目指せ! スーパー管理者!!第3回
管理者の責務を再確認
一般社団法人あたご研究所 代表理事
後藤 佳苗
すべてのケアマネジャーが、スーパー管理者を目指すこと。これは、運営基準減算を回避するためにも、質の高いケアマネジメントを提供するためにも有用です。運営基準や算定基準、人材育成など、ケアマネジャーや事業所が理解し取り組んでいきたい内容を中心に確認します。
法令等の“略称”と「正式名称」
⚫ “法”:「介護保険法(平成9 年法律第123 号)」
⚫ “運営基準”:「指定居宅介護支援等の事業の人員及び運営に関する基準 (平成11 年厚生省令第38 号)」
連載第3回となる本号は、“スーパー管理者”になるためにはどこから着手すべきか、運営基準を確認していきます。
日常のケアマネジメント業務に加え、事業所管理に求められる5月に行われた介護保険法改正や令和6年度に予定している介護報酬改定への準備など、多忙かつ見通しがたてにくい日々が続いているからこそ、一度立ち止まって考える機会にしてください!
1.居宅介護支援を提供するために必要な運営基準の理解
基準該当居宅介護支援と指定居宅介護支援を提供するためには、運営基準をもとに制定された条例に従った業務を行う必要があります(法第47 条第1 項第1 号、法第81 条第1 項・第2項)。
また、制度開始当初は、厚生労働省令で定められていた事業所や施設に関する運営基準(省令)については、現在では、都道府県等が制定する条例に委任されています。
条例は日本国憲法第94 条を根拠とし、地方議会の議決によって制定される「自治立法」、つまり、条例を定めた地方公共団体で適用される法ともいえるものです。
ただし、条例を制定するにあたっては、法令との間に矛盾が生じたり抵触したりすることのないよう、体系的・統一的な法秩序を形成することとされ、すべての基準を市町村等が自由に決めることができるわけではありません(表1) 。
すなわち、条例制定者(居宅介護支援事業所の場合には、市町村)によって、参酌すべき基準に該当する条項には差がありますので、注意が必要です(表2 )。
2.管理者の責務(運営基準第17 条)
運営基準は、表3に構成を示したように、5 つの章からなる「本則」と「附則」で構成されています。
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