入山80日目 石組み
私は小屋内で仕事をしていることが多く、
あまり外作業には出ないのですが、
久しぶりに登山道整備に行ってきました。
作業現場は山小屋から2時間ほど、
山を2つほど越えていくので往復だけでも半日終わってしまうような場所です。
今回は登山道に段差を作る作業で、
岩や木の板でステップを作っていきます。
↓は今回私が関わらせていただいた箇所
手前の木の板を含めて3段が私の作品です。
まだまだ私の腕ですと、先輩方の作るステップには到底及びませんが1つ例として...。
まず1番下に写っている木の板ですが、
こちらは登山道の途中に木の板を入れ、手前に鉄筋を2本打ち込み番線で鉄筋と木の板を固定したものです。
そこへ大きな岩を入れ、
細かい石や土を詰めて1段目が完成です。
この説明だと簡単そうですが、
場所によっては土壌が固かったり、
土の中に岩があったりして
鉄筋がなかなか刺さらないことも多々あり、
そこに苦労することが多いです。
次の段は岩だけでステップを作っています。
まず岩を探すところから始まります。
それなりに大きな岩で、
足が乗せられるほどの平面があり、
かつ設置した際に安定する形が求められます。
岩がゴロゴロしている現場なら問題ありませんが、
場所によっては岩がほとんどない所もあり、
遠くまで探しに行かなければいけない場合もあります。
また重さも30kg~40kg以上あるので運ぶのにも苦労します。
岩を現場まで運んで来たら、岩をどのような向きで設置するか、岩をコロコロ回転させながら検討します。
高さや足場の面積などももちろんですが、
この岩に足を乗せるのは、
右足だろうか、左足だろうか、
という部分まで考えます。
置き方が概ね決まったら土を掘って岩の平坦な部分がまっすぐになるように調整します。
これらの作業は30kg以上はある岩を動かしながら決めていくので、手を挟んだら大ケガしかねません。地味な作業ですが慎重に行います。
無事に大きい岩を設置しても、
そのままだと人が乗った際に少しずつ動いてしまうので、隣に別の岩を置いたり隙間に小石を挟んだりして動かないようにしていきます。
この小石が非常に大事で、これがあるかないかでステップの耐久力が大きく変わります。
この作業はさながら立体のパズルのようです。
頭を使いますし、力も使います。
写真に写っている箇所はせいぜい1mにも満たない高さですが、40分くらいはかかったのではないでしょうか。
歩いていれば1秒足らずで通過してしまうところですが、作った身からすると何度も往復してしまうほど苦労し作品なのです。
夕方ごろまで作業をしてキリの良いところでそろそろ帰ろうか、と山小屋へ帰ります。
その時思うのが来年も残っているといいなー、ということ。自分が関わった道が残っているとやっぱり嬉しいです。
↓は帰り道にて、
風が強くて極寒でしたが景色は絶景でした。
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