介護保険法令を理解し、使いこなそう!
第6回 介護保険制度導入の背景と制度の理念等
一般社団法人あたご研究所 代表理事
後藤 佳苗
法令を理解し使いこなすことは、自分と仲間と事業所を守る第一歩です
千葉県船橋市で、あたご研究所を経営している後藤佳苗と申します。
連載第6回目の本号では、介護保険制度導入の背景と介護保険制度の理念等について、再確認を進めます。
1.介護保険制度導入の背景
日本は世界に類を見ないスピードで高齢化が進んだ国です。高齢化の進展に伴い、要介護高齢者の増加、介護期間の長期化など、介護ニーズはますます増大していきました。しかし、その一方で、核家族化の進行、介護する家族の高齢化など、要介護高齢者を支えてきた家族をめぐる状況は大きく変化していきました。
併せて、景気の低迷、税収の減少なども重なり、高齢者を支えてきた従前の老人福祉制度や老人医療制度による対応には限界を迎えていました。
このようは背景から、厚生省(当時)は、それまでの制度とは全く異なる新たな枠組み(制度)として、高齢者の介護を社会全体で支えあう仕組み(介護保険制度)を創設し、1997(平成9)年に介護保険法が成立し、2000(平成12)年4月から介護保険法が全国一斉施行されました。
2.介護保険制度の基本的な考え方(理念)
介護保険制度が目指す「介護の社会化」を成り立たせるための「基本的な考え(理念)」として、三つの柱(1自立支援 2利用者本位 3社会保険方式)が示されています。ここからは、制度の理念等である三つの柱を確認します。
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