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日本と中東に価値をもたらす新しいビジネス戦略【INTERVIEW】ツナガルが語る中東市場開拓を推進する理由

ツナガルに中東事業部が立ち上がって2年目。
この間、事業部は着実に成長を遂げ、会社にとって重要な事業のひとつとなっています。
中東という新しい市場で、どのように事業を広げてきたのでしょうか?

今回は、2024年11月から中東事業部のリーダーとなった江刺家を招き、今後の方向性や目指すべき目標について話を聞いていきます。どんな思いでこの事業に取り組んでいるのか、そしてこれからどんな未来を描いているのか。江刺家の視点から、これからの中東ビジネスの可能性を探っていきます。

【話を聞く人】

江刺家京子
福島県生まれ、福島県育ち。一児の母。
幼少期から人とコミュニケーションをとることが大好きで、学生時代には異文化や言語を学ぶためにオーストラリアへ留学。その後、グアムでのインターンシップも経験。宿泊業を中心にキャリアを積み、日本に来てもらうきっかけづくりや地域との関係づくりの魅力に惹かれ、2024年6月ツナガルにジョイン。


中東事業部が目指すもの

「ツナガルはなぜ中東にむけたビジネスを推進しているのでしょうか?
また、どこを目指しているのでしょうか?」

私たちはビジネスを通してソーシャルインパクトの創出や、中東マーケットにおける日本のプレゼンス向上を目指しています。
私たちの掲げるミッションを具体的にご紹介します。

Mission1

中東と日本の架け橋となり
互いの文化理解 課題解決に努め、
中東における日本のプレゼンスを高める

相互理解というところでは行政機関が担われる側面も大きいのですが、
あえて民間の我々が、機会提供や、架け橋になるような動きをしていこうという考えを打ち出しています。

次にお互いの文化理解です。イスラムの方々は宗教をすごく重んじている文化なので、食材で食べられないものも明確ですし、その文化を日本も正しく理解し、もっと相互の文化理解を図ることで、課題解決へのきっかけがあるように考えます。

たとえば、中東は農作物が育ちにくい土地柄あるため、食材の約85%を輸入に頼っている背景がある。その点日本は形状が美しく、新鮮な食材が豊富なので中東諸国からの関心も高い。だから日本の新鮮な農作物を届けることは課題解決につながるアクションのひとつになり得ます。
また、日本から中東に向けて技術をもって様々なプロジェクトをお手伝いする、あるいは中東の技術を日本に持ってくることでできる双方の問題解決があるかもしれない。 

こうした相互での課題解決の取り組みの中で、中東における日本のプレゼンス(存在価値)を高めていくということを目指しています。

Mission2

日本の魅力を中東諸国に発信し、
日本の各地域・地方に外貨をもたらす

日本はある程度人口があるので、国内での内需だけで市場を形成することができます。ただ国内消費だけでもある程度の売り上げが立ってしまうことが、「もっと外にでてチャレンジしよう!」という海外に進出する障壁になっているとも感じます。「いつか海外で販売できたらいいな」を夢で語っているけれど、実際にチャレンジしている人は一握りかと思います。その夢を本気でサポートして、更なる自社製品の魅力に気づいてほしいな、と考えています。

各地域の本当の魅力、地域産品や農作物のその土地だからこその魅力。日本刀など伝統工芸の魅力。それにメディテーションなどの日本文化の魅力。
日本の魅力を中東諸国に向けて発信することで、地域に外貨をもたらし、日本の地域に根づく文化や産業を守っていきたいと考えています。

中東ビジネスにおけるツナガルのケイパビリティと実績

「中東ビジネスにおいてツナガルがプレゼンスを発揮できる点を教えてください」

ツナガルのケイパビリティは人とヒト、人とコト、人とモノなどをつなげられるところにありますが、
中東ビジネスにおいては、まさにその強みでプレゼンスを発揮できていると思います。

たとえば、2024年11月には日本発のスタートアップ5社をバーレーンで開催された世界的投資家イベントWBAF2024にお連れし、世界の投資家・企業家層と結びつけました。

WBAF2024

さらに、同年11月には、アラブ首長国連邦を拠点とする湾岸諸国の大手コングロマリット企業であるKanoo Groupとともに、GX推進や北海道内ビジネス創出を目的とした、海外企業誘致視察(テクニカルビジット)を実施しています。

