介護保険法令を理解し、使いこなそう!
第3回 介護保険制度の法令リスクが高くなりやすい理由②
一般社団法人あたご研究所 代表理事
後藤 佳苗
法令を理解し使いこなすことは、自分と仲間と事業所を守る第一歩
あたご研究所の後藤と申します。
介護保険制度が、法令リスクが高くなりやすい主な理由として、
① 介護保険法の特徴と3年に一度の定期的な法改正があること
② 運営基準(省令)が、事業者や施設で異なること
③ 運営基準(省令)の条例委任
④ ローカルルールを作りやすい条例体系
が主な理由として挙げられています。
本号では、前号から引き続き、介護保険制度の法令リスクが高くなりやすいと言われる理由のうち、
「②運営基準(省令)が、事業者や施設で異なること」について、確認します。
よろしくお願いいたします。
理由② 運営基準(省令)が、事業者や施設で異なること
前号で確認したとおり、介護保険法は骨格法と呼ばれるつくりの法律です。
法律はその根拠(核)ですが、制度の骨格となる部分だけが示されている法律だけを読んでいても仕事にならず、法律を支える(取り巻く)、省令や告示に実際の業務に関する具体的な内容が示されています。
そして、介護保険のサービス事業者や施設は、介護保険法において、都道府県や市町村(以下、「市町村等」)が位置づけた条例の基準に従った
業務遂行が義務づけられています。
この条例を市町村等が制定する際には、省令の基準(運営基準)を基にすることとされています。
このため、まずは、それぞれの事業者、施設が守るべき
運営基準を理解する必要があります(表参照)。
表からもわかるとおり、事業所や施設によって守るべき運営基準は異なります。
つまり、事業所や施設ごとに運営基準が異なるため、思い込みで仕事をせずに、
勤務先の事業者が守るべき運営基準と解釈通知を把握する必要があります。
例えば、居宅介護支援と介護予防支援においては、
それぞれの運営基準に示されているケアマネジメントの
手順(局面の数や内容)が異なります。
具体的には、居宅介護支援(要介護者のケアマネジメント)は、大きく8つの局面
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