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令和6年度介護報酬改定のうち、個人的に最も気になっている項目

一般社団法人あたご研究所 代表理事
後藤 佳苗

保有資格、役職など

一般社団法人あたご研究所代表理事、特定非営利活動法人千葉県介護支援専門員協議会理事、看護学修士(地域看護学)、保健師、介護支援専門員、千葉県介護支援専門員指導者など
略歴と現在の活動
千葉県職員(行政保健師)として、保健所、精神科救急病院、千葉県庁母子保健主管課、千葉県庁介護保険担当課等に勤務し、2005年4月~現職
ケアマネジャー、介護福祉職、行政等職員、コメディカルなどに対し、年200回以上のセミナーを全国で担当する


“略称”と正式名称


⚫“運営基準”:「指定居宅介護支援等の事業の人員及び運営に関する基準(平成11年厚生省令第38号)」
⚫“解釈通知”:「指定居宅介護支援等の事業の人員及び運営に関する基準について(平成11年老企第22号)」



令和6年4月からの介護報酬改定に伴って、様々な課題や追加が必要になる事項なども具体的にみえ始めました。

仲間内などで、「令和6年度の介護報酬改定のうち、ぶっちゃけて言うと、一番注目している項目は何か?」などの質問をしあう場面なども増えています。

皆さんは何が一番気になっていますか? 

ちなみに、私個人としては、『身体的拘束等(身体的拘束及びその他の制限。以下、同じ)の適正化』が、今改定において最も気になる項目です。

今回は『身体的拘束等の適正化』について、確認を進めていきます。


1.身体的拘束等の適正化の推進

 令和6年介護報酬改定において、ア 短期入所系サービス及び多機能系サービス(いずれも予防給付分も含む)、イ 訪問系サービス、通所系サービス、福祉用具貸与、特定福祉用具販売及び居宅介護支援(いずれも予防給付分も含む)に関して、身体的拘束等の適正化が推進され、具体的な改定内容が示されていました。

具体的には、ア 短期入所系サービス及び多機能系サービスについて、省令が改正され、身体的拘束等の適正化のための措置(委員会の開催等、指針の整備、研修の定期的な実施)が義務付けられ、併せて告示も改正されて、1年間の経過措置は付されたうえで、身体的拘束等の適正化のための措置が講じられていない場合は、基本報酬が減算されることになりました(図1、図2)。

同時に、イ 訪問系サービス、通所系サービス、福祉用具貸与、特定福祉用具販売及び居宅介護支援については、利用者又は他の利用者等の生命又は身体を保護するため緊急やむを得ない場合を除き、身体的拘束等を行ってはならないこととし、身体的拘束等を行う場合には、その態様及び時間、その際の利用者の心身の状況並びに緊急やむを得ない理由を記録することを義務付けられました(図1)。

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