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入山69日目 地震
お客様の夕食時間を目前に控え、準備に追われていたさなか突然小屋を強い揺れが襲いました。
山小屋で使用しているガスの警報機?が揺れを感知し、自動で停止、それを知らせる警告音が厨房に響きます。
支配人を始めスタッフが周囲の様子や小屋内のチェックに出ます。
どうやら小屋周りでの被害は無さそうということで、
定時より少し遅れてお客様の夕食の時間となりました。
「山で地震が起こる」ということ、
普段はあまり意識することはありませんが、
可能性としては「起こりうる」ことです。
北アルプス周辺は実は地震が多発している場所です。
私自身、一昨年北アルプス山麓の奥飛騨で働いていた際に何度も経験しました。
1日に震度2~3の揺れが10回以上。
当時、高山市で発信されていた情報によると
北アルプス周辺は造山運動が盛んなため、
それに付随して起こった可能性が高いとのこと。
穂高岳周辺で年間5mm程度の隆起が見られるということで、他の地域と比較しても非常に活動が活発な地域のようです。
1998年には上高地周辺で群発地震が起こったのが有名ですね。
すでに群発地震の体験があるため私自身は感覚がマヒしており、
震度3以下の揺れにはあまり恐怖は感じないのですが、
いざ登山道上で地震にあったら、と思うと身が竦みます。
実際にその時間に登山道で作業をしていたスタッフもいて、
山が崩れて登山道から弾き飛ばされるのではないかと思った、とその恐怖を語っていました。
山は常に危険に気を配る必要がありますが
「地震」もその一つに加わる出来事でした。