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海外予約サイトにご用心

今回は少し毛色の違うお話を。
プロフィールにも記載していますが、
私は現在ビジネスホテルで働いています。

そんなビジネスホテルの現場でずっと気になっていることを今回まとめてみました。

それはホテルに宿泊する際に使用される
海外予約サイトについてです。
(今回言及するのは日本国内の事例です)

ここで言う海外の予約サイトとはagodaやBooking.comといったサイトのことです。


ビジネスホテルの予約方法は複数ありますが、

・ホテルの公式HPや直接電話で予約する方法、

JTBや日本旅行など旅行会社を利用する方法、

じゃらんや楽天トラベルなど、
国内でオンラインを中心に展開している会社から予約する方法、

AgodaやBooking.comなど、海外で作られた予約サイトから予約する方法

などがあります。

ここ2年ほどビジネスホテルに関わってきましたが、ここ最近特に海外予約サイトを経由してくる予約が増えていると感じます。


CMが放映されたり、ホテルの検索をかけたら上部に表示されたり、目につく機会が増えたからでしょうか。

またはその安さでしょうか。仕組みを詳しく理解しているわけではないですが、国内のサイトに比べて安く販売されていることが多いです。


お客様としたら安く泊まりたいでしょうから、
海外サイトを使用することでしょう。

ただホテル側から見ていると
デメリットもかなり多いと感じます。


私の感覚として、
予約に関するトラブルの9割がこの海外予約サイトを経由しているものです。

逆に日本の旅行会社やじゃらんや楽天トラベルの予約では、予約に関してのトラブルはほとんどありません。

このまま海外予約サイトが広まることに対して
危機感を覚えたため今回こちらのnoteに書くことにしました。

海外サイトの予約経路は複雑

海外サイトの予約は一般的な日本の予約サイト「楽天トラベル」「じゃらん」などと比べて予約が複雑です。

日本の予約サイトが、日本人が日本人に対して
作っているのに対して、
海外の予約サイトは外国の方が、
外国の方向けに作ったサイトを日本語に翻訳しているようなものです。

そのため日本語が不自然であったり、表現の仕方が日本人にとっては見慣れないものとなっています。

中にはとてもわかりづらい言い回しを使っていることもあります。

そして日本の予約サイトと海外の予約サイトで
大きく異なるのが予約の流れです。


通常みなさんが予約サイトにてホテルを予約する際の流れとしては以下の流れだと思います。

一般的には上記の通り。

ただし海外サイトだと例外があります。

それは海外サイトで予約したと思っても、
その海外サイトが、別の予約サイトを通じてホテルを予約している場合があるということ。

上記のようにお客様はagodaから申し込んだものの、ホテルには楽天トラベルから予約が入ってくるといった感じです。
ちなみにその場合、ホテルにはお客様がagodaから予約した、という情報は入ってきません。

そうすると何が起きるか、というと

・お客様が受け取っている予約番号が異なってホテルで予約確認ができない、
お客様に予約確認メールが届かない、など。

・ホテルが国内サイトにのみ販売した訳ありプランを、勝手に海外サイトが訳ありの説明が欠如した状態で販売してしまう。

・お客様が予約した情報がホテル側に反映されるのに時間がかかる(これまでだと3日かかったケースがありました)


などあります。

中には以下のようなトラブルも発生しています。


予約したはずなのに…?


先日お客様が海外サイトから予約したものの、
ホテルにはその予約情報が入ってきていない、ということがありました。


お客様のスマホの画面には予約した内容も表示されており、予約番号もありました。
支払いも済んでいます。

でもホテルの端末で予約番号を打っても出てきません。


一つ気になったのは、私たちのホテルでは販売したことのないような異常に高い金額で決済されていました。
これは一体どういうことなんだ?
とフロントではちんぷんかんぷん。

そこでお客様が予約したサイトに電話で問い合わせをしたところ、
その予約サイトが、さらに聞いたことが無い海外サイトに手配をかけており、
その予約情報がそこで途絶えてしまっていました。

