日本の母は頑張り過ぎ
昨日
「今夜はひじきの煮物を作ろう」と思い立って
ひじきを水で戻しておいたのに
夕方帰宅した息子とお風呂に入っているうちに
どんどん夕飯作りが面倒になってしまい
結局
「夕飯どうしよっか(面倒くさいな…)」
と息子に相談したところ,
「うーん,パンでいいんじゃない?」
という4歳息子の提案により
(彼は基本素麺かパンしか食べない男)
パンとハムとゆで卵,という恐ろしく素朴な夕飯に。
準備時間わずか8分。
そして台所で片付けをしながらふと目にとまった
水に浸かった大量のひじき…。
(これ,今から料理するのは面倒くさいな。
冷蔵庫に入れておけば明日でもいけるかな。
いや,でもなんか生臭くなったり傷んだら勿体無いしな…)
などとひとしきり心の中で葛藤した後
息子を寝かしつけ,一緒に寝落ちするのを我慢して
夜な夜な台所に立った母は
無事美味しい煮物を完成させたのでした。
あー眠い。
2020年に
OECD加盟国に対する調査結果で
1日の睡眠時間の平均は507.6分であるのに対して
日本は442分,さらに男性よりも女性の睡眠時間が短く
「日本人女性は世界で最も睡眠がとれていない」
ということが分かったそうです。
ふーん。多分,この結果が出て驚いてる日本人女性はほとんどいないんじゃないでしょうかね。
なんでしょう,
母になった途端に本当にびっくりするくらい寝る時間が取れないんですよね。
ご飯作りと,家の片付けが永遠にループし続ける中で
仕事もやって,子どもや夫の世話もして,
気づいたら1日があっという間に終わっている。
結局母が自分のことをしたいと思ったら
自分の睡眠時間を削ってやるしかない。
(と言っても,ちょっとゆっくりお茶を飲むとか,日記をつけるとか,見られなかったドラマを観るとか少しだけぼーっとスマホ見るとかそんな程度のこと)
早く子どもが大きくなって
一人時間よ戻ってこーい!
と祈るような気持ちで乳幼児の子育てをしているお母さん
きっとめっちゃいるはずです。
がしかし!
OECDの調査結果によれば
こんなに忙しくしているのは日本人女性だけっぽい!🙄
となると
諸外国の母たちは一体どうしているのか。
色々調べてみると
どうやら「食事の支度」が一つの鍵を握っているようでした。
そこで
私が過去に
アメリカにホームステイしていた頃の
ホストファミリーのお母さんたちの生活を思い出してみることにしました。
高校の先生をしながら2人の子育てをしているお母さんと
専業主婦で3人の子育てをしているお母さん
どっちのお母さんも
それなりに自分のやりたいことをやっていて
「寝る間も惜しんで」とか「常に家事に追われて」
みたいな様子は確かにあまりなかった…。
ふむ。
そして肝心の家族での食事は一体どうだったかというと…
朝:シリアル+牛乳
昼:サンドイッチ(食パンにチーズとハムとマヨネーズ)
夜:
A)マカロニ&チーズ
B)パスタ&トマトソース
C)庭でパパが焼いたデカい肉&ポテトチップ
D)インスタントラーメン
以上。
ちょっと意識高い系のお家だと,
ここにほぼレタスしかない,サラダが追加されたりされなかったり。
そしてこれがクリスマスと感謝祭の特別ディナー以外は年間を通して繰り返される感じでした。
ちなみに夕食のメニューCに関しては
「今日の夕飯はお肉とチップスよ」
とお母さんが教えてくれて「チップス?」と思ったら
普通のポテトチップス
(日本のファミリーサイズをさらに2倍くらいにしたやつ)
がお皿にてんこ盛りにされて出てきて
無茶苦茶にカルチャーショックを受けてことを思い出しました。
今考えてもなかなかの献立。
でも,これがどこの家庭でもほぼ一般的でした。
(25年前だけど)
ちなみにドイツで生活していた友人の話を聞いても
献立がいつも同じ
というのはアメリカとほとんど変わらず。
夕食はパンとハムとチーズ
頑張って,パスタにトマトソース。
ソースだって瓶に入ってるやつを温めるだけね。
って感じでした。
献立を考えなくていい!!
