。
このいわゆる台風来る来る詐欺によって、
8月の一番の繁忙期にお客様が減ってしまって大きな損失になったと思われます。
ビジネスホテルですら影響大ですから、
山小屋であれば尚更です。
今年も山小屋で働いていたパートナーによると、
この台風の影響で長いことお客様0人が続いたとか。
周りに何も無い環境で1週間くらいお客様が来ないため、
「この世界に私たちしかいないような気持ちになった」なんて言っていました笑
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そんなパートナーが働く小屋は北アルプスの中でも奥地、辿り着くには途中で1泊するのが一般的な場所。
日帰りできる山であれば前日や当日の天気予報で判断したり、日程をずらすなどできますが、
往復で3〜4日とかかる場所では
奥に入り込んだ時に台風が来てしまうと
身動きが取れなくなってしまいます。
そのため入山前に先々の天気を予測して、
決行か、中止か、決める必要があります。
そうなると台風接近がわかってて、
奥の山小屋に行く人は僅か。
また3〜4日でスケジュールを組んでいると、予備日を追加で設けるのは難しく
一般的な社会人では日程変更が難しく中止せざるを得ません。
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天気に恵まれないと少し大変です。
台風1回だけでも影響は大きいですが、サンサンのように迷走されると
より一層登山者が遠のいてしまいます。
また台風に限らず今年は天気予報が外れることが多々あったそう。
特に雨予報が出ていても山は晴れていることが多かったとのこと。
「天気予報会社に損害賠償請求したくなる」
なんてSNSで呟いている小屋番さんも。
それだけ最近の天候予測が難しくなっているということでしょう。
先のサンサンも「こんなに予測できない台風は初めて」と気象予報士のコメントも見かけました。
被害を受ける登山道
今年はまた荒天でお客様が来ない、という影響だけでなく、物理的に登山道が寸断されるなどして、
登山者が山に来られなくなってしまうということも多々ありました。
例えば春先には大雨で槍ヶ岳に行く途中の道が流出したり、
上高地に関しても遊歩道の大部分が浸水して、
しばらくの間通行止めになる被害がありました。
パートナーが働く小屋に行く途中の
橋も大雨で2回は流されており、登山者が数人、水が引くまで身動き取れなくなることもありました。
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南アルプス南部の登山口、
椹島ロッジに至る道路も土砂崩れが起こり、
登山者が一時的に孤立してしまいました。
北アルプス・白馬岳への主要ルートである
白馬大雪渓は元々雪が少なかった故に、
7月の上旬の時点で雪解けによる崩落やクレバスなどで通行止め。
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この時は難なく歩けました
白馬鑓(はくばやり)温泉小屋も登山口から小屋に至る道中の橋が数本流され、
当初の予定よりも早く営業終了。
富山からの黒部渓谷鉄道は正月の地震の影響で運行できず、終点の欅平駅をを起点とする登山道、「下の廊下」も通行できず。またその途中の阿曽原温泉小屋も営業を断念(秋に少し営業したようですが)
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ありませんでした
北アルプス・常念岳への主要ルート、一ノ沢登山口への道路も一部崩落で通行止め。
駐車場まで行くことができず自家用車によるアクセスできなくなりました。
山岳地帯であるゆえに毎年どこかしらで崩落や橋が流されるといった話は聞きますが、
数年前と比べてもその数が格段に増えているような気がします。
色々あってもそれが自然
人々の生活が影響した気候変動のせいか、
それともお天気の気まぐれか。
原因は突き詰めれば奥が深そうですが、
そもそも自然の中で想定外のことが起きるのは当然のことです。
そしてそれに対して考えて対処をし続けてきたのが山の人たちです。
山小屋に関して、先人たちの話を見てみれば、
台風で小屋が2回も飛ばされたり、
雪崩で小屋が流されたり、
ヘリコプターが小屋に落ちたり、
コロナで従来の詰め込み型の営業を全否定されたり、
クマが小屋でカレーを食べていたりと
ここから再建したの⁉︎どうやって解決したの?
と思ってしまうようなことばかり。
それを考えれば、異常気象だろうと何か対処する方法も見つけられるのではないか、
とも思います。
来年も天気を含め色々な変化がある中で、
また多くの人が山に親しむ機会を得ることができればと願います。
また私自身も自然と関わりつつ、
山の天気の如く予想のできない毎日を、
その場その場で考えながら楽しみたいと思います。