聞いたことの無いサイトに予約をかけていました


お客様の予約を引き受けたサイトが責任をとって確認してくれれば良いのですが、
違うサイトに予約手配済んでるから知らないよ、と言わんばかりの対応をしてきました。

結局ホテル側で新しく予約を取り直すことになりました。

日本のエージェントでは、
私の知る限りこんなことは起きません。

予約と内容と違うんだけど…

またこういった事例もあります。

お客様はベッド2つのツインルームで予約していましたが、
ホテルにはベッド1つのダブルルームで予約が入ってきました。

確認したところ、やはりお客様が予約したサイトが、別の予約サイトを通して予約しており、
そこで誤りが起きたようです。

このトラブルは度々起きています。

ホテル側としたら部屋に空きがあれば、
変更も承りますが、空きが無ければどうしようもできません。

ツインとダブルは大違いですよね



繋がらないカスタマーサポート

海外サイトにはコールセンターもあります。
しかし日本語対応ができる方が限られているようで、時間帯によってはなかなか繋がらないことも。

「英語OKならすぐ繋がります」なんて音声案内が流れたりします。
最悪英語でも良いのですが、トラブルの際の細かいニュアンスを伝えるのは難しいので、
使い勝手が悪いなぁと感じます。

日本のホテルでお客様も日本人なのに
なんで英語でやり取りしないといけないんだろう、なんて思うことも多々あります。

ホテル側からの問い合わせはそれでもまだ繋がりやすいのですが、

お客様からカスタマーサポートに対しての問い合わせは、なかなか繋がらないと聞いています。

トラブルが多いのに、なかなか対応してもらえないのです。



公式サイト以外の予約サイトから予約した場合

予約サイトでトラブルがあると
よくホテルが悪いように言われてしまうのですが

基本的に予約に関してはお客様と予約サイトでの契約になるので、ホテル側はほとんど関与できないのです。


例えばお客様がagodaで予約したものは、
ホテル側の管理画面で勝手に変更したりキャンセルできません。

よく海外サイトから予約した方が「キャンセルしてくれ」とホテルに直接連絡してこられますが、
本来はお客様ご自身で予約サイトにかけ合っていただきたいのです。

もし上記のような問い合わせがホテルにあった場合は、ホテルから海外サイトに対して、
「お客様がキャンセルしたいって言ってるよ、無料でキャンセルしてあげて」
とお願いするのです。

それでキャンセルをしてくれるかどうかは
海外サイト次第。

ホテルがキャンセル料無しでよくても、
海外サイトが「いいよ」と言わないと
キャンセルできないのです。


公式ホームページやホテルに直接電話する以外の方法で予約した場合、
変更やキャンセルなどは基本的にはお客様自身で旅行会社なり、予約サイトに問い合わせるのが基本となります。


一番親切なのは

一番自由が効くのがホテルの公式サイトからの予約。ホテルにもよりますが変更やキャンセルも自由がききます。

例えば台風や突然の病気、
やむを得ない事情でのキャンセルに対して、
一応キャンセルポリシーがあったとしても、
多くのホテルはキャンセル料を取らないと思います。
直接予約であれば、お客様の予約を受けた時点でホテルの端末でキャンセルをかけるだけ。
簡単です。

また日本のサイト、じゃらんや楽天トラベル、一休といったサイトを使った場合、
海外サイトと異なり、ホテル側でもキャンセルができることもあります。

こちらも海外サイトに比べホテルに裁量があり、
融通がききます。


しかし海外サイトはそれほど優しくありません。
ルールはルールとして、やむを得ない事情とか、
説明を見落としてしまったことに対して
優しい対応はしてくれないことが多いです。

基本的に何かあれば騙されたり間違えた奴が悪い、と言わんばかりの対応をされることもあります。


私はこれまで様々なトラブルを見てきて、
海外サイトは手を出したくない、
と強く感じています。

日本の予約サイトは海外サイトに比べて
お客さんに寄り添った説明や
対応をしているように感じます。
一方で海外サイトは一見騙そうとしているのか、
と思ってしまうような対応が多々。

そんな海外サイトが日本のサイトを差し置いて
蔓延している昨今を思うと、
日本が外国に侵略されるような、
そんな気持ちがして悲しくなります。


これから年末年始、多くの方が旅行されると思います。その際に海外サイトは安いですし、メリットがある方もいるので使うことは否定はしません。
ただそのリスクと、どういうものを利用しているのか理解した上で利用してほしいと強く思います。

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