バンブラPで作ったオリジナル曲をTuneCore Japanでリリース登録した話
歳末の候、皆様いかがお過ごしでしょうか。
「大合奏!バンドブラザーズP」をはじめとする、家庭用ゲーム機のソフトで私が制作したオリジナル曲を、音楽ディストリビューションサービス「TuneCore Japan」にリリース登録した話を書いてみます。
事の発端
2023/11/26(日)0:00 ~ 2023/12/12(火) 2023/12/25(月)23:59までの間、TuneCore Japan年末キャンペーンとしてシングル配信1年間利用料 [ ¥1,551 (税込) ] が無料となっていました。
「それなら」ということで、Bandcampにて販売中のこちらを、使い勝手の確認を兼ねてシングルとしてリリース登録してみたのです。
共有用のページまで用意してもらって、なんて素敵なんでしょう。
競合サービスとしてはボカロPに人気の「ROUTER.FM」を検討していました。
「支払いは配信登録時のみ」ということで、ひよっ子アーティストとしてはお財布に優しいと思った次第です。
しかし、SSS合同会社のずんだもんは、2023年12月23日時点において、ROUTER.FMでイラストと共に使用可能なキャラクターとして登録されていませんでした。
また、新規配信登録の際、途中まで入力したものをドラフトとして保存しておけないなど、「支払いが配信登録時のみ」のサービスとして相応のものでありました。こればっかりは文句言えないよね。
ということで、TuneCore Japanで無事にシングル配信が出来たため、アルバムの配信も検討したというわけです。
結果
無事にリリース審査を通過し、本日以降に順次配信されます!
審査に通過とか配信とか、バンブラPの「楽譜投稿・審査サービス」みたいだなあ。
リリース登録までにやったこと
■第三者が権利を有している音源を確認、必要なら除外する
まずはBandcampで配信中の1st Full Album『僕の気持ち』について。
「価格を『name your price』にする代わりにこの曲も入れちゃえ!」ということで、第3回、第4回の『【だれおり】だれが作ったオリ曲でしょう!』に参加した曲をアルバムに入れていました。
『とびきりサマーチューン!』はとひもとさん、『あなたの神になりたい』はY(ワイ)さんが作詞・コード進行を手掛けた曲です。
「第三者が権利を有している」ものをリリース登録に含めた場合、リリース審査を通過するためには [第三者の権利物情報] に商用利用のライセンスおよび購入証明資料を添付する必要があります。当たり前ですが、自分以外に権利者が関わっている場合は、商用利用の許諾を得る必要があるのです。
リリース審査で「音源は第三者が権利を有している可能性がある」と連絡がきた – TuneCore Japan ヘルプセンター
https://support.tunecore.co.jp/hc/ja/articles/4403660267277
ということで、まずはこの2曲をリリース登録から除外しました。
とひもとさん、Y(ワイ)さん、問題がございましたら、name your priceで配信しているBandcampのリリースからも除外いたします。
その場合はご連絡ください。
また、『mozell - バンバード ~Piano Version~』のリミックス曲である『Banbard Calls You』についても、TuneCore Japanでのシングルリリース登録を今回は見送りました。
そして、アーティスト名について、『S’PN - bye-bye』を『ツムンテマ - bye-bye』として配信することにしました。
『S’PN』をアーティスト名として登録するには、私のレーベル『ツムンテマの苔庭』のメンバーとして『S’PN』をアーティスト登録しなければならないからです。
このアイドルグループは架空のもので、何よりこの名称とアイデアはスッポン放送が権利を有するものであるため、今回はツムンテマが個人名義で発表する『bye-bye』としました。
2024/01/28 追記
『バンバード ~Piano Version~』の作曲者であるmozell様、ジャケットアートのイラストレーターである瀬名サキ様に許可をいただき、この度『Banbard Calls You』のシングルリリースが開始されました!
DTMでリメイクしたバージョンとなっております。聴いてね!
・バンブラPの音源って含めてもいいの?