GX推進や北海道内ビジネス創出を目的とした、海外企業誘致視察(テクニカルビジット)

またツナガルでは、観光ビジネスにおける日本の認知度拡大のための活動もしています。
日本は中東市場においてまだまだ知名度は高くないという課題があり、ゆえに訪日する中東の方々は他国に比較すると多くないのが現状です。
そこでツナガルでは中東諸国現地のエージェント向けに1か月から2か月に1回のペースでウェビナーを開催して、日本を紹介するという取り組みを実施しています。
日本の四季や食べ物、観光地などを紹介するコンテンツなのですが、最大90名以上の集客ができています。

中東諸国現地のエージェント向けウェビナー

同様に、日本にとっても中東諸国はまだまだ未知の国です。
ツナガルでは2025年2月より、日本の企業や地方自治体に向けた中東の紹介ウェビナーを始めました。
観光客の受け入れの際にお役立ていただけるような中東の文化やマナー、ハラルフードについての知識や「中東諸国はこんな国・人です!」というのを社員の実体験を基にをお伝えしています。

中東で注目されるビジネス分野とは?

「中東マーケットでいま注目されているビジネス分野について教えてください」

受けがいいというところで言うと「フード」と「ヘルスケア」でしょうか。

中東は砂漠気候の土地柄、どうしても農作物が育ちにくかったりするので、「フード」特に野菜や果物に対する需要や関心は高いと思います。旬の新鮮な食材を食べるという点で、最近はヘルスケアの観点でも注目されていたりもします。
ツナガルでも、Farm To Table(農場からテーブルまで直接届けるような仕組み)で顔が見える生産者が作るこだわりの食材を新鮮なうちに食材を届ける仕組みを模索しています。
栄養価が高く新鮮な野菜やフルーツは最近糖尿病が増えている中東諸国の健康維持に欠かせません。そのため農作物を届けることは、「ヘルスケア」にもつながっていく取り組みになると思います。

「ヘルスケア」に関しては、各国で政府が主体になって健康プログラムの推奨など積極的な支援がされています。
こうした背景からも、中東に向けた「ヘルスケア」領域のサービスに企業が注目し出してるかなというところです。
一方で、国民のヘルスケア分野に関する興味関心度はまだまだ伸びしろがありそうな印象。そういった意味でも開拓し甲斐がある市場だと考えています。

取り組みへの想い:江刺家インタビュー

私は中東に行ったこともなければ、中東の友達が多くいるわけでもありません。そんな自分がどこまで中東を理解できるんだろうと思ったりしたものですが、この仕事をはじめて、やはり気が合い仲良くなる人とは仲良くなれることがわかりました。

私はビジネスで関わることがほとんどですが、中東の方々は営業訪問に訪れたツナガルのメンバーを歓迎してくれたり、「あなただから一緒に(ビジネスを)したい」と言ってくださるくらい人情的で、日本人の気質とも合う印象です。

世界は違えど、話す言語も違えど、お互い理解しあってつながりをつくっていくことの意味や交流の大切さを実感しています。 

会社から中東事業部配属のお話をいただいた時にすんなり受け入れられたのも、中東をもっともっと理解して、中東にビジネスを広げたいという思い、
それと同じくらいの強い気持ちで、日本にも中東を理解してほしいという思いもすごくありました。
相互理解に取り組むことで、お互いの寛容性が広がるのかなと考えています。

ビジネスに関してもそうですし、観光で来てもらうことにも当てはまるのですけど、まずは日本と中東が互いを知るところのきっかけを作っていきたいと思っています。ツナガルが、関係性ををつなげていくというところの役割に少しでもなれるんだったら嬉しいです。

テクニカルビジットをサポートしていたメンバーからのこの報告写真を見た時に、「あぁ、私の見たい世界はこれだ。」と深く思いました。
ビジネスの中で互いを理解し、心からのハグをしている写真です。

関係性が広がっていくことで、ツナガルの掲げる「人生を変える出会いを作る」が本当にできるかもしれないですし、誰かのその第一歩を踏み出すきっかけになれたらいいなと思っています。


おわりに

私たちとパートナーになってくださる企業様、中東市場への展開をお考えの企業様は、ぜひお気軽にご相談ください。



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