見出し画像

クマの住処で働く④

クマの住処、北海道・大雪山で働いて2ヶ月。

クマの痕跡を日々目の当たりにして、時々クマに出会ったりして、私のクマに対する感覚は働く前と比べて少し変化しました。


元々、大雪山で働く前にも北アルプス周辺などクマがいる地域で生活してきて、
実際に野生のクマを見る機会もあり、

おそらく街で暮らしている人に比べれば、
クマに対しての恐怖心は薄かったと思います。

ただ、北海道のヒグマは本州のツキノワグマと比べて二回りくらい大きいのは知っていたので、
会ったらヤバいなぁと漠然とした恐怖心がありました。


大雪山で日々ヒグマと隣り合わせの生活を送り、様々なクマに関する話を聞くことで
クマに対する「漠然」とした恐怖心はなくなったと感じています。


奥飛騨クマ牧場のツキノワグマ
のぼりべつクマ牧場のヒグマ
ツキノワグマが子グマに見えるくらい大きい


それは全く怖くない、
ということではなくて、


クマが人間を襲う猛獣というわけではないことを知ったことが大きいです。

例えば基本的には人間を襲うことはなく、
人間を避けるように生活していること。

クマの足跡をつけるタイミング、
登山道のセンサーカメラに映る時間、

どれをとっても人間のいる時間を認識していて、
避けているようにしか思えません。


そして襲う時は何らかの理由があって襲ってくること、

それは例えば、
子どもを守る、
びっくりして自分の身を守るため、
エサを取られないようにするため、など。


そして何か理由があったとしても、
攻撃する前に「威嚇」を行うなど、
すぐに攻撃してこない個体が多いこと。


ちなみにこの「威嚇」は

ブラフチャージと呼ばれ

クマは攻撃に移る前に
人間めがけて走ってきて、
1〜2m手前まで来て、
離れる、

という行動をとることが言われています。

実際にヒグマに何度か接触している人で
この「ブラフチャージ」を数回受けた、
と話している方に会いましたが、
体に傷を負うような攻撃をされたことは一度も無かったそうです。


色々知ることでクマに対して対策ができることを知りましたし、
クマの生態についてより興味が湧きました。




最近のニュースを見ていると、
ただ恐怖心を煽るだけのような内容がほとんどで、山にいるクマに対しても過剰に恐れる人が増えてしまいそうな気がします。

今年の北アルプスでは、林道にクマが現れただけで警察に通報したという人がいた、

という話を聞きました。

もし街の中にクマが出たら、それはクマにとってもイレギュラーであり、
クマがどのように行動するか未知数なので、
警察に通報するのはわかります。


ただ山でクマに出会うことは、
クマの住処ですから、ありうることであり、
特別なことではありません。


最後にクマに関するサイトや本をいくつか↓

ヒグマセンターのサイト↓
インスタもオススメです!



知床財団のヒグマに関するページ↓


クマと長年関わってきた猟師の方の話↓


街のクマに関する話↓

いいなと思ったら応援しよう!