バンブラPの作曲機能には「ボーカロイド」で詞を歌わせられる機能がついており、主にこの音源(ボイスバンク)の権利が問題になると思います。
これについて、正確な情報源に欠けるのですが、Twitter(Xとは言いたくない)で「バンブラPの音源については、自分のオリジナル曲なら商用利用して良いよ」「商用利用の中にゲーム画面やロゴマークを使うのはやめてね」という旨のメールを受け取った、任天堂(スッポン放送?)に直に問い合わせに行った人のツイート(これまたポストとは言いたくない)を見かけたことがあります(現在閲覧不能)。
これまた正式な文書ではありませんが、匿名掲示板のバンブラスレッドにてこのような書き込みを見つけました。
今からまた私が直接こんな年の瀬の忙しいときにお問い合わせに行くのも任天堂の迷惑になりそうなので、今回はこの書き込みを根拠に確認が取れているものとみなしました。
生声アーチストを使う場合の権利処理についてはよく分からなかったため、今回はデフォルト女性、デフォルト男性以外使うのをやめました。
※TuneCore Japanのリリース登録時に [このトラックに第三者の権利物は含まれていますか?] →「はい」 として [第三者の権利物情報] にバンブラスレの書き込みを添付したわけではありません。あしからず。
・スッポン放送のコンテストに投稿した作品は配信できる?
Wayback Machineにスッポンブログのアーカイブが残っていたためそちらを見てみました。
上の文言は「著作権(財産権)」に関する記述、下の文言は「著作者人格権」に関するものであり、どちらも「譲渡」ではなく「許諾します」とか「行使しない」と書いてあるところがポイント。
著作者人格権はそもそも譲渡や放棄ができない権利であるため置いておくとして、著作権(財産権)を許諾しただけで譲渡していない。複製権や公衆送信権などの権利は、オリジナル楽曲投稿に応募した著作者本人に変わらず残っているということ。
そのため、バンブラPのオリジナル楽曲として投稿済みである楽曲をBandcampで販売したり、TuneCore Japanにリリース登録しても問題ないと私は判断しました。
・その他のニンテンドーDS、3DS作曲ソフトについて
無事リリースされた二つのアルバムにおいて、制作時に家庭用ゲーム機のソフトを使ったものは以下のトラックです。
アルバム『さよならボクの理想郷』
バンブラP:
Track 01 木漏れ日と吹き溜まりの奥に
アルバム『僕の気持ち』
バンブラP:
Track 01 僕の気持ち
Track 02 へび
Track 03 君と共に
Track 07 Contempt
Track 10 Achieved!
Track 11 bye-bye
バンブラDX:
Track 06 闇市
Track 12 僕の気持ち (My First Composition Ver.)
プチコン3号 SmileBasic:
Track 08 オリジナルループ -緊迫のとき-
KORG M01D (MIDI書き出し機能を使用):
Track 09 オリジナルループ -ローグライク風-
バンブラDX、プチコン3号、KORG M01Dを制作時に使用した音源について、ゲーム内で合成されたボーカル音源は入っていないか、そもそもそのような機能が搭載されていません。
そのため「私が作曲したものなんだから配信していいだろう」ということで、特に確認なしでリリース登録しました。ダメだったらそもそも審査落ちるだろ。
■ジャケット画像・音楽ファイル等の形式を整える
アップロードするファイルたちを、TuneCore Japanが推奨するファイル形式に沿ったものに整えました。
【ガイド】ジャケット画像・音楽ファイル等の形式について – TuneCore Japan ヘルプセンターhttps://support.tunecore.co.jp/hc/ja/articles/4413996303641
■その他の細かいやり方
ここに大体載っているので、やってみたい方は自分で調べておくんなまし。
TuneCore Japan ヘルプセンター
https://support.tunecore.co.jp/hc/ja
そんなわけで、無事に私のオリジナルアルバムが配信中となりましたとさ。めでたし、めでたし。
おわりに
年末キャンペーンによりシングル配信が無料なのは最初の1年間、1つのリリースまでで、それ以降2年目から、また2つ目以降のシングルリリースには、いつも通り1年間利用料1,551円(税込)が掛かります。
アルバム配信ははじめから有料で、1リリースにつき1年間利用料5,225円(税込)です。
全世界に私の曲が配信されているだけでとても幸せですが、たくさん聴かれたり買われたりしなければ赤字です。
是非聴いてくださいね!!(ダイレクトマーケティング)