介護保険法令を理解し、使いこなそう! 第1回 法令遵守(コンプライアンス)に精通する意味と価値
一般社団法人あたご研究所 代表理事
後藤 佳苗
法令を理解し使いこなすことは、自分と仲間と事業所を守る第一歩です
千葉県船橋市で、あたご研究所を経営している後藤 佳苗と申します。よろしくお願いいたします。
ケアマネジャーを紡ぐ会さんとのご縁をつなげたきっかけは、宮﨑会長からのお声掛けでした。その後、2017年から紡ぐ会さん主催研修の講師に継続的に招いていただくなど、細く長いお付き合いをいただいています。
本コラムについても、「ケアマネジャーに伝えたいこと、知っておいてほしいことを中心に、何を書いても構いません」と、太っ腹な紡ぐ会さんのご厚意で、本号から毎月連載を担当させていただけることになりました。好きなことを書いていいと言われているので、介護保険法令についての理解を深め、使いこなす技術を身につけることを中心にまとめていきたいと思っています。
第1回目である今回は、「法令遵守(コンプライアンス)に精通する意味と価値」について、再確認を進めます。
1.ケアマネジャーと法令遵守(コンプライアンス)
「法令遵守(ほうれいじゅんしゅ)(コンプライアンス)」という言葉を耳にしない日はないといっても過言ではないでしょう。そして、「法令を遵守しない場合、介護支援専門員登録の消除や事業所の指定取消しとなる場合もある」ということは、ご存じだと思います。
しかし、コンプライアンス(法令遵守)に関しては、『自信が無い』『ちょっと苦手……』と、尻込みをされるケアマネジャーに出会うこともあります。
社会保障制度である介護保険制度においては、法令や通知等で守るべきルールが定められています。
また、本人の生活機能や価値観を把握し、望む暮らしを達成する(本人の権利を擁護する)ためには、複数の小さな局面に分かれたケアマネジメントの過程を円環(循環)させることが必要です。
もちろん、このケアマネジメントの過程を円環させるルールも介護保険法令で細かく規定されています。つまり、ケアマネジャーがケアマネジメントにおける法的な規定を理解せず有効に使いこなせない場合、介護支援に支障等が生じる可能性や介護事故等が発生する危険性もあるのです。
つまり、ケアマネジャーにとって、コンプライアンスに関する内容については、避けては通れないという意味を持ち、そして、ケアマネジャーが、コンプライアンスに精通することは、ケアマネジメント業務の効率化につながります。
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