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本にまつわるエトセトラ

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本を読むのも買うのも大好きなつむぐがゴリ押しする小説の紹介などなど。
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#読書感想文

8年間本気で続けた読書記録をやめてしまった件

4年前、このような記事を書いた。 読書記録管理サイト『読書メーター』に投稿した感想を振り…

都村つむぐ
6か月前
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書店員、初めて選書してもらう

通り過ぎる瞬間、思わず一冊の背表紙に惹かれるように、ひとつのツイートが目に留まった。 CA…

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いつもこころに「ぼちぼちイズム」を

お守りのようなことばがある。 一生懸命やったけど、報われなかったとき。めまぐるしい日常に…

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『くもをさがす』で気づく、自分の身体を愛する自由は私のものだ

「なにが原因なん?」 メニエール病を打ち明ける度、必ず降りかかってくる問いは、静かに確か…

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わたしたちは詩人、まちは言葉の『彗星交叉点』

歌人ならではの言葉に対する感度の高さ、繊細かつ的確に表現するワードセンス、読む者の世界の…

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『鉄道小説』という切符を手に、人とまちの記憶をめぐる旅へ

同じ駅、同じホームで毎日電車を待って、もう12年が経つ。 その間に大学生になって、社会人に…

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ブックマークの時代に『スピン』を愛したっていいじゃないか

栞紐を見れば、その本がどんなふうに読まれたかがわかる。 先がボロボロになるほど何度も読み返したんだなあ。こちらは美しく折りたたまれているから、買ったいきおいのまま読み切ったのだろう。いや、その割に表紙が擦れている。ほつれないよう大切に大切にページをめくったのかもしれない。おや、こちらは折れ目がついている。先を出しっぱなしで本棚に収めたにちがいない。 全ての本についているわけでなく、カバーや帯ほど目立つ存在ではないけれど、読み継いできた人たちの愛情を一心に体現するそれは、紙

私はおいしいごはんも食べたいし、「おいしいね」って言いたいし、言われたい

くつくつと煮える鍋から、まだ赤みの透ける肉を引き上げる。とかした卵をたっぷり絡めて、一口…

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私のIときみのきみと

私の中には2人の私がいる。「そうですね」「すみません」「なるほど」と主語のない同意でやり…

5

飛べ、飛べ!他の誰でもない自分の目で世界を見つめろ!

「伊藤たかみさんとの対談イベントに参加しない?」 高校1年の冬、誘ってくれたのが現国の先…

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愛があふれてレビューにも感想文にもならなかったけれど、人生を揺さぶるカッコいいコ…

明転とともに男が舞台に飛び出してくる。続いてもうひとりゆったりと現れ目出し帽を脱ぎ捨てる…

15

5年後、10年後で待つ読者にも届けたい。本屋大賞2022全ノミネート作レビュー

本屋大賞ノミネート10作ぜんぶ読んでみよう。 これまでにも思い立ったことはあるけれど、週に…

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今こそ挑もう!わんこの青空文庫【犬にまつわる短編4選】

「撫でたって」 公園でひとり写真を撮っていたら、向こうからおじいさんと柴犬がやってきた。…

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読書感想文に燃えた秋のこと

2020年11月、3つの締め切りに追われていた。 読書メーター第5回レビュアー大賞、キナリ読書フェス、#読書の秋2020。 簡単に言ってしまうと、すべて”読書感想文コンテスト”である。 これまでにも同じような企画は開催されていたが、一度も応募したことはない。文章で生きていけるようになりたい私にとって、それはチャンスでもあるが、挫折のリスクでもある。いざ落選という現実を突きつけられて、へこたれない自信がなかった。 が、今年は2ヶ月前に退職したばかり。積み上げてきた実績も