台所に立つ時間も最低限。
準備時間はほぼ10分以内。
昨夜の我が家の夕食メニューがデフォルトですって,奥さん!
なんて楽ちんなんでしょう。
日本でも
今や外食やお惣菜を買ってくることに罪悪感を
感じるお母さんはほとんどいないと思うけど,
それでもやっぱり食事は一汁三菜!
いやいや,大好きな土井善晴先生は
「一汁一菜でもいいよ」
と言ってるけれども(笑)
それでもやっぱり日本の母たちには
子どもに食べさせる家庭での食事はこうあるべき!という強烈な思い込みがある。
自分の親やもっと前の世代に比べたら
少しは緩められているとは思うけれど
それでも今なお根強く存在するこの思い込みこそが母たちを忙しくしている元凶になっていることは紛れもない事実。
子育ての悩みは
そのほとんどが「思い込み」がつくり出しているもの。
これは私の子育て講座の中でも核となる内容なのですが,
長年の習慣や日本人が代々受け継いできた
伝統的価値観という名の思い込みはなかなかに手強いです。
でも「思い込み」だからこそ,
その気になればいつでも手放せるってことですね。
ちなみに,
先ほど紹介したアメリカのとんでもメニューは
栄養バランスなんてほとんど考えられていないけど,時短以外にも
母からするととんでも無く素晴らしい利点があります。
肉を焼く以外のメニューは(これは大体お父さんの仕事)
全て子どもが自分一人でも準備できちゃうんです。
ランチのサンドイッチも
ハムとチーズを挟むか,
ピーナツバターにマシュマロを挟むか
くらいの選択肢しかないので
子どもが自分でその日食べたいものを選んで自分で作る。
そもそも
食事=(母)親が作るもの
という前提条件が存在していないので
パスタも,パンも,シリアルも
とりあえず買って台所に置いておけば
あとはお腹がすいた人が自分で作って食べる。
子どもが
「お母さん,お腹すいたー!」
と言えば
「自分でやってー!(Help yourself!)」
と返ってくる。
だからアメリカの母たちは
夏休み中の日本のお母さんみたいに
「1日3食,ご飯作りに追われて気が狂いそうです!!」
「子どもの毎日のお弁当作りが!!」
みたいな悩みは無い。
ということで
もしも「食事の支度」がストレスやイライラの
原因になっているということであれば
思い切って「ちゃんとご飯を作らなきゃいけない」
という信念を手放してみることも全然ありだと思います。
私も食にそれほどこだわりがないので
献立は基本固定にしました。
朝は,冷凍の焼きおにぎり(息子が自分でチンして食べる)
昼は給食(ここで1日の栄養の大半を摂取。笑)
夜は,ご飯と煮物(作り置き)とたくあん。
(味噌汁は自分が飲みたい時だけ作る。)
お母さんが頑張って凝ったメニューや
毎日献立の被りがないようにしたとしても
子どもは「いつも同じ」が良かったりするんですよね。
頑張って色々作っても
息子はふりかけご飯とひじきしか食べません(笑)
でもこっちもそもそも気合いを入れて用意してなければ全然イライラもしない。
それでいいんじゃないかなと思います。
偏食だって,家の外でちゃんと食べているのなら全然OK。そのうち食べるようになります。
なんも食べない中学生なんて見たことないから大丈夫。
もうね,
夕飯にポテトチップス出すのと比べたら
どんなご飯だって素晴らしい立派な夕食にしか見えませんよ。
あ,もしそんな献立で
旦那さんがブーブー文句を言うようなことがあれば
とびきりの笑顔で
Help yourself❤️
と返してあげるか
じゃぁ庭でお肉を焼いてくださる?
と提案してみてください。
母はとにかく忙しいのですから。
良い週